日別アーカイブ: 2016年10月18日

現場の実態を反映した地域医療構想に見直しを求める

代表質問で地域医療構想について取り上げ、「病床削減、在宅ありき」の問題点を指摘し、知事に構想の見直しを迫りました。

国は、療養病床の医療区分1の患者の70%を在宅医療等で対応するよう指示しています。ところが宮城県が独自に行った医療区分1の患者調査では、「入院による医療介入が必要という理由で退院困難な患者」が50.1%、「入院による医療介入が必要ないにもかかわらず退院困難な患者」が33.5%、結局、83.5%の患者が退院できないという結果でした。独自調査を行ったことは画期的でしたが、県は国の指示通りに医療区分1の70%を在宅患者としてカウントし、その分ベッドを減らしました。県の調査結果や地域の実情を踏まえた構想とすべきです。

⇒知事は、「在宅医療等の整備と合わせ、地域の実情に応じて、療養病床を含めた慢性期病床の確保に努める」と答えました。

増加する在宅医療の体制が整っていません。今、在宅医療は、末期がんや神経難病、人工呼吸器の患者さんなど重症患者が増加し、医師は、診療はもとより、訪問看護や介護・福祉との連携のための調整や書類作成にも追われています。患者の急変や看取り患者の増加で、実質、24時間365日拘束されている実態です。何よりも、在宅医療や訪問看護を担う医師・看護師が足りません。確保・養成策についてお答えください。

⇒知事は、「総合診療医の育成支援や、在宅患者の急変時における入院体制の構築、ドクターバンク・ドクターキューピット事業による自治体病院への医師の配置、訪問看護師に対する講習会等を実施している。在宅医療の充実に努める」と答えました。

また、病院のケースワーカーからお聞きした、「介護が必要だが介護者がいず、医療行為が必要なため介護施設には入れない低所得の高齢者の転院先探しに、日々苦労している」という声を届け、病院を転々としている医療難民・介護難民の実態を告発し、現場の実態や声が生かされ、現場の困難が改善できる構想になるよう求めました。

⇒保健福祉部長は、「機械的に算定した構想だ」と認め、知事も「現状をしっかり国に伝えながら、現状に合わせた改善をしなければならないと思っている」と答えました。

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※日本共産党の内藤隆司議員の予算総括質疑で、保健福祉部長が、療養病床の計算について「実情に合わないことを国に申し入れている」と発言したことを受けて、6日の保健福祉委員会でその内容について質問しました。

⇒部長は、「策定の途中段階で厚労省と協議する機会があり、技官と専門官が今年1月に医政局と協議した際に、県の独自調査を示して、宮城県は療養病床数が全国最下位クラスであり他県とは違うので個別に協議したいと申し入れた。厚労省からは、政省令で決めたとおりに算定するよう指導された」と答えました。

私は、「自治体病院は今年度中に新公立病院改革プランの策定が迫られており、地域医療構想を踏まえることになっているが、実態とあっていなくて困っている」と述べ、部長は、「今ある病床をベースにして意見交換していく。実情を反映させていく。医療構想は圏域の目安なので、参考にしながら機能分担の議論をする」と答えました。

 

宮城野原広域防災拠点は白紙・再検討を!

9月県議会(9/14~10/14)は、広域防災拠点の用地取得の議案が出され、6月議会に続いて、大きな争点となりました。日本共産党県議団は、代表質問、一般質問、建設企業委員会、決算総括質疑、最終日の討論と、次々と連携した論戦を行い、問題点を明らかにし、事業の白紙撤回と再検討を迫りました。

私は、代表質問で、地震や災害の専門家が次々と危険性を指摘する長町利府線断層帯の直下型地震に対して、危機管理意識がない村井知事の認識を質しました。知事は「ボーリング調査の結果、地盤は固い」と言いますが、建物の倒壊や道路の寸断などの総合的な被害想定は平成16年以降行っていません。また、消防庁の「広域活動拠点に必要、望まれる14条件」には「被災地からある程度離れていること」が求められています。

これらの指摘に対して村井知事は、「活断層があって被害想定がないから、何もしてはいけないということではない」、「望ましい条件で、必ずしもそうでなければいけない条件ではない」と開き直り、「今の科学では地震がいつ起こるかわからない」とまで言い放ちました。まさに安全神話です。

仙台市の危機管理部局と協議していなかったことについて、知事は「反省している」と言いましたが、圏域防災拠点8地域との協議もこれからです。これでは広域防災拠点としての機能が発揮できる保証はありません。

また、遠藤いく子団長の決算総括質疑で、JR貨物の土地購入に至る経過から、「宮城野原ありき」の原因が明らかになりました。JR貨物の岩切移転は2004年に協議されていましたが、財政難で立ち消えていました。これを今回、県が「渡りに船」で取得することとなり、100億円もの公共補償を付けて、JR貨物の移転が可能となりました。公共補償については、「機能回復分」以外は含まれないことになっています。ところが、「E&S方式」と呼ばれるコンテナ対応型の新駅は、飛躍的に機能が高まるものですが、公共補償の対象としています。このような「至れり尽くせり」の公共補償はやめるよう指摘しました。

更に、500億円から1千億円かかると言われている「仙台東道路」の建設をセットで推進することや、宮城球場の将来的な建て替え用地との関連も取り沙汰されています。

広域防災拠点整備事業は、国費160億円、県費140億円、合計300億円という巨額の税金を投入する問題点だらけの事業です。ところが9月議会では用地取得の議案が、付帯意見を付けて賛成多数で可決されてしまいました。残念ながら、6月議会で広域防災拠点の予算に一緒に反対した県民の声(民進党系)は、「説明が尽くされた」として賛成しました。反対したのは社民党と日本共産党の10人でした。

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