日別アーカイブ: 2016年10月27日

宮城県議会議長と自民会派の政務活動費問題を質す

6月議会で就任した中山耕一議長と、自民党県民会議への疑惑が浮上しています。ひとつは、中山議長の妻の会社に政務活動費から人件費を不正支出しているとして、仙台オンブズマンが監査請求をし、棄却された問題。2つ目は、自民会派が2013年3月から今年2月までに購入したパソコン等の代金約1800万円で、改めてオンブズマンが監査請求しました。これらについては、党県議団として、自民会派に説明と資料を求め、回答に対して、新たに質問状を出しました。

 3つ目は、中山議長が2013年9月にパソコン等の代金約10万円を政務活動費として支出した領収書が、実はマッサージチェアの領収書であった問題です。中山議長はただちに10万円を返還しましたが、「返還すればいい」という問題ではありません。1014日の県議会閉会後に、県議団で直接、議長の説明を受けましたが、パソコンの領収書は未だ見つかっていず、弁護士に依頼しているとのことでした。引き続き、事実を質していきます。

 県議会の議会改革推進会議では、2017年度分から政務活動費のインターネット公開を行うことになりました。

国保の都道府県単位化に住民の意見を反映するしくみを求める

10月6日の保健福祉委員会で、国保の都道府県単位化に向けた準備状況が報告されました。

市町村が運営している国民健康保険は、2018年度から都道府県と市町村の共同運営となります。都道府県は国保の財政運営の責任主体となり、運営方針を定め、市町村ごとに納付金と標準保険料率を算定します。市町村は、県から示された納付金と標準保険料率をもとに保険料率を決定し、資格管理や保険給付、保険料の賦課・徴収等を行います。今後、2017年4月に国保運営協議会が設置されて「国保運営方針(案)」決定、2017年の年内には「国保運営方針」策定、市町村納付金と標準保険料率決定、通知の予定です。

私は、以下4点について質疑しました。

1)現在、県と市町村が協議・調整している会議を公開し、議事録を公表せよ。

→(国保医療課課長)市町村との調整会議であり公開しない。議事録は市町村には送っている。手続き(情報開示請求)が必要。

2)国保運営協議会の設置条例を来年2月に上程するために、平成28年中に委員選任方針、委員数等を決定予定であるが、「被保険者代表」は公募せよ。

→(課長):委員選任の方針の検討はこれから。公募も含めて検討する。

3)保健福祉委員会へは、来年2月の「国保運営方針(素案)」段階でも報告せよ。

→(課長):市町村等意見聴取の前にはできない。

4)国保運営方針案はパブリックコメントを行うこと。

→(課長):検討する。

私は、「国保の都道府県単位化は、県民にとって重要な問題だ。それをほとんど案が整うまで県民に知らせないのは問題でないか」と部長に答弁を求めました。

→(保健福祉部長):秘密裏に決定したと思われるのは制度上マイナス。県民の意見も聞いて決定したということが大事。委員会への報告、パブリックコメントについて検討する。

翌日の7日、国保医療課の課長が、部長とも相談して、市町村に配っている部会報告を提供することにしたと、持ってきました。

<国保への一般会計からの繰入は法的には問題ない>

自民党議員が、「市町村は国保への一般会計からの繰入はやめるべき」と発言し、国保医療課長も同調した答弁がありました。私は、「一般会計からの繰入は法的な問題があるか?」と質問し、課長は「法的には問題ない」と答えました。高い国保税を少しでも下げるために市町村が行っている努力に、県がストップをかけるべきではありません。

「富県宮城」から「県民の暮らし優先」の県政へ(9月議会から)

宮城県の「将来ビジョン」は、県政運営の理念として「しっかりと経済基盤を築き、創出された富の循環によって、福祉や教育、環境、社会資本整備などへの取組を着実に進めていくことが必要」として、知事は県内総生産10兆円戦略を掲げ、製造業の大企業誘致に力を入れ、福祉や教育はお金がないからと後回しにしてきました。

県内総生産は1兆円伸びたとしていますが、2014年の勤労者世帯の家計収支は、実収入が前年より▲1.8%減少して2年連続減少。一方、直接税や社会保険料などは2.9%増加し、結果、可処分所得は月額11190円、▲2.8%減少して2年連続の減少となりました(宮城県社会経済白書)。更に、2014年度の消費税8%増税が、家計を追い詰めています。

高齢者世帯も大変です。年金は毎年減り続ける一方で、医療や介護の負担が増え、高齢者の貧困が拡大しています。宮城県の生活保護受給世帯は2万世帯を超え、過去最多となっていますが、その増加の原因は年金だけでは暮らせない高齢者の増加です。

県内総生産を伸ばしても、若者からお年寄りまで県民生活は豊かになっていません。そこで私は、今県民にとって必要なことは、「富県宮城」ではなく、「県民の暮らし優先」の県政への転換だとして、以下4点を提案し、知事に将来ビジョンの見直しを求めました。

①雇用を安定させて正規職員を増やし賃金を上げる「働き方改革」を行うこと。

②県民の安心と雇用の場を広げるためにも、医療・福祉の充実を積極的に位置づけること。保育所や介護施設の整備は、働いて税金を払う人を増やすことにもつながる。

③もうからなければ逃げていく大企業誘致ではなく、宮城の基幹産業である農林水産業や地場産業、地元の中小業者が元気で頑張れるしくみ作りに力を入れること。

④これらを担う人づくり、教育の充実を図ること。

 

具体的には、以下の問題を取り上げました。

(1)雇用の安定と「正社員が当たり前」の社会をめざして

●ソニーが事業の一部を震災後譲渡・売却して設立した企業「デクセリアルズ」多賀城事業所の継続を県から働きかけよ。

●宮城県の雇用者数は10年間(2002年~12年)で4万3千人増えたが、内訳は、正規職員が3万9700人減少し、非正規職員が8万2700人増加。約4割が非正規職員となった。今年7月の宮城県の有効求人倍率は1.40倍だが、正社員は0.88倍。非正規職員の正社員化は待ったなしの課題。

●県庁職員は、知事部局の19.3%、教育庁の28.5%が非正規職員。県庁から正職員化を進めよ。

(2)地場産業・中小企業支援、医療・福祉の充実で地域経済の好循環を

●沿岸部の事業所数及び従業員数の減少が大きい。中小企業グループ補助金自己負担分の融資返済が本格化するにあたり、売上が伸びずに苦戦している事業者への返済猶予延長を関係機関に働きかけること。水産加工業へのきめの細かい支援。

●地場産業と地元業者を育成・支援する産業振興策。

●産業別で、震災前に比べて一番従事者が増えたのが「医療・福祉」。介護職員や保育士の待遇を改善して、特養ホームと保育所を増やすこと。

●卸売業・小売業の従事者が一番減っている。高齢化・過疎化に伴う買い物難民の対策を。

被災者医療の負担免除の継続・再開を!(9月議会から)

宮城県は、そもそも非課税世帯に限定されていた被災者医療・介護の免除措置が、今年の4月からは9つの市町のみとなり、それ以外の市町村と75歳以上の後期高齢者は打ち切られました。市民団体が被災者対象に行ったアンケート調査では、「災害公営住宅に移って家賃も発生し年金生活で経済的に苦しい。せめて医療費免除を継続してほしい」、「同じ被災者なのに自治体や年齢によって免除措置が違うのはおかしい」などの声が多数寄せられています。ある薬局の調査では、3月まで免除該当であった後期高齢者のうち、4~8月に来局していない患者が約1割にのぼるという、深刻な受診抑制の実態も報告されています。

先の912日、日本共産党県議団は、市民団体の皆さんと一緒に、一部負担金の免除措置継続を求めて、国保の追加財政支援(特別調整交付金)の今年度分の検討状況について、厚生労働省保健局国保課などから説明を受け、早期の支援継続決定を要請してきました。厚労省は、「被災3県については、医療費の伸びの傾向や避難者の状況を踏まえ、引き続き一定の割合で交付できるか検討している」と答えました。

知事に以下について求めました。

(1)国が国保の追加財政支援を今年度も行うよう、知事からも強く要請すること。

⇒(知事):県としても様々な機会を捉えて措置の継続を強く求めている。

(2)宮城県としても復興基金から7.5億円を拠出して、市町の負担を半額に減らすこと。

⇒(知事):それぞれの保険者(市町村)が総合的に判断されるべきもの。県は免除に対する支援は行わないが、震災の影響等により国保財政が厳しい市町村に対し、県の調整交付金を活用した支援を検討している。

 

◆日本共産党が提案した「東日本大震により被災した市町村の国民健康保険に対する追加財政支援措置の継続を求める意見書」が全会一致で可決されました。

<9月12日の厚生労働省交渉>

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病院・社会福祉施設の原子力災害対応の避難計画策定は手つかず(9月議会から)

女川原発から30キロ圏内の病院や社会福祉施設は、原子力災害対応の避難計画の策定が義務付けられています。避難計画策定のためには、避難先の病院や施設との協定の締結などが必要で、県のコーディネートなしには進みません。策定状況について質問しました。

知事は、「382施設あるが、策定状況は把握できていないが、策定は進んでいないものと認識している。現在、県では避難計画の作成例などを調整しているところであり、今後、現状把握に努め、関係市町と連携して必要な支援のあり方を検討する」と答えました。

全く、手が打たれていないことがわかりました。私は、「病院や施設の避難計画もできないのに、女川原発の再稼働を認めることはありませんよね」と質問しました。知事は、「まだ再稼働云々という時期ではない。現時点ではコメントは不可能」と答弁を逃げました。

 

<土砂災害・河川の氾濫による病院・福祉施設の災害対策を求める>

また、台風10号による高齢者施設の甚大な被害を踏まえ、土砂災害や河川の氾濫による病院・福祉施設の災害対策を求めました。知事は、「これらの災害が予想される区域に立地している施設に対して、早期に避難計画を改定するよう促すとともに、避難行動要支援者ごとの避難計画策定の加速化や、必要な福祉避難所の確保について、市町村に対し強く働きかける」と答えました。