月別アーカイブ: 2017年7月

県議会全女性議員7人:宮城観光PR動画の配信中止を要請

7月21日、県議会の全女性議員7人で、「仙台・宮城【伊達な旅】夏キャンペーン2017動画」の配信中止を県に要請しました。

この動画は、女性が「殿」にお仕えするものとして描かれ、女性が性の対象として表現されるなど、男女共同参画の立場から看過できません。また、この動画は復興のための基金から2300万円を使って県が作成を委託したものですが、公費を使って作る内容ではありません。配信を即刻中止するよう求めました。

対応した河端副知事は、男女共同参画条例等に照らして問題ないとの認識を示し、配信を継続する考えを示しました。女性議員7人は、申し入れ後、記者会見を行いました。私は、「宮城の豊かな自然や文化を発信していく上で誤りだ」と訴えました。

7月27日には、みやぎ県民の声(民進党系)、共産党、社民党、無所属の会の野党4会派(22人)を代表して、男性県議7人が県に配信の即刻中止の要請を行いました。

宮城県が県立循環器・呼吸器病センター跡地利用に関する企画提案を公募~県が地域医療の存続に責任を持て!

日本共産党県議団は、地域医療を守る立場から反対しましたが、宮城県は、循環器・呼吸器病センターの結核病床30床を2019年度に栗原中央病院に移管し、循環器・呼吸器病センター(以下、センター)は廃止することを決めました。

7月21日の保健福祉委員会では、センター跡地の土地・建物等の貸付を行い、地域の医療・介護の充実に資する事業(例:老人保健施設、医療機関など)を実施する企画提案を募集することが報告されました。また、私の質疑の中で、現在、センターで働いている職員の身分移行に係る意向確認調査が行われ、医師を除く90人の職員のうち49人が未定であることがわかりました。

私は、医療機関の存続は地域住民の強い要望であることから、県が責任を持って医療機関が存続できるよう力を尽くすこと、職員の雇用をしっかり守ることを求めました。

 

「宮城県災害福祉広域支援ネットワーク協議会」設立

災害発生時に、福祉・介護の専門職から構成される災害派遣福祉チームの派遣を行う「宮城県災害福祉広域支援ネットワーク協議会」が7月14日に設立総会を開催したことが、21日の保健福祉委員会で報告されました。これから災害時における要支援者の広域的な支援体制のあり方、災害派遣福祉チームの設置、チーム員の研修や訓練等について協議されます。

協議会は、宮城県、県内全市町村、宮城県社会福祉協議会(以下、県社協)などの福祉関係団体など、56団体で構成され、会長に宮城県知事、副会長に県社協会長と宮城県保健福祉部長、事務局は県社協が担います。今後、年度内に災害派遣福祉チームの派遣体制を構築するとのことでした。

宮城県災害派遣福祉チームの結成については、昨年の熊本地震の際に、岩手県の先行例を紹介しながら私が委員会で提言してきました。今年の2月議会では、福祉関係団体に保育関係者なども入れるよう要請し、入れていただきました。今委員会では、避難所や福祉避難所の応需体制づくりや、地域防災計画との連携を図ることを求めました。

 

6月県議会で「障害者及びひとり親家庭の医療費助成制度のペナルティ廃止を求める意見書」全会一致で採択

6月議会では日本共産党から2本の意見書案を提案しました。

ひとつは、「『共謀罪』法の廃止を求める意見書案」で、自民・公明の反対で不調となりましたが、引き続き、廃止めざして頑張ります。

もうひとつは、「障害者及びひとり親家庭の医療費助成制度における国民健康保険の国庫負担減額調整措置の廃止を求める意見書案」ですが、全会一致で可決され、国に送られました。国庫負担減額措置(いわゆる「ペナルティ」)が廃止されれば、窓口負担無料化が全国で一斉に進みます。

以下、意見書の内容です。

<意見書>

平成28年12月、政府は、就学前までの子どもへの医療費助成制度により、窓口負担を無料化している地方自治体に対して、国民健康保険の国庫負担減額調整措置を平成30年度から廃止する方針を決定した。

一方、障害者及びひとり親家庭への医療費助成制度により、来年度以降も窓口負担を無料化する予定の地方自治体に対しては、国庫負担減額調整措置を継続することになっている。

国庫負担減額調整措置は、地方自治体が現物給付方式により医療費を助成した場合に行われることから、多くの地方自治体では医療機関窓口で一旦支払った後に、申請により払い戻しを受ける償還払い方式を導入しており、「医療費の償還に3カ月から5か月ほどかかり医療費の工面が大変である。」「医療費助成申請書を毎月、医療機関等に提出するなど手続きが大変である。」などの声があり、医療を必要とすることの多い障害者や半数が相対的貧困と言われるひとり親家庭は重い負担を強いられている。

よって、国においては、地方自治体が行う障害者及びひとり親家庭の医療費助成制度に係る国庫負担減額調整措置を早急に廃止するよう強く要望する。

第31回宮城県原爆死没者追悼祈念式典      ~歴史的な核兵器禁止条約の採択を力に

7月17日、宮城県原爆被害者の会(はぎの会)が主催する原爆死没者追悼祈念式典に参列しました。

黙とうの後、追悼合唱、女優の斉藤とも子さんらによる追悼朗読、小学校6年生の「子どもの平和宣言」、原爆被害者の会の追悼のことばに続き、県知事(代読・保健福祉部長)、日本共産党・民進党・社民党の国会議員や県議・仙台市議の代表が来賓挨拶を述べました。

日本共産党の高橋千鶴子衆議院議員から、7月7日にニューヨークで行われた「国連会議」で、人類史上初めて核兵器禁止条約が122カ国の賛成で採択され、その歴史的な会議に日本共産党から志位委員長も参加したこと、一方、本来唯一の戦争被爆国として核兵器廃絶運動の先頭にたつべき日本政府が「反対」したことに抗議し、日本の条約参加に向けた運動の決意が語られました。

また、日本共産党県議団を代表して遠藤いく子団長からは、宮城県の村井嘉浩知事と県議会の中島源陽議長が原爆被害者の会の求めに応じて、核兵器廃絶を求めるヒバクシャ国際署名に署名したことが報告されました。被ばく者の長年の思いと運動が届いたこと、県議会の会派を超えた働きかけがあったことが紹介されました。

<遠藤県議の追悼挨拶>

「第7次宮城県地域医療計画」策定に地域住民や医療関係者の声が反映されるしくみを求める

7月4日の保健福祉委員会で、第7次宮城県地域医療計画(案)の策定にあたり、意見聴取を行う「宮城県地域医療計画策定懇話会」の設置について報告を受けました。

構成員は、学識経験者14人、医師会・歯科医師会・看護協会等の関係団体6人、保険者3人、医療従事者(病院協会)1人、医療をうける側1人の合計25人です。学識経験者はへき地医療として涌谷町の関係者、在宅医療として民間医療機関の医師なども入るとのことですが、ほとんどが「5疾病5事業(※)」を担う東北大学の医師です。

私は、「地域医療を担う地方の医師や住民代表をもっと入れるべき」と質問しました。医療政策課長は、「市町村の意見聴取やパブリックコメントを行う。地域医療構想の推進を図るために医療圏単位で開催される『調整会議』でも、地域の病院等の意見を聴く。」と答えました。

昨年策定した「宮城県地域医療構想」では、全体としてベッドを削減して在宅医療を増やす、急性期ベッドは過剰として回復期ベッドを増やすなどの構想になっています。しかし、急性期ベッドを減らして救急医療が維持できるのか、在宅医療を担う医師や看護師の確保と養成などの課題があります。私は、「地域医療計画の策定の中で、地域医療構想の見直しもあるのでないか」と質問しました。課長は「見直しもありうる」と答えました。

<※「5疾病5事業」とは>

・5疾病:がん、脳卒中、心筋梗塞等の・心血管疾患、糖尿病、精神疾患

・5事業:救急医療、災害時における医療、へき地の医療、周産期医療、小児医療(小児救急医療を含む)

2016年度災害公営住宅入居者健康調査結果   =被災者の暮らし・健康・雇用・コミュニティの支援継続を

7月4日の保健福祉委員会で、災害公営住宅入居者の2回目の健康調査結果が報告されました。

・実施主体:宮城県及び13市町(仙台市、石巻市、塩竈市、気仙沼市、名取市、登米市、東松島市、大崎市、亘理町、山元町、松島町、涌谷町、南三陸町)

・実施時期:2016年11月~17年2月

・調査方法:郵送又は市町支援員等の戸別訪問による配布・回収。さらに塩竈・名取・亘理・大崎・東松島では、未回答世帯を対象に健診団体の訪問による聞き取りを実施(443世帯訪問し、接触215世帯)。

・回収率:配布・7724世帯、回収・3635世帯、回収率・47.1%、有効回答人数・6270人

【調査結果概要】

①単身世帯の増加と進む高齢化

・単身世帯の割合:43.1%、前年38.2%。

・65歳以上の独居高齢者世帯の割合:28.6%、前年:24.6%、県平均(2017年3月末):11.5%

・65歳以上の高齢者の割合:50.0%、前年:44.4%、県平均:26.3%

②職業:44%が「無職」・・その25%が15歳から64歳

無職44.4%、会社員14.0%、パート・アルバイト12.9%、主婦12.4%、学生6.7%、自営業2.8%、etc.

※「無職」と回答した2689名のうち、15歳から64歳までの659人の「無職」の理由:「求職中」31.9%、「病気療養中」21.1%、「その他」18.4%、「未回答」28.7%

③高齢者ほど健康指標は悪化~被災者の後期高齢者医療の負担免除復活を

1)現在病気がある人の割合:59.7%(前年:56.5%)、70代以上は80%~90%へ

2)体調が「あまり良くない」「とても悪い」と答えた割合:21.5%、80歳以上は約35%

3)不安・抑うつ症状:K6が13点以上(支援が必要な程度の強い心理的苦痛を感じている)が7.5%。(厚労省の国民生活基礎調査では13点以上は4.4%)

4)「災害を思い出して気持ちが動揺することがある」と回答:17.0%。全体に女性の割合が多く、80歳以上の女性は26.3%。

5)「朝又は昼から飲酒することがある」と回答:2.4%。全体に男性が多く、60代男性は6.8%。

④特に男性及び高齢者のコミュニティ支援は課題

1)「相談相手がいない」と回答:22.0%。40歳以上の男性は約3分の1にのぼる。

2)地域行事に「不参加」と回答:58.7%(前年:63.4%)。参加者は女性の割合が高い。

<天下コメント>

 災害公営住宅に入居したら被災者支援が終わりではありません。一般世帯に先駆けて高齢化が進み、単身世帯が増えている中で、見守りや健康支援、コミュニティ構築、就労支援など一人ひとりに寄り添ったきめの細かい支援が引き続き重要です。

 

 

 

 

 

 

国保県単位化に向けた保険料の試算値を速やかに公表せよ

宮城県は、「国が確定係数を示すのが12月になるため、保険料の試算値公表は年明けになる」と答弁してきました。それでは2・3月の議会で、県民の命にかかわる国民健康保険について充分な議論ができないまま予算を決め、住民には請求書が届いて初めてわかることになりかねません。
一方、国保の運営方針や納付金の徴収について審議する宮城県国保運営協議会は11月に答申を出す予定です。納付金や保険料の試算値も示されずに、答申を出すことはできません。
7月4日の保健福祉委員会での宮城県社会保障推進協議会の陳情に対する質疑で公表を迫り、部長は「今後の試算の状況を見ながら公表時期を早めることも市町村と協議して検討したい」と答弁しました。

「国保は社会保障」 県単位化:4つの問題点

県は2018年4月から市町村とともに保険者となり、財政運営の責任を担います。住民の願いは、「今でも高い国保税を下げてほしい」ですが、未だに保険料の試算は公表されていません。「宮城県国民健康保険運営方針案(以下、方針案)」について、私の質問から見えてきた問題点を整理しました。

問題点1:保険料引き上げの恐れ
     ⇒ため込んだ基金を活用して保険料の引き下げを!
方針案は、「法定外一般会計繰入のうち、決算補填等を目的としたものは解消・削減の対象とする」としています。私の質問に対して県は、「法定外一般会計繰入は2018年度以降も法律で禁止されていないが、国のガイドラインに沿って解消を指導する」と答えました。そもそも宮城県の国保世帯の職業では「無職」が45.8%、非正規雇用などの被用者が23.3%と低所得者が多く、払える保険料とするための一般会計繰入は市町村の判断とすべきです。
一方、宮城県の市町村でため込んでいる国保の基金は被保険者1人当たり3万4764で、全国市町村平均の9,322円の3.7倍と、全国でダントツ1位です。何よりも国保税を引き下げて、住民に還元すべきです。

問題点2:徴収強化促進の恐れ
方針案は、県と各市町村が収納率目標を定めて収納対策を強化するとしています。具体的には滞納整理機構の活用や短期被保険者証・資格証明書の発行を位置付けています。無慈悲な取り立て差し押さえや、保険証の取り上げを強化するのでなく、住民に寄り添った納税相談や生活相談こそ強化すべきです。
また、収納率が高い市町村等に財政支援を行う「保険者努力支援制度」が開始されますので、ますます徴収強化が懸念されます。

問題点3:国保事務の標準化・効率化・広域化による弊害
方針案は、「短期被保険者証・資格証明書発行に係る指針の作成」を行うとしています。現在宮城県では、短期証を発行していない市町村が2つ、資格書を発行していない市町村は14あります。一律発行につながるような指針の作成はやめるべきです。
また、短期証の窓口留め置きや資格書の発行は受診を抑制し、手遅れとなる事例が全国で生まれており、やめるよう県が指導することを求めました。

問題点4:医療費抑制の推進 ⇒国のねらい!
今回の都道府県単位化は、国や県の調整交付金や保険者努力支援制度などで、医療費を適正化(抑制)した市町村に財政支援を行うしくみが導入されます。また、昨年策定した「地域医療構想」のベッド削減計画と合わせて、県が国保の財政運営と医療提供体制双方に責任を持ち、医療費抑制を推進するしくみが作られます。

いつでも、どこでも、誰でも必要な医療が受けられる制度に
国民健康保険法第一条:「この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする。」
この立場から、保険証1枚で「いつでも、どこでも、誰でも必要な医療が受けられる」制度にしていくために頑張ります。