日別アーカイブ: 2017年12月25日

県議会・野党4会派21人で初の予算要望

12月11日、みやぎ県民の声(民進党系会派9人)と日本共産党県議団(8人)、社民党県議団(2人)、無所属の会(2人)の野党4会派21人で、村井知事に13項目の緊急重点要望を提出しました。4会派の共同提出は初めてです。
村井知事は「財政状況を見ながら、1つでも2つでも実現していけるよう努力したい」と答えました。

来年度予算編成へ向けた緊急重点要望
1.子ども医療費助成を中学校卒業まで引き上げること
2.少人数学級の拡大・教職員の増員など教育環境の改善を図ること
3.私学助成を県として拡充すること
4.女川原発の再稼働については、十分な検証と情報公開のもと県民の意見を聴くなど慎重な対応を行うこと
5.地球温暖化を防止する立場から、石炭火力発電所については、計画立案段階より住民の声を聴く計画アセスの導入、既設・計画中の発電所は環境影響調査を課し、厳しく指導すること
6.地元企業の商品開発・販路開拓・販売促進などを強化すること
7.新規就農者に対する対策を強化すること
8.被災者の医療・介護の費用の窓口負担を減免すること
9.災害公営住宅の家賃負担の軽減へ県として支援すること
10.鳥獣被害対策を強化すること
11.障害者の雇用率を高めるとともに、作業所への優先発注を行うこと
12.来年度からの国民健康保険の都道府県化をにらみ、県民の負担が増えないよう対策をとること
13.保育士・介護士の処遇改善を図り、子ども・子育て支援及び介護を充実すること

本気になって地場産業を推進する宮城県の部署を作れ

宮城県の産業は、人口や事業所数での仙台市と地方との格差の拡大、震災後の販路喪失や風評被害等による水産加工業の売上回復の遅れ、復興需要収束後の地域経済の落ち込みの懸念など大きな課題があります。
日本共産党県議団では、2017年1月に高知県を訪問し、「高知県産業振興計画」について調査してきました。一次産業と豊かな自然と「人」を高知県の強みとして活かし、一次産業から派生する食品産業やものづくり産業を育てて地域を底上げしていく取組により、県外に打って出る「外商」の成約件数が7年間で46倍に増加するなど大きな成果を上げていました。この「高知県産業振興計画」を推進しているのが「産業振興推進部」です。農業・林業・水産業・商工業・観光の5つの部とは別に設置され、5つの産業分野の連携テーマを扱い、産業振興計画を牽引していました。
私は、高知県の取組を紹介し、県土の均衡ある発展のために、宮城県でも農林水産業や食品加工業などの地場産業、商工業、観光をトータルで連携して推進する戦略をたて、市町村と一緒に本気になって推進する「産業振興推進の部」を県に設置することを提案しました。
また、宮城県の地方振興事務所は行政機構図によると経済商工観光部の富県宮城推進室の下に設置されています。しかし、地域の農林水産業の振興も図っていることから、地方振興事務所は「産業振興推進の部」の下に設置することも提案しました。
知事は、「産業分野の連携を促進し、互いに相乗効果を高めあいながら、産業全体の底上げを図るという視点は極めて重要である」との認識を示しましたが、経済商工観光部と農林水産部の「連携を密にし、部の垣根を超えた一体的な産業振興施策を展開していく」と「産業振興推進部」の設置には応えませんでした。また、経済商工観光部長は、地方振興事務所の機構図について「高知県の良いところを参考にさせていただきながら、現体制で振興を図る」と答弁しました。
地方の産業の底上げのためには、連携に留まらず、戦略を持って本気で推進する部署が必要です。

実効性ある原子力災害避難計画を求める

PAZ(女川原発から5キロ圏内)及びUPZ(30キロ圏内)の7自治体の避難計画は出そろいましたが、肝心な点で「未定」や「検討中」「調整中」の回答が相次ぎました。以下、質問に対する答弁です。
①避難に必要な車両台数は未定。今年度内に概数を算出する。
②住民の避難や安定ヨウ素剤配布等に関わる医師、薬剤師、運転手、自治体職員等の補償制度や放射線防護資機材の配備は実施する。
③PAZでの安定ヨウ素剤の事前配布の実施率は約6割。
④UPZでの安定ヨウ素剤の配布は事故発生後に行うが、配布場所や方法は現在関係市町と調整中。医師・薬剤師の確保は地元医療機関と調整をはかりながら検討する。
⑤要配慮者の避難計画策定は、避難先施設の調整中。
1)UPZ内の社会福祉施設は107施設、3003人の定員。UPZ外で受入可能と答えた施設は600施設、2998人の受入人数。現在、マッチングの調整方針等を検討中。
2)UPZ内の医療機関は11病院・10有床診療所で、合計2206床。現在、UPZ外での受入可能病床数の調査中。
3)UPZ内の在宅の方は約8000人。

まだまだ実効性ある避難計画とはほど遠い現状です。そこで私は、要配慮者の避難計画を策定し訓練しながら実効性を高めていくための継続的な組織が必要だと主張し、京都府で設置している「災害時要配慮者避難支援センター」を宮城でも設置するよう提案しました。村井知事は、京都府の内容も確認しながら、避難計画の実効性向上について検討すると答えました。
また、避難計画の実効性を検証するための検討会の設置を求めましたが、知事は、「検討会の設置は考えていない」と答弁しました。避難計画の実効性の検証なしに女川原発の再稼働は認められません。

11月23日に宮城県原子力防災訓練に参加し、登米総合体育館で避難退域時検査、中田農村環境改善センターで避難所受付等の訓練を視察しました。

<体表面測定車による放射能測定>       <住民の放射能検査>

<自衛隊による車両の除染>

 

災害援護資金の償還本格化:早期の相談体制の確立を!

東日本大震災に係る災害援護資金は、これから返済が本格化しますが、既に払えないという声が寄せられています。11月9日に、共産党県議団で神戸市を訪問し、阪神大震災に係る災害援護資金の償還期限延長や償還免除の拡大についてオール兵庫で行ってきた取組経過を調査し、以下、質問しました。(回答は保健福祉部長)
天下:神戸市の担当者を講師に迎えて、県が市町村担当者の学習会を開催せよ。
⇒(回答):来年1月に神戸市の担当者を講師として招き、研修を行う。
天下:各市町村に相談窓口を設け、返済が厳しい人には早期相談を働きかけること。
⇒(回答):県のホームページ等に掲載する。市町村に広報誌等を活用した周知を助言する。
天下:阪神大震災では、低所得者に寄り添った償還方法として少額償還を認め、返済期限を超えても延滞金は課さなかった。宮城県も同様の措置が必要だ。
⇒(回答):少額償還の取り扱いは市町村の判断で実施可能。延滞金徴収については法に基づき市町村の判断で決定できる。
天下:阪神大震災では、償還期限から10年後に免除要件が拡大された。宮城県は、生活保護で高齢・病気の人等は10年待たずに免除対象とすべきだ。
⇒(回答):当面、償還状況の推移を注視していきたい。

*東日本大震災に係る災害援護資金
災害弔慰金支給法に基づき、被災者に150万円から350万円貸付。据え置き期間6年、償還期間13年。宮城県で2万3829件、405億6195万円の貸付額(2017年9月末現在)。

11月9日災害援護資金について神戸市で調査

大学の設置責任者として、知事が宮城大学に無期転換を図るよう指導せよ!

宮城県議会の11月定例会が11月24日から12月14日に開催されました。私は、12月7日に一般質問を行いました。順次、その内容を報告します。

来年4月から改正労働契約法により、5年を超えて更新される有期労働契約が、本人の希望で無期労働契約に転換できる「無期転換ルール」の本格的な適用が始まります。経済商工観光部長は、対象となる労働者数が県内で推計11万人程度であるとし、宮城労働局と連携しながら無期転換ルールの周知・啓発を図ると回答しました。
ところが宮城大学では、何度も契約更新を繰り返し今後も更新の期待を上司から表明されていた有期雇用の専門職員が、来年3月末で雇止めを強いられていることがわかりました。これは労働契約法に抵触する脱法行為です。宮城大学は雇止めを撤回し無期転換を図るよう、村井知事に指導を迫りました。
これに対して総務部長は、法に抵触するかは司法が判断することと逃げの答弁をし、知事は県の設置責任を認めましたが、「独立法人化した大学に県が過度に関与できない」と無責任な答弁に終始しました。
本来、無期転換を周知・啓発する県が設置した大学が脱法行為をすることは言語道断です。