日別アーカイブ: 2018年1月24日

特養ホーム待機者9千人:整備目標を引き上げよ

1月19日の保健福祉委員会に「第7期みやぎ高齢者元気プラン中間案」が示されました。特養ホームの待機者は9071人(H29年4月1日現在)。県外や不明者等を除いた要介護1~5の方で8041人。そのうち入所対象とされている介護度3~5の方は6257人です。

県はこの間、自宅の要介護3~5の待機者分を整備するとしてきました。その数は2430人です。ところが、県の計画では1170人分の整備見込みとなっています。なぜこういう目標になるのか質問しました。長寿社会政策課長は、「整備済みのベッド数と介護士不足で稼働できないでいる分を引くと同じくらいの数になる。1170人分は市町村の積み上げた数字だが、まだ変わる可能性がある」と答えました。

そもそも自宅の介護度3~5の待機者分だけでは、全体の待機者数に追いつかないことから、整備目標の引き上げを求めました。

<介護保険料:月額5451円⇒5840円に値上げ、引き下げを求める>

介護保険料(以下県内加重平均)は、現在の月額5451円が今年の4月から月額5840円に値上げされることが報告されました。2000年の介護保険導入時は2697円でしたが、3年毎の改定のたびに上がり続けてきました。年金は目減りしている中で、介護保険料の負担は住民に大きくのしかかっています。現在、県内最高値は6500円、最低値は4050円と、市町村格差もあります。

私は、国に財源補填を要請するとともに、県の補填も検討して保険料を下げるべきだと求めました。担当課長は、「法律で決められており、かなり難しい」と答えました。私は、「介護保険制度そのものが破たんしてきている。例えば介護士の処遇改善加算は介護報酬に連動しないよう国の交付金として支給するなど、知恵を出して保険料引き下げを国と検討すべきだ」と主張しました。

<1/19~2/19:パブコメ募集中>

今回の「第7期みやぎ高齢者元気プラン」は、特養ホームや介護保険料以外にも、高齢者福祉圏域の7圏域から4圏域への変更や、地域包括ケアシステム、介護職員の確保などの問題が山積みです。ただ今宮城県は、「第7期みやぎ高齢者元気プラン(中間案)」のパブコメを募集しています。大いに意見をあげていきましょう。

*パブコメ期間:1月19日~2月19日。くわしくは、宮城県のホームページ⇒保健福祉部⇒長寿社会政策課で計画文書および募集内容をご確認ください。

 

子どもの虫歯対策:検診結果を治療につなげよう

1月19日の保健福祉委員会で取り上げた内容について順次報告します。最初に、「第2期宮城県歯と口腔の健康づくり基本計画中間案」についてです。

<宮城県は12歳児の歯肉異常の割合がワースト2位、虫歯の本数も全国平均を上回る>

宮城県は1歳半、3歳、12歳の一人平均虫歯数の推移をみると、減少傾向にあるものの全国平均を上回り、3歳で全国36位(H27年度)、12歳で40位(28年度)と低迷しています。特に12歳児の歯肉異常の割合が、宮城県は8.3%と全国の4.1%の2倍となっており、全国ワースト2位でした(H28年度)。また、宮城県は子どもの肥満も大きな課題となっています。歯科健診と合わせて、はみがき指導とおやつを含む食事指導の充実を求めました。

健康推進課長は、①歯科医師会でDVDを作って各学校に配布するとともに、教育委員会ごとに家庭でのはみがき指導の大切さや歯肉のブラッシングなどについて講義をしてもらう。②アンケートをとるとだらだらおやつを食べている場合が多いので、虫歯と肥満を合わせて指導する。体を動かす遊びなども保健所ごとに対策を考えていく。③妊娠がわかった時から歯を大切にする意識を啓発するために、妊婦健診で助産師からも指導してもらうパンフを作っていると答えました。

今回の基本計画には、初めて「12歳児における要治療・要精検児童生徒の受診率」が達成指標項目に盛り込まれました。私は、この間、宮城県保険医協会の調査結果をもとに、学校検診で要治療だった子どものうち、小学生で約半数、中学生で3分の2が治療に結びついていないことを指摘してきましたので、この項目が入ったことは評価できます。現在の受診率の把握や目標設定については、今後教育庁と連携して詰めていくとのことでした。

最後に、昨年、塩竈市立玉川小学校の校長先生から伺った話を紹介しました。玉川小学校は、虫歯が少なくて「良い歯の学校表彰」を連続受賞しています。毎日の給食後の歯磨きと合わせて、7月に検診後の治療勧告のお知らせを出す⇒受診していない子どもには9月にも再度お知らせを出す⇒それでも受診しない子には冬休み前にも出す。こういう地道な取組で受診率も高く、虫歯が少ない学校になりました。こういう頑張っている学校の取組なども普及するよう求めました。