7月の保健福祉委員会で「放射能被ばくに対する子どもの健康調査の実施を求める請願」自民・公明により否決

7月21日の保健福祉委員会で、標記請願が県民の声と日本共産党(大内・天下)の3人は採択を求めましたが、自民党・公明党の5人の不採択多数で否決されました。今後9月議会の本会議で採決が行われる予定です。委員会では以下のような質疑を当局と行いました。

天下:福島県での小児甲状腺がん及び疑いの方は172人(6/6現在)。北茨木市や丸森町でも発見されている。小児の甲状腺がんの罹患率に比べて大変高い数字になっており、それでも原発事故との因果関係はないという根拠は何か?

健康推進課長:国で出している罹患率、ガン登録の値は、臨床症状があって受診した患者さんのデータの集積。今回の福島の健康調査は、症状のあるなしに関わらず18歳未満全員に行っている検査であり、国の罹患率と単純に比較できない。原発事故と関係ない長崎、弘前、甲府でも福島同様の検査をしたが、福島と大きな発見率の差はなかったので、福島の小児甲状腺がんの発生が被ばくによるものとは考えにくい。

天下:福島の健康調査は被ばくとの関係はないと言いながらも、引き続き検査は重要だと言っている。宮城県は福島の様子見だけをしていて、結果として早期発見の遅れにつながるのではないか?

保健福祉部長:有識者会議の意見(2012年1月)では影響は考えられないという意見なので、県としては方針を変えるまでの変化はないと考えている。

天下:状況の変化はある。この間、これだけのガンの患者が見つかっているのだから心配も大きい。しっかり検査して早期発見、早期治療につなげていくという立場が非常に大事ではないかと思う。

保健福祉部次長:肺がんや乳がんなどの他のガンは、早期発見・早期治療をすれば延命効果もあるが、甲状腺がんは、発育、ガンの進展も遅いし、小さいしこり、ガンがあっても天寿を全うされる方もいらっしゃるし、がん検診には甲状腺がんはなじまない。むしろ検診をすることで多くの不安を掻き立てることになる。甲状腺がんの場合は、症状が出てからでも手術等々すれば、生存率も100%近く、予後もいいガンですので、むしろ検診をやることで、不安の増長や混乱などもあり、デメリットの方が大きい。福島の健康調査の今後の結果は見守る必要があるが、本県としては、今の時点でこの検診をやる必要はないと思います。

天下:チェルノブイリでも、ベラルーシなどではガンの増加や他の健康問題なども出てきているとのことですので、100%安心だと言いきってしまうのでなく、健康調査を原発事故を踏まえた対策のひとつと位置付けていくべきです。

<天下所感>

当局との質疑を終えて、「本当に甲状腺がんは発見が遅れても100%近く治るガンなのか?」「甲状腺がんの検診は害悪なのか?」、更に調査していきたいと思います。子どもの健康調査については、自治体が実施すれば、費用は国が特別交付税で措置します。これを使って、宮城県内でも丸森町では独自の健康調査を行っています。他の市町にも不安で甲状腺の検査を行っている方々がたくさんいます。しかし、県や市町村が認めないために、その費用は自己負担や医師等のボランティアであったりしています。

私は、県民の願いに寄り添って、引き続き頑張っていきます。

 

 

 

 

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