福祉予算は増えていない~保健福祉委員会及び予算分科会の論戦から

 県民の粘り強い運動で、子ども医療費の助成拡大や保育所の増設などが一歩前進しました。尚一層の充実を求めるものです。しかし、子育て支援課の予算増や後期高齢者医療や介護保険等の給付費の県負担分の増額を含めても、保健福祉部の通常分の予算総額は前年より39億円の減額となりました。医療や介護等は圧縮した予算となっています。介護職員や保育士の処遇改善、地域医療・救急医療の充実など、福祉への本格的なシフトが必要です。

【循環器・呼吸器病センター】

循環器・呼吸器病センターを廃止し、栗原中央病院に結核医療を移管するための整備費(結核医療提供施設整備費1億2288万円及び、その債務負担行為11億3千万円)及び関連議案に反対しました。

県立循環器・呼吸器病センターは、瀬峰地域の住民にとって唯一のかけがえのない病院であり、地域医療を守る立場から撤退は認められません。また、結核医療は全県で唯一の入院ベッドであり、宮城県が責任を持って運営すべきです。

また、循環器・呼吸器病センター廃止後の職員117人(医師7人、看護師37人、その他職員37人)の今後の方針が決まっていません。栗原中央病院で希望している職員は看護師17人だけだそうです。職員の意向調査もこれからです。働く職員の意思を無視して、循環器・呼吸器病センターの廃止ありきで事を進めることは同意できません。

【救急医療施設運営費補助】

平成28年度は大崎市民病院の救急救命センターへの県の補助金が、県南中核病院や石巻日赤病院との公平性をはかることを理由に、それまでの1億2千万円から5725万円に減額されました。大崎市から元に戻すように要望が上がり、わが党では内藤議員や天下が取り上げてきました。このたび、28年度は元に戻すことが明らかになりました。ところが県の説明では、29年度も1億2千万円で継続するが、30年度以降は段階的に引き下げて32年度には5725万円に下げるとの説明でした。

宮城県の救急車の搬送時間は平均42.5分で全国40位と厳しい状況です。地方の救急医療体制が厳しい中、低いほうに補助金を合わせるのでなく、全体として底上げし、救急医療を県がしっかりと支えるべきです。

【学校での集団フッ素洗口の見直しを】

「宮城県歯と口腔の健康づくり推進条例」に基づき、宮城県では学校における集団フッ素洗口のモデル事業を行っています。しかし、学校現場からは、フッ素洗口の安全性や有効性に対する歯科医師の見解が分かれている中で、それでなくても忙しい学校での集団洗口はやめてほしいという意見が出されています。

平成29年度は条例に基づく基本計画を見直し、第2期計画を策定する年です。策定作業の中で、学校における集団フッ素洗口についても、学校関係者の意見も聞いて再検討するよう求めました。

【介護人材確保事業について】

介護職員の確保は喫緊の課題となっており、宮城県はいくつかの確保のための支援事業を行っています。そのひとつが、無資格者を雇用した場合の研修受講料や代替え職員確保を支援する「介護人材確保支援事業」です。ところが、平成28年度は385名の目標に対して、48事業所・80名と21%の実績に過ぎず、2月補正で8400万円も減額補正が行われました。29年度予算では実績を踏まえて100名の目標となり予算額は前年度より7700万円減っています。

目標に到達しなかった理由の分析と対策を講ずること、地方での研修会開催も検討することなどを求めました。一方、29年度から外国人介護労働者の資格取得には介護基礎教育コースや代替職員相当分の事業所への支援、受講生に対する交通費助成などが手厚く設定されており、日本人に対しても資格取得を位置づけ、手厚い支援を行うよう求めました。

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