「魚を食べて盛り上げて」~塩釜市の水産業界と市民のつどい

8月18日、塩釜の日本共産党県議と市議団、党後援会の主催で、塩釜市新魚市場を会場に、「塩釜の水産業を考えるつどい」を開催しました。会場一杯の110人が参加し、塩釜市の水産業・水産加工業を代表する5人が報告、生産者と消費者で現状と課題を共有しました。コーディネーターは斎藤清治氏(元みやぎ生協理事・生鮮部長)でした。

//入江浦々の自然環境の保護を// 赤間廣志氏(宮城海区漁業調整委員)
震災後、多くの漁民が反対する中で、特定企業に特例的に漁業権を知事が与える「水産特区」が導入された。5億円の公費が投入されたが累積赤字で、何のための水産特区だったのか、じくじたる思いがある。水産庁が「水産政策の改革案」を出したが、これからの水産業の発展につながるのかどうか、国会議員や地方議員含め議論していく必要がある。また、松島湾ではかつてアマモ(魚の産卵、稚魚の育成場所になる海藻)が繁殖していたが、その後の埋め立て事業で少なくなってきた。漁業資源の確保のためには、アマモなど入江浦々の自然環境の保護が大事。

//蒲鉾は高たんぱく低カロリーの健康食// 阿部善久氏(塩釜蒲鉾連合商工業協同組合理事長・阿部善商店代表取締役社長)
円安の影響で原料のすりみの価格が高騰し、原料の確保が厳しい。蒲鉾の生産量は、日本が減る一方で外国が増えて逆転した。世界で魚の取り合いになっている。「蒲鉾は高たんぱく低カロリーの健康食」であるという情報発信が重要。震災後の落ち込みを輸出でカバーしたいが、原発事故の風評被害により、中国・韓国は宮城県のものは一切買わない、台湾・シンガポールは放射能検査の証明書提出が義務付けられている。震災後、グループ補助金等で新しい工場が建設されたが、売上や販路の開拓は追いついていない。震災前の宮城県は、全国一の生産量だったが、今は第三位。皆さんにもっと蒲鉾を食べてほしい。

//魚食文化の継承と食育の普及を// 阿部成寿氏(塩釜市魚市場買受人協同組合常務理事)
買受人組合の事業者数は最高時350社から現在123社に減少。その理由は、200カイリ規制等による水揚げの減少、魚食の減少、市場による魚種の固定などがある。世界では魚の価値が上がって魚食が増えているが、日本は国民所得が増えてデフレから脱却しないと、魚食産業が安定しない。具体的対策として、①魚食文化の継承と食育が重要。生魚をさばいて料理して食べる親子料理教室をもっと開催したい。②地域ブランドとして「塩釜」を極めること。「塩釜産」としての商品の価値を高めて販売戦略を練っていく必要がある。③本塩釜駅前の「まちの駅」の活性化、新魚市場と仲卸市場を塩釜の「顔」にすること、多言語での案内板や情報発信などが重要。

//新魚市場~今からが正念場!// 志賀直哉氏(㈱塩釜魚市場代表取締役社長)
1982年頃に約500億円だった水揚げ金額は、2017年には107億円。塩釜魚市場は、県外船の水揚げが90%以上で、漁船の誘致活動に努力している。ここ数年はまきあみサバは約4億円の水揚げに回復、かつおも選別機など水揚げ体制も整ってきている。市場としての最低水揚げ目標は120億円。新市場になって運営コストも3割ほどアップしている。長年の課題であった卸売機関の一本化にとりかかっている。機材整備等のために国・県・市の補助も必要。市民の方に一緒に水産業について考えてもらえる今日のつどいは本当に嬉しい。我々も一層頑張っていきます。

//塩釜の明日の姿を考えよう// 岸柳乃布夫氏(塩釜市団地水産加工業協同組合代表理事組合長)
水産業が廃れたら塩釜はダメになってしまう。当組合も水産加工団地造成時263社から現在70社になっている。震災後、グループ補助など国の支援できれいな工場が建設されたが、自己負担分の借入金の返済が大変。原料も資材、運賃も高騰する中で、スーパーからは「上げるならば他のメーカーさんもいますよ」と値上げを拒否される。どうやって借入を返すか本当に頭が痛い。国に対しても新たな支援を求めていきたい。魚のおいしさを皆さんにも、子どもさんにも知ってほしい。是非、魚をもっと食べて水産業を盛りたててほしい。塩釜の明日の姿を考えよう。

フロアからは、「どうすれば資源を増やせるのか?」、「塩釜市魚市場の魚種の多様化は進んでいるのか?」などの質問や、「我々は良いもの、付加価値の高いものを作って地元にうまいものを提供していきたい(水野水産社長)」「来年の消費税増税はやめてほしい(仲卸市場の業者)」などの発言があり、意見交換しました。
最後に、高橋ちづ子衆議院議員が、「販路や借金返済など現実は厳しい。国の問題もしっかり受け止めたい。塩釜の漁業・加工・流通・販売も含めた水産業全体が進むように頑張りたい。現場の皆さんの声を聴きながら、共産党として提案もしていきたい」と挨拶しました。

つどいの前に行った新魚市場見学会も大盛況でした。

<感想文から>
●塩釜の市民でありながら、塩釜の水産業について考えることがこれまでなかった。本日、それぞれの立場からの発言を聞くことができて大変良かったです。“塩釜の明日の姿”を考え、消費者として何をすべきか、まずは魚食します!
●①魚市場の水揚げ「金額」「量」のバランスを今後どう設定(計画)していくのかよく見えなかった。②仲卸市場で「多種多様な魚」をもっと広げて売ってほしい。マグロに重心を置きすぎていると思う。③食育は、保育園、小学校、中学校で「地産地消」のための食事や体験をもっと取り入れるべき。そのための財政措置を市や県・国に要望すべきでないか。④このような「つどい」は大変面白く、ためになります!!水産業のトップの人達の話は初めてで面白く、中身のあるものでした!!
●魚市場の建物全体は外からみるとわかりにくいので、大きな看板や案内図を作っていただくと、来場者が増えるのではないでしょうか。

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