東北新生園:地域に開かれた将来構想の検討・具体化を!

8月1日、日本共産党県議団と登米市議、栗原市議団、総勢12名で国立療養所東北新生園を訪問し、新生園の将来構想について、全医労新生園支部との懇談と、園及び自治会長さんとの懇談を行いました。東北新生園の入所者は71人、平均年齢は86歳とのことでした。

日本共産党県議団は、3年前の2013年8月にも訪問し、新生園と自治会・職員で作った将来構想の説明を受け、その具体化のための検討委員会設置を県議会で求めました。2014年12月26日に「東北新生園の将来構想を進める会」が開催され、これまで4回の会議が行われてきました。

今回、事務長さんの説明では、病棟を新しく建てる予算が27年度に通り、28年度設計、29年度着工、31年度完成予定で建設工事が行われるとのことでした。エネルギー棟、洗濯棟についても予算が付き、さくら財団からの寄贈でさくらの植樹が行われていました。一方、ニュージーランド村を参考にした陸上トラックや釣り堀などは、入所者が直接利用しないということで厚労省から認められず、整備は進んでいません。また、地域の方も活用できる介護施設や障がい者施設等についても、登米市に打診したら、進出事業者はいないと言われたとのことでした。

療養環境の改善のために新しい病棟が整備されることは朗報ですが、新生園の施設を地域に開放する構想の具体化が図れていないことが気になりました。2009年4月1日施行の「ハンセン病解決促進法」では、「地方公共団体の責務として、ハンセン病であった者の福祉の増進を図るための施策を策定し、実施する責務を有するとし、土地や施設を地方自治体や住民に提供できる」と定めています。全国では、これを受けて、特養ホームや保育所の建設が行われたり、全国13園中9園で一般外来の開放を行っています。新生園はいずれも行っていません。

自治会長さんは、「最後の一人になりたくない、この地に最期までいたい」と何度も繰り返しておっしゃっていました。地域に開放した施設にすることで、その願いをかなえることができます。また、労組の方からは、「入所者の方は年間10人くらいずつ亡くなられており、働くものとしては今後どうなるか不安。」との声がありました。地域に開かれた施設としての将来構想の検討・具体化が求められていると思いました。

追記

8月19日の保健福祉委員会で、東北新生園について取り上げ、入所者の療養環境の整備にめどはついたので、施設の開放について検討するよう求めました。疾病感染症対策室長は、「施設の共有は大きなテーマと認識している。今後は敷地内の散歩コースを開放して来園者を増やす」と答えました。私は、「それは大いに進めていただきたい。同時に、県がリーダーシップを発揮して、医療や介護施設としての開放を検討してほしい」と更に迫りました。室長は、「5回目の会議が秋に開催予定なので、その場で議論されるものと認識している」と答えました。

 

 

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