月別アーカイブ: 2020年10月

新型コロナから雇用を守る取組を

新型コロナのもと、解雇・雇止めが増え、宿泊・飲食業、小売業などで働く非正規雇用労働者(特に女性)を直撃しています。そこで、以下5点について知事に求めました。知事の回答と合わせて報告します。

①解雇・雇止めの未然防止に全力で取り組むこと。

⇒県独自で雇用調整助成金の上乗せ補助を行っている。

②失業者の雇用対策を講ずるとともに、失業手当がない人への救済措置を講ずること。

⇒解雇や雇止めされた方を正社員として雇い入れた事業主に雇用奨励金を支給。

⇒国の求職者支援制度の活用を促すなど、宮城労働局と連携して早期就職を支援する。

③雇用調整助成金(12月末まで延長)や社協の総合支援金の特例期間、住居確保給付金(最大9か月)の支援期間の更なる延長を国に求めること。

⇒雇用調整助成金については全国知事会を通じて9月29日に要望した。他も必要に応じて受付期間の延長を国に要望する。

④新・宮城の将来ビジョンに「正規雇用を増やす」と明記すること。

⇒ビジョンで掲げている「質の高い雇用」に、正規雇用を増やしていくという観点も既に盛り込んでいる。

⑤生活保護の更なる要件緩和を図ること。また、困窮したときは国民の権利である生活保護をためらわずに申請するよう、知事から県民に訴えること。

⇒国の通知により生活保護の柔軟な取扱いが可能となり、適切に実施されるよう県の保健福祉事務所及び市の福祉事務所に周知徹底を図っている。

生活保護について村井知事から県民へのメッセージ

生活保護は、最後のセーフティネットとして大変重要な制度であり、様々な支援制度を活用しても、なお、生活に困窮する事態になった場合は、是非、活用していただきたいと考えております。

子どもたちに「少人数学級」を

コロナ禍の中、40人学級では3密が回避できず、この間、全国知事会等3団体、小中高校の校長会などが少人数学級実現の要望書を文科大臣に提出し、文科省は来年度予算案概算要求に少人数学級を盛り込みました。一方、新・宮城の将来ビジョンでは、政策推進の柱の1つとして「社会全体で支える宮城の子ども・子育て」が新たに掲げられました。

そこで天下県議は、新ビジョンに「少人数学級の導入」を盛り込むことを提案しました。知事は、「新ビジョンにおいては、国の動向も視野に入れながら、学習環境の充実について、方向性として示してまいりたい」と答えました。

がんセンター等3病院連携・統合:職員・患者・住民抜きに進めるな!

医療機能の強化が必要な時に、宮城県は、県立がんセンター・東北労災病院・仙台日赤病院の3病院での連携・統合による「がんを総合的に診療できる機能を有する病院」の実現に向けた検討を8月に開始し、年内には一定の方向性を決定すると表明しました。病院は、医療はもとより、まちづくりや地域経済にも重要な役割を果たしており、各病院関係者に大きな不安を与えています。

天下県議は、方向性を決定する前に職員や患者・地域住民の意見を聴くことを求めました。村井知事は、「各病院で可能な範囲で職員への情報提供に努めているものと承知している。患者や県民の視点を十分に踏まえて検討する」と、関係者の意見を聴くとは答えませんでした。

感染対策の砦・保健所体制を強化せよ

//栗原保健所と登米保健所の支所化を中止せよ//

保健所体制の強化が必要な時に、宮城県は栗原保健所と登米保健所を令和3年度から支所にしようとしていました。天下県議は、栗原市長が「コロナ禍での支所化は全く時期を間違えている」と指摘していることを紹介し、保健所の統廃合を中止するよう求めました。村井知事は、「新型コロナ感染症対策を最優先することが必要であるため、令和44月以降に支所化する」と答えました。

//塩釜保健所 岩沼支所と黒川支所の体制を強化し保健所に格上げせよ//

仙台保健福祉事務所及び塩釜保健所は、塩釜地域2市3町と岩沼市・名取市と亘理郡、富谷市と黒川郡の計13市町村を管轄しています。岩沼支所と黒川支所を置いていますが、支所の人員体制は限定的です。また、黒川支所には生活保護等を担当する生活支援班がないため、塩釜から職員が限られた相談日に行って対応しています。

天下県議は、「岩沼支所と黒川支所の体制を強化して、それぞれを保健福祉事務所及び保健所にする検討」を求めました。知事は、「生活保護等については岩沼支所にも分掌させるなどの見直しを行ってきた。今後とも市町村と連携しながら、地域のニーズに応えていきたい」と回答しました。

//保健環境センターにPCR検査機器1台を追加導入//

PCR検査を行う宮城県保健環境センターを視察し、知事に安定した人員配置の強化と系統的な技術者の研修システムの構築を要請しました。また、PCR検査機器の追加購入を求め、知事は新たに1台の追加導入を予定していると答えました。

<9月5日 宮城県保健環境センター視察>

エネルギー政策 CO2削減対策は再生可能エネルギーへの転換で

//原発はビジネスとして成り立たない//

資源エネルギー庁は原発のコストが10.1円/kWhで一番安いと説明しています。しかし福島の事故後、事故対応費用や追加的安全対策費の増加により原発のコストは上がる一方で、資源エネルギー庁自身が示している再生可能エネルギー(以下、再エネ)の低減目標は、太陽光発電が2025年に7円、風力発電が2030年に8~9円です。原発と再エネのコストは世界の流れと同様、逆転する見通しです。

9月に日立製作所が英国の原発建設計画から撤退を表明し、原発輸出戦略は全て失敗しました。CO2削減の対策は、安全性と採算性の両面から、再エネへの転換で進めるべきです。

原発を廃炉にしても、廃炉作業中の30~40年間は原発労働者の雇用が継続されます。その間に原発に頼らない地域振興策を国や県が応援して推進することが必要です。

広域避難計画:知事の「国が了承したから安全」をただす

宮城県議会9月定例会で、天下みゆきは10月1日に代表質問を行いました。その中から以下、順次報告します。

//UPZ住民の「屋内退避」は被ばくを免れない//

原発から30キロ圏内のUPZ住民は「屋内退避」をして、20μSv以上になったら1週間程度内に避難することになっており、被ばくしながら避難することになります。また、木造住宅での屋内退避は、被ばく量は低減しても被ばくは免れないことも明らかになりました。ヨウ素剤も服用せずに屋内退避する子どもたちの健康を守れると、知事は言えませんでした。

知事は避難計画について、「国が了承したから安全」と無責任な答弁を行いました。天下県議は、県独自の避難計画の検証が終わらない限り同意の議論は進めない新潟県の考え方を紹介し、「国策だから安全と言って思考停止に陥ったことが福島の事故につながった。今また同じことを繰り返すのか」と厳しく迫りました。知事は、「エネルギー政策は国の専決事項」と無責任な答弁を繰り返しました。

 

女川原発再稼働を許すな! 自民・公明等が「再稼働賛成請願」可決~賛成35:棄権2:反対19

10月22日の9月定例会最終日、53の市民団体が提出した「再稼働反対」の請願が日本共産党、県民の声、社民党、無所属の会の賛成少数で否決され、女川町商工会が提出した「再稼働賛成」の請願が自民・公明等の賛成多数で可決されました。

共産党県議団は、代表質問、一般質問、予算総括質疑、決算総括質疑、予算調整の総括質疑と、5人全員があらゆる場面で様々な角度から再稼働反対の質問・質疑を行いました。 

//県民・野党が再三求めた請願者の趣旨説明も却下//

環境福祉委員会での請願審査の徹底審議を求めて、10月2日に、脱原発県議の会の4会派代表が「①請願者による趣旨説明、②有識者の参考人質疑、③より多くの傍聴者が入れる会場設定」を議長と委員長に要請。同様の要請を市民団体代表も行い、環境福祉委員の野党会派の3人が重ねて委員長に行いました。しかし委員長は、内閣府と資源エネルギー庁への質疑のみとし、趣旨説明も参考人質疑も全て却下しました。

//知事は拙速に判断するな//

脱原発県議の会は、議会終了後、請願を提出した市民団体と集会を行い、その後、村井知事に「①反対や慎重な意見も受け止めること、②県民への説明責任を果たすこと、③避難計画の実効性を検証した上で回答すること」の3点を要請しました。