日別アーカイブ: 2021年12月17日

燃油危機打開へ 日本共産党県議団の緊急要望に補正予算

原油価格高騰に歯止めがかからない中、県民の暮らしや生業に深刻な影響を与えていることから、日本共産党県議団は、11月29日、宮城県知事あてに以下の緊急要望書を提出しました。

<日本共産党県議団の緊急要望項目>

1.市町村と連携し、生活保護世帯や低所得世帯、ひとり親、高齢、障害者世帯への「福祉灯油」制度を実施すること。

2.農漁業者や地元中小業者等に対する燃料費助成制度を創設し、実施すること。

3.学校や県有施設の暖房代を十分確保すること。

4.民間の保育園や高齢者、障害者福祉施設などの暖房費への助成を行うこと。

5.公営バス、民間バス事業者、タクシーに対する支援策を講じること。

6.国に上記の財源確保と消費税減税を強く要望すること。

その後、すぐに追加補正予算案が組まれ、「福祉灯油」などが網羅されていましたが、予算規模が小さく、委員会で拡充を迫りました。これからも県民の皆様の要求をつかみ、実現めざして県政に働きかけてまいります。

<原油価格にかかる県の補正予算の内容>

①灯油購入助成費――4,800万円

・生活困窮世帯に対する灯油購入助成を行う市町村への支援

②老人福祉施設等原油価格高騰対策費――1億1,800万円

③保育施設等原油価格高騰対策費――6,400万円

④児童養護施設等原油価格高騰対策費――116万円

⑤障害福祉施設原油価格高騰対策費――4,330万円

⑥私立学校原油価格高騰対策費――7,500万円

・②~⑥:各施設に対する暖房費等のかかり増し経費への助成

⑦施設園芸省エネルギー化対策費―― 1億円

・園芸推進課 施設園芸農家に対する省エネルギー化のための資材購入経費等への助成

⑧水産業原油価格高騰対策費―― 9,200万円

・産地魚市場が行う水揚げ漁船確保対策及び省エネルギー化のための設備購入経費への助    成

<11月29日 原油価格高騰に対する施策を求める要望書提出>

 

 

塩竈市・北浜防潮堤 地盤改良を含む恒久対策工事に15億円の見込み 

塩竈市の北浜緑地公園事業は、防潮堤の目地開きや傾斜、管理用通路の沈下と亀裂などの変状が発生し、その後の地震で更に拡大しています。2021年10月に行われた仙台塩釜港湾事務所の住民説明会では、国立研究開発法人・港湾空港技術研究所の視察により、「当該地区の極めて軟弱で不安定な地盤が要因」とする結果が報告され、「応急対策工」後、地盤改良を行い、現在の防潮堤を撤去して新たに設置する「恒久対策工」を行うことが説明されました。

11月議会での天下の質問に対する土木部長の答弁は以下のとおりです。

①(天下)恒久対策工事の終了時期と予算規模は?財源と国への予算の要請状況は?

⇒(土木部長)恒久対策工事の予算規模は約15億円を見込み、国の防災・安全交付金を活用した今年度の補正予算、もしくは来年度の予算措置について国と協議中。極めて軟弱な地盤上での対策工事となることから、周辺施設等に影響を及ぼさないよう最大限に配慮しながら、早期完成に向けて取り組む。

②(天下)当該地区の軟弱で不安定な地盤について、着工の前後に把握ができなかった理由や、作り直しに至った反省点は?

⇒(土木部長)国の研究所の調査・分析の結果、現行の設計手法では想定しえない粘性土層における海側への側方流動が生じ、防潮堤に変状をもたらしていることが確認された。同研究所からは、このような地盤では当初設計の段階から今回の事象を想定し、設計に反映するのは難しいとの見解だった。

③(天下)地盤改良の範囲は住民説明会で示された155メートルで大丈夫か?住民説明会の適宜開催を求める。

⇒(土木部長)現在、実施している応急対策工事完了後の防潮堤の変状等を見極めた上で範囲を確定する。応急対策工事後に住民説明会を開催し、改めて地盤改良の範囲等を含めて丁寧に説明する。恒久対策工事の施行中も、適宜工事の進捗状況等をお知らせする場を設け、近隣住民の不安解消に努める。

 

4病院再編案は撤回し、地域医療の充実を!

村井知事は知事選挙にあたり、「県立がんセンターを仙台赤十字病院と統合させて名取市に、県立精神医療センターを東北労災病院と合築させ富谷市に開院させることを目指して検討をスタートさせる」と公約に明記しました。

//当事者抜きに議論を進めるな//

知事は、昨年8月に突然発表した「3病院連携・統合」から今年9月の「4病院再編構想」の発表を経て今日まで、当該病院の職員や患者・地域住民には一切説明せず、意見も聞かず、関係者が要望書や署名を提出しても全く無視して、秘密裏に協議を進めてきました。

東北労災病院労組が職員に実施したアンケートで67%が移転反対、57%が勤務継続困難と答えており、当事者にしっかり説明し、意見を聞くことが議論の出発点です。

//絶対的に不足している宮城県の救急医療体制//

県は「救急搬送受入機能が仙台市に偏在している」としていますが、仙台医療圏における現場滞在時間30分以上の困難事案の「件数」は仙台市の方が多く、決して充実しているとはいえません。そもそも県全体の救急搬送時間平均は41.7分で全国39位です。搬送困難事案も全国5.2%に比べて、宮城県は7.8%と1.5倍も高いのです(表1参照)。

重要な問題は仙台市への偏在でなく、県全体の救急医療体制が絶対的に不足していることです。仙台市とそれ以外の市町村を分断するやり方はやめて、県内全体の救急医療の底上げにこそ、力を尽くすべきです。

周産期医療も同様です。

//4病院再編構想は撤回し、名取市に県立総合病院の新設を提案//

天下みゆきは、仙台市から病院を移転するのでなく、宮城県が、救急医療や周産期医療も担い、がんセンターと精神医療センターを併設する県立総合病院を名取市に新設することを提案しました。

またそのためには、①急性期病床を削減する「地域医療構想」を見直すこと、②「医師確保計画」を県内で医師が一人も増えない計画から抜本的に増やす計画に改め、東北医科薬科大学を作った強みを生かして、地方の病院への医師配置計画を作ること、③看護師確保のために、2023年度に閉校する名取市にある県立宮城県高等看護学校を、看護大学として整備するよう求めました。

担当部長は、「4病院再編の枠組みで検討を進める」、「急性期病床を削減する中で統合して救急医療等を底上げする」と答えました。

//知事の「人口減少社会論」は社会保障を削減して少子化に拍車をかける道//

知事は、4病院再編構想も「水道民営化」も「人口減少社会のため」を錦の御旗にして強行しようとしていますが、宮城県は合計特殊出生率が全国ワースト2位です。天下みゆきは、「人口減少社会の危機をあおって社会保障を削減するだけでは悪循環だ。なぜ宮城県が他県より特別に合計特殊出生率が低いのか、子どもを安心して生み育てられる社会にしていくために、宮城県には何が足りないのか、何をしなければならないのか、しっかり分析せよ」と迫りました。知事は「おっしゃる通りです」と答えました。

<救急医療についてパネルを使って説明>

栗原及び登米保健所の支所化 コロナ禍の中  可決の暴挙

賛成 46 票(自民32人・公明3人・みやぎ県民の声9人・他2人)

反対 11 票(日本共産党5人・みやぎ県民の声2人・社民フォーラム2人・無所属の会2人)

棄権 1 票(自民1人)

//当該自治体の首長や市議会、住民の理解は得られていない//

2022年4月から栗原と登米保健所を廃止し、大崎及び石巻保健所の支所に再編する「行政機関設置条例改正案」が、保健所存続を求める当該自治体の声を無視して賛成多数で可決されました。

登米保健所の存続を求める会が6446筆の署名を提出し、栗原市議会が「保健所の存続を求める意見書」を全会一致で可決し、今議会直前の10月に栗原市長が存続の要望書を宮城県に提出したことも、一顧だにされませんでした。

しかも11月末には栗原・登米両市議会に県が説明に行きましたが、「コロナの第6波が来るかもしれないのに時期尚早だ」、「存続要望への回答がないまま条例提案するとは何事か、地域の首長・議員をどう考えているのか」などの意見が相次ぎ、とても理解が得られたとは言えない状況でした。

担当部長は、委員会審査で「関係者の納得を得られていないと思う」と答えざるを得ませんでした。

 

//職員を減らしておいて「集約して専門性強化」の欺瞞//

県は、保健所の専門性の強化を目的に、「医療機関への指導・助言」など5つの業務を本所に集約するとしていますが、この5つの業務には、現在、栗原保健所で11人、登米保健所で10人の職員が配置されています。県は、「10人が一気に減ることはない」と言いますが、条例が通ってしまえば県の判断でいくらでも減らすことができます。

そもそも今回再編対象となっている4保健所のうち大崎・栗原・登米の3つの保健所では、19年度に向けた数年間で合計15人も職員を削減してきました。20年・21年とコロナ対応で若干増やしていますが、減らした分、回復はしていません。

 

//感染症や自然災害が多発する中、保健所体制の強化こそ必要//

県は災害時や感染症発生時に、本所と支所が大くくりの体制で対応することで機動的になるとしていますが、体制が薄くなる支所の初動対応が遅れる懸念は、委員会審査でも否定できませんでした。

感染症と自然災害が広域的に多発する中、保健所体制の強化こそ最優先すべきであり、保健所を廃止して支所にする条例改正案は認められません。

<12月1日・登米保健所の存続を求める会の署名提出に同席>

知事は慢心することなく県民の方を向いて仕事せよ!

知事選挙後の11月議会で、一般質問を行いました。順次、その内容を報告します。

天下みゆきは一般質問で知事選挙の結果について、現職知事で得票数・得票率ともに減らしたのは村井知事が初めてであり、評価が下がった結果だと認めるべきと指摘し、知事は「批判もあったが信任された結果だ」と強弁しました。

また、投票日翌日に知事が県職員に対して、「この選挙結果は県職員を代表して私が受けたものです。職員の皆様は一生懸命仕事を頑張っていますが、慢心することなく、常に謙虚に、県民の方を向いて仕事をしていただきたい」と挨拶したことについて、知事自身が行うよう求めました。

知事は、天下議員の受け止めは曲解だとしつつ、「慢心することなく、引き続き県民の声に耳を傾け、より一層丁寧な説明を心掛けながら取り組んでいきたい」と答えました。