月別アーカイブ: 2022年5月

「水道民営化(みやぎ型管理運営方式)」移行後の仙塩浄化センターを視察

5月24日、多賀城市大代にある下水処理施設「仙塩浄化センター」を、日本共産党の県議団及び、多賀城・塩釜・七ヶ浜の市町議員等で視察しました。仙塩浄化センターは4月1日から、メタウオーターやヴェオリア・ジェネッツなど10社で構成する運営権者「(株)みずむすびマネジメントみやぎ」の下で、同じ10社で立ち上げた「(株)みずむすびサービスみやぎ」が維持管理しています。

これまでの体制と違うのは、現場の配置人数を減らして、複数施設を広域に修繕業務を行う「広域保全」部署を作ったことです。仙塩浄化センターは移行前の人数は64人でしたが、移行後は39人に縮小されました。この日は、広域保全業務担当者が15人配置され、全体で54人の体制でした。既存事業者からの転籍が4割、親会社からの出向が2割、新規採用が4割で出発しており、業務の質が保てているのか、チェックが必要です。また、7年後には16%の人員削減が計画されており、引き続き、監視が必要です。

//汚泥焼却施設が地震で2年連続被害//

昨年2月の福島県沖地震に続き、今年3月の福島県沖地震でも汚泥焼却施設が被災し、まだ稼働できない状態でした。現在、汚泥は受入先を探して確保できた関東の施設に運んでいるとのことでした。

//仙塩浄化センターに迷惑施設「汚泥ストックヤード」の整備計画//

昨年の夏、仙塩浄化センターに、運営権者が「汚泥ストックヤード」の整備を提案していることがわかり、周辺住民の居住環境が悪化すると大問題になりました。

今回の視察の中で、県の担当副局長は「まだ決まっていない」と言いながら、「令和6年に設計を行う」と言っており、予断を許せません。多賀城市はじめ関係市町や議会、住民への説明なしに進めることがあってはなりません。

この日は、大和浄化センターも大和町議とともに視察しました。

 

宮城県庁に対する原発事故にかかる風評被害対策の賠償はわずか2.6%(R元年度分)

5月20日の総務企画委員会で、宮城県庁に対する福島第一原発事故にかかる東京電力への損害賠償請求状況が報告されました。

今回の報告は、「事故被害対策実施計画」に基づき実施した令和元年度事業分で、請求額3億4114万9361円に対して、賠償額は1億5511万7531円で、賠償割合は45.5%でした。

事故被害対策実施計画に基づく区分ごとの内訳は、「放射線・放射能の監視・測定」及び「汚染物・廃棄物の速やかな処理」は6~7割の賠償が認められましたが、「汚染・風評被害への十分な対応」はわずか2.6、「損害への対応」及び「正しい知識の普及・啓発」、「人件費」はゼロでした。賠償されなかった事業は「みやぎの肉用牛イメージアップ事業」などで、人件費は事故被害対策業務対応職員の人件費でした。いずれも賠償対象外とした理由について、東京電力は「事故との相当因果関係を確認することができない」としています。

//事故後10年間の賠償割合は63.2//

平成23年度以降、令和2年度まで10年間の状況は、累計で42億6174万円余の請求額に対して、賠償額は26億9269万円余で、賠償割合は63.2%です。原子力損害賠償紛争解決センター(ADRセンター)での和解交渉は、平成24年度分までしか成立しておらず、それ以降は審理中です。県は、令和元年度の賠償されなかった経費についても、ADRセンターに和解仲介申し立てを行う予定と説明しています。

//汚染水海洋放出 東電は「風評被害対策をしっかり行う」と言うが・・・//

「東京電力が負担すべき風評被害対策である」ことを東電に認めさせることがいかに困難か、その実態がよくわかりました。また、損害賠償請求には長い年月がかかります。

来年春に汚染水海洋放出を行おうとしている政府や東京電力は、「風評被害対策をしっかり行う」「被害があれば賠償する」と言っていますが、現在、やっていることと大きくかけ離れていると言わざるを得ません。