日別アーカイブ: 2017年6月8日

難病患者・家族の声を行政へ

6月3日、NPO法人宮城県患者・家族団体連絡協議会の定期総会に参加しました。20団体3000人が加盟していますが、18団体が参加しました。会長さんの挨拶や活動報告、交流会での各団体の報告を通して、いくつかの課題や要望が出されました。また、厳しい闘病生活を送りながらも、「患者会がありがたい」「昨日の自分より今日の自分」と、前向きに生きている姿に心打たれ、患者会が患者・家族にとって大きな存在であることを実感しました。

<出された課題や要望>

①難病法施行から3年が経ち、今年12月31日に経過措置が終了すると、来年度の継続申請では医学的審査を行い、重症度等の確認により不認定になる場合もあるとのことでした。指定難病の場合、軽症段階でケアをすれば、予後が重篤にならずに済む場合が多くあり、軽症者の切り捨ては難病法の考え方と相いれないこと。また、研究調査のための患者の追跡ができなくなること。

②仙台市難病サポートセンターを受託し5年余りが経過し、予算規模も仕事量も増え、事務局体制の確立が課題となっていること。

③就労相談を行っているが、障害者手帳がない難病患者は、事業者が障害者雇用にカウントできるか悩む問題がある。

④指定難病の更新手続きが一斉に行われる。申請書や住民票・(非)課税証明書等の手続きが、仙台市は区役所で全て行えるが、他の市町は市役所と保健所などまわらないとならない。体が不自由な方や高齢者も多く、更新時期だけ保健所のサテライトを作るなど、ワンストップで対応できるよう配慮してほしい。

⑤市町村に難病対策地域協議会を設置してほしい。

⑥線維筋痛症が難病に指定されていない。

⑦内部障害者や難病患者など、外見からわからなくても援助や配慮を必要としている方々が周囲の方に知らせる「ヘルプカード」を普及したい。

県議会でも超党派の勉強会を開くなど、患者団体と連携して取り組んでいきたいと思います。

5/22~24:いじめ・不登校等調査特別委員会で「いじめ防止条例」や「いじめ予防教育」について県外調査

522日は北海道の「北広島市西部コミュニティ・スクールの取組」と「北海道いじめの防止等に関する条例」について、23日は「静岡県子どもいじめ防止条例」について調査し、24日は徳島県の藍住西小学校の「いじめ予防教育」の授業を参観して、予防教育を開発・指導している鳴門教育大学の先生のお話しを聞いてきました。

 特に、予防教育の実践は大変、興味深いものでした。藍住西小学校3年生の授業参観のテーマは、「自分の良いところを見つけよう」でした。チームティーチングで、5人程度のグループに分かれ、映像のキャラクターも使って、ゲーム感覚の早いテンポで授業が展開されていました。26人学級でした。

 予防教育の背景にあるのは、日本全体に共通する教育上の課題である子どもの自己肯定感の低さです。自己肯定感の乏しい子どもは、自身の「生きる力」も弱く、他者に対しても閉鎖的または攻撃的になりがちである。よって、子どもたちが「いじめ」等の問題行動を起こしてから事後的に対応するのでなく、事前に子どもたちの自己肯定感を高め、「自分は大切な存在、仲間も同様に大切な存在」と子どもたちに認識してもらうための教育として位置付けています。

そして、「なぜ、いじめがいけないのかを論理的に理解」するだけでは子どもの心に届きにくい。「いじめを受ける悲しみを自分のこととして直感的に体験」し、「自分はいじめをしない」と自覚・決意する世界も不可欠として、「疑似体験」や「成功体験」を通じ、「五感に直接的に」呼びかける学習プログラムを用意しているとのことでした。

藍住町教育委員会では、平成25年度から予防教育を始めたことで、「全国学習状況調査 児童・生徒アンケート結果」で、自己肯定感と規範意識が育ってきていると評価しています。予防教育推進中の都道府県は、徳島県・京都府・愛知県・岐阜県・兵庫県・岡山県・福井県・群馬県だそうです(H27年度時点)。

宮城県でも検討してみる価値があるのでないかと思いました。また、藍住町は小学校1年生から中学校3年生まで35人以下学級でした。

5/20 塩釜市身体障害者福祉協会総会で要望が出されて意見交換

520日、塩釜市身体障害者福祉協会総会に出席し、私は来賓として「宮城県の心身障害者医療費助成制度は、医療機関の窓口で一旦支払って後から戻る償還払い制度だが、窓口支払いのない現物給付に改善するよう議会で取り上げてきた。ご一緒に頑張りましょう」と挨拶しました。すると総会の討論の中で、「医療費が戻るのは4か月後で、その間の医療費を工面するのは大変だ。せめて期間を短くしてほしい」という要望が出されました。そこで、市の職員から4ヶ月かかる理由の説明、私から現物給付にすると国がペナルティとして国保の交付金を減らしており、ペナルティをやめさせる運動が必要であることや、それでも既に現物給付にしている県や自治体もあり、粘り強く要望していくことなどを話しました。

 また、「重度障害者や難病患者を受け入れる病院が少ない。大きな病院は3カ月で出される。長く入院できるところがほしい」などの要望も出され、大変有意義な意見交換の場となりました。しっかりと議会に届けて頑張ります。

5/15~17:党県議団で新潟県の原発行政等について県外調査

5月15日から17日、党県議団で新潟県の農業振興と原発行政、長野県の再生可能エネルギーの導入推進と伊那市の「グリーンファーム」の現地調査、埼玉県のストップ温暖化の取組と再生可能エネルギー導入推進について調査しました。

<検証なくして再稼働なし>

新潟県の原発行政についての調査は、2014年2月以来2度目の調査でした。 今回は、2016年10月の知事選挙で米山隆一知事誕生後の状況についてお聞きしてきました。米山知事は、「3つの検証」を掲げ、全体を総括する「検証総括委員会」のもとに、「技術委員会(福島第一原発事故原因の検証)」、「健康・生活委員会(事故による健康や生活への影響について検証)」、「避難委員会(避難計画の実効性について検証)」を設置して検証を進めるとしています。

新潟県は、「原子力災害に備えた新潟県広域避難の行動指針(Ver.1、H26.3月)」策定後も、引き続きの検討結果により随時、更新するとして検討を継続しています。例えば、昨年8~9月には「運転業務従事者への原子力災害時における業務従事に関するアンケート調査」を行いました。結果は、避難指示や屋内退避指示が出ている区域内に「行く」と答えたバスやトラックの運転手は33.9%で、「行かない」と答えた方が65.6%でした。新潟県は、この結果を踏まえて、業務従事者に対する特別手当(危険手当)の整備、業務従事者に対する補償制度の具体化、現場で作業するための十分な防護資機材の配備等が必要だと提言しています。

本来、国がやるべきことをやらない中で、新潟県が「検証なくして再稼働なし」と、ひとつひとつの課題について実践的に検証し、国に要望・提案をしていることは非常に重要なことだと思いました。

 

5月16日 長野県伊那市の「グリーン・ファーム」にて