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日本共産党宮城県議団  復興支援継続・物価高騰対策を政府に要請

日本共産党県議団は、4月28日、東日本大震災の復興および物価高騰に関する要望をまとめ、岩渕友・紙智子参議院議員同席のもと、復興庁はじめ9つの省庁に対し政府交渉を行いました。鈴木悦代塩釜市議も参加しました。復興に係る要望と回答の一部をご紹介します。

1.第2期復興・創生期間(2021~25年度)以降も以下の事業への国の予算継続を求める。

(1)災害公営住宅の見守り・相談支援事業

災害公営住宅は高齢化が進み、住民の孤立が一層深まる中で、孤独死が年間50人台と高止まりしている。これまで国の被災者支援総合交付金を活用して、災害公営住宅の「見守り」を行ってきたが、交付金が終了となると見守り支援の縮小が危惧される。国の交付金の継続を求める。

回答(復興庁)⇒政府における各種施策の活用について助言するなど、必要な支援が行われるよう関係省庁と連携してていねいに取り組む。

(2)みやぎ子どもの心のケアハウス事業

「みやぎ子どもの心のケアハウス」は、現在、34の市町村が設置・運営し、県が財政支援を行っている。利用者数は年々増加し、23年度の支援児童生徒数は延べ1万3,026人、保護者相談人数は延べ7,830人に上っており、市町村から県に財政支援継続の強い要望がだされている。財源は国の被災者支援総合交付金とみやぎこども育英基金等で構成されているが、26年度以降の財源確保が課題となっており、交付金の継続を求める。

回答(復興庁)⇒復興庁としてケアハウス視察した。主に不登校児への居場所提供や学習支援をしている。引き続きやっていただきたいので、26年度以降も関係省庁(子ども家庭庁)と連携して進めたい。

回答(子ども家庭庁)⇒復興庁と連携しながら宮城県とよく相談して、ていねいな対応を検討したい。

2.災害援護資金に係る償還期限の延長と免除措置の拡大等

本県の東日本大震災に係る災害援護資金は、2024年3月31日現在、貸付件数は2万4007件、貸付済額は409億3,338万円にのぼるが、滞納件数も滞納額も多く、被災者は震災から14年が経過した現在においても依然として生活困窮から抜け出せない現状である。

①自治体が支払猶予を適用して借受人の償還期間延長を認めた場合は、国の自治体に対する償還期間を延長すること

②高齢の生活保護受給者など返済困難な人にも償還免除を拡充すること

③自治体が免除適当と判断した場合は国においても自治体の債権を免除すること

④一人ひとりの借受人に対するきめ細やかな対応が長期にわたって求められている市町村の債権回収経費の助成を行うこと

回答(復興庁)

①⇒4月22日に政令改正して、市町村が猶予した場合、国や県への支払いを猶予する措置を講じた。

②⇒経済的に苦しい場合は、まずは支払い猶予の活用を。更に支払い期日から10年経過後も尚、無資力である場合は償還免除できる。

③⇒法令基準に基づいて免除した場合は、国も免除できる。

県議:法令基準は死亡、重度障害、自己破産等に限られており、免除枠を広げるよう要望。

④⇒災害復旧等に従事する人員を新規採用する場合、その人件費を震災復興特別交付税で支援する制度等を紹介して対応したい。

3.中小企業等グループ補助金事業の財産処分制限の柔軟な運用を求める。

グループ補助金を活用して施設・設備等を復旧した事業者が、海洋環境の変化に合わせた設備・機械の入替えや、経営状況が厳しいなどの理由により、財産処分が必要な場合、国庫補助金納付を免除するなど、柔軟な対応を求める。

回答(中小企業庁)⇒事業の譲渡や承継をする場合や資金繰り悪化で廃棄する場合は、財産処分申請が必要だが、一部、国庫の返済を免除するといった柔軟な運用をしている。財産処分については、24年3月に中小企業庁長官名で、関係自治体向けに通知文書を出している。県主催の説明会も実施している。個別に対応するので県の担当に相談を。

県議:「施設」について、用途変更や返還したい時にどうするのか?

回答⇒個別判断になる。国庫返納になる場合も償却資産の耐用年数に応じて減少するなど、個々の状況を見て対応する。

4.女川を使用済み核燃料の最終保管場所にしないために、乾式貯蔵施設の設置はやめて2号機の稼働を止めること

東北電力は、再稼働した女川原発2号機の使用済み核燃料を「一時的」に保管する乾式貯蔵施設を設置しようとしているが、地域住民からは「女川が使用済み核燃料の最終保管場所になるのではないか」と不安の声が出されている。六ヶ所再処理工場は昨年、27回目の工事延期を行い、いつ稼働するのかわからない。これ以上、核のゴミを増やさないためには、乾式貯蔵施設の設置はやめて原発の稼働を止めるべきだ。

回答(自然エネルギー庁)⇒乾式貯蔵施設は再処理工場に排出するまでの間、一時的に管理するもので、最終保管場所になることはない。六ヶ所再処理工場の竣工目標に向けて、審査対応の進捗管理や必要な人材確保などについて、官民一体で責任をもって取り組む。

県議の「一時的とはどのくらいか?」の質問に回答不能となった。

 

●物価高騰対策は、①十分な補正予算を組むこと、②消費税5%減税、③物価高騰を上回る中小企業への賃上げ支援と年金の引き上げ、④コメ価格引き下げと畜産の飼料価格高騰への支援、⑤診療報酬・介護報酬引き上げの臨時改定を要望しました。

 

国保税値上げSTOP! (2/19代表質問より)

 今、全国の市町村で国保税の値上げが広がっています。塩釜市も日本共産党市議団以外の賛成で、2025年度の値上げが決まりました。背景には、国の方針に基づく「保険料水準の統一」があります。宮城県は、26年度から「納付金ベースの統一」を実施し、30年度から同じ所得水準、同じ世帯構成であれば同じ保険料とする「完全統一」を目標としつつ、遅くとも33年度までの実現をめざすことを決めました。

県が示す「標準保険料率」では国保税が上がるため、これまで市町村は財政調整基金を投入して値上げを抑えてきましたが、基金は枯渇してきています。今後、「完全統一」に向けて、更に国保税の値上げが危惧されます。

公費1兆円を投入して国保税を協会けんぽ並みに引き下げよ

そもそも国民健康保険は、年金者や非正規労働者など低所得者が多いのに、保険料が労使折半となる社会保険に比べて倍近く負担が重い保険です。

天下みゆきは、「国保税はむしろ引き下げが必要だ。かつて全国知事会が提言したように、公費1兆円を投入して協会けんぽ並みにすることを国に求めよ」と迫りました。村井知事は、「国に対して、全国知事会を通じて、国定率負担の引き上げ等、財政基盤強化のための新しい財政支援について、今後も引き続き要望する」と答えました。

住民の願いと地方自治を踏みにじる「保険者努力支援制度」

天下みゆきは、国が定めた「保険者努力支援制度」のあまりにもひどい問題点についてただしました。

<県と市町村をがんじがらめにして国保税値上げを強いる>

市町村はかつて、国保会計が赤字になるときは一般会計から繰り入れて補填してきました。ところが国は、2018年度の都道府県単位化に伴う保険者努力支援制度により、一般会計から法定外繰入をしていない市町村には国の交付金を増やす一方で、繰入をした市町村には交付金を減らし、更に繰入をした市町村があると、都道府県への交付金も減らすしくみを作りました。よって県は厳重な市町村監視役となり、市町村は一般会計からの繰入ができず、国保税引き上げを迫られることになりました。

県と市町村をがんじがらめにして住民に国保税値上げを強いるこのしくみについてただした天下みゆきの質問に対して、保健福祉部長は「保険者努力支援制度については、各市町村の実情に応じた柔軟な運用が図られるよう、国に要望する」と答えました。

<許しがたい!子ども医療費助成にかかる保険者努力支援制度>

国は、18歳未満への子ども医療費助成を独自に行う市町村に交付金を減らすペナルティを講じてきました。これに対して住民運動や全国知事会などがペナルティ廃止を国に要望してきました。その結果、政府が2023年12月に閣議決定した「こども未来戦略」に基づき、24年4月1日から、18歳未満までペナルティが廃止されました。

ところが喜んだのも束の間、厚労省は直後の6月26日付けの「令和7年度保険者努力支援制度」の通知で、子ども医療費の外来医療費を無償化せず自己負担を設けている市町村や、24年度に一部でも窓口負担を復活させた市町村に交付金を増やす措置を示したのです。これは、長年の住民の願いにも市町村の努力にも逆行するもので、全く許しがたい行為です。

天下みゆきは、「交付金を使って子ども医療費助成の窓口負担無償化に圧力をかけることは地方自治の侵害だ。知事は国に抗議し、このしくみを直ちにやめるよう強く要請せよ」と求めました。保健福祉部長は、「この指標は、各市町村が実施している子ども医療費助成の取組と矛盾するものであることから、県では昨年12月に国に対し見直しを要望した。今後も全国知事会などを通じて国に要望する」と答えました。

 

議会最終日、意見書をめぐって 「選択的夫婦別姓の導入」vs「旧姓の通称使用の法制化」で大攻防

共産党県議団は、自民党提案の「旧姓の通称使用の法制化」については、今以上の煩雑な手続きを事業者や各個人に強いる恐れがあり、姓名は人格権の大事な一部だとして反対し、「選択的夫婦別姓」を導入すべきと討論を行いました。

結果、「選択的夫婦別姓の導入」には、県民の声・共産・公明・立憲無所属クラブが賛成し、維新が棄権、自民・21世紀クラブ等の反対で否決され、「旧姓の通称使用の法制化を求める意見書」が可決されました。

 

<共産党県議団が提案した意見書>

「食料の安定供給及び食料自給向上に向けた対応強化を求める意見書案」は、自民党が一部修正し、全会一致で可決されました。

「高額療養費の自己負担限度額の見直し中止を求める意見書案」及び「診療報酬・介護報酬引き上げの臨時改定を求める意見書案」は、自民・公明・維新・21世紀クラブの反対で、政調会長会議で「不調」となりました。

“子どもの心のケアハウス” 市町村への支援継続を求める(文教警察委員会にて)

「みやぎ子どもの心のケアハウス」は、学校への登校に不安や困難を抱えている児童生徒の社会的自立に向けて、教育相談や別室登校・家庭訪問による支援、学習支援等を行うものです。現在、34の市町村が設置・運営し、県が財政支援を行っています。利用者は年々増加し、2023年度の支援児童生徒数は延べ13026人、保護者相談人数は延べ7830人に上っています。

ところが、宮城県は2026年度に向けて市町村への財政支援のあり方を検討するとしており、市町村から強い継続の要望が出されています。財源は国の被災者支援総合交付金とみやぎこども育英基金等で構成されています。

天下みゆきは文教警察委員会で、事業が継続できるよう、財源確保に向けて国及び県の財政当局と本気で折衝するよう求めました。教育長は、「子ども家庭庁とも折衝中である。県の財政当局とはいつまで支援できるか、来年度中に調整したい」と回答

女川を使用済核燃料の最終保管場所にするな

再稼働した女川原発2号機の使用済み核燃料を「一時的」に保管する乾式貯蔵施設の設置について、天下みゆきの論戦で以下のことが明らかになりました。

ひとつは、保管が「一時的」である保証について、知事は「国の第7次エネルギー基本計画に、乾式貯蔵施設の使用済み燃料は、六カ所再処理工場へ搬出するという方針が明記されたので一時的だ」としていることです。しかし、六カ所再処理工場は昨年8月に27回目の工事延期を行い、いつ稼働するのかわかりません。

「最終保管場所にさせない」と言えない村井知事

2つ目は、天下みゆきが「女川原発を使用済み核燃料の最終保管場所にさせないという意思は知事にあるのか」と問うたのに対し、知事は「国が一時的と言っているので、最終保管場所にはならないと思っている」と、他人事のような答弁をしました。「最終保管場所にさせない」という知事の決意はありませんでした。

3つ目は、乾式貯蔵施設設置に対する同意の可否について知事が判断する前に、県民と県議会の意見を聞くことを求めましたが、知事は「意見を聞く」とは答えませんでした。意見を聞かずに「同意」すれば、民主主義の大問題です。

女川を使用済み核燃料の最終保管場所にしないためには、乾式貯蔵施設の設置はやめて、女川原発2号機の稼働を止めることです。

物価高騰に苦しむ中小業者に賃上げの直接支援を

宮城県の企業の99.8%が中小企業で、従業員数の86.1%が中小企業で働き、地域経済を支えています。天下みゆきは、「中小企業は自己努力だけでは賃上げは難しいのが実態だ」として、岩手県の物価高騰対策賃上げ支援金事業を紹介し、「宮城県も賃上げ支援を行うとともに、国にも要望せよ」と求めました。

経済商工観光部長は、「物価高騰対策賃上げ支援金については、賃上げを促す施策の1つと認識しているが、他の様々な事例も含めて研究を進め、必要に応じて国への要望も検討する」と答えました。

<岩手県物価高騰対策賃上げ支援金>

■2023年12月補正:時給50円以上の賃上げを1年間継続して実施することを条件に、従業員1人あたり5万円、最大100万円・20人分支給。事業費は21億円(一般財源が14億6400万円余、地方創生臨時交付金が6億3500万円余。

24年度の支給件数・2889件、支給人数・20313人、支給額・10億1535万円

■2024年12月補正:時給60円以上の賃上げを条件に、従業員1人あたり6万円、最大300万円・50人分に拡充。

 

県民に寄り添う県政への転換求めて代表質問(2/19)

人口減少対策に逆行する村井県政の「富県戦略」

宮城県は2025年度当初予算の重点項目の1番目に「人口減少対策」を打ち出しました。

【天下みゆき】 2月12日にNHKで放送された、江戸時代・米沢藩の上杉鷹山(ようざん)は赤子(あかご)養育政策(いわゆる子ども手当)と高齢者等への地域福祉の充実、結婚した若者に土地を与えて3年間の年貢を免除する政策で、領民のふところを暖め、新たな産業の創出―養蚕と「米沢織」で地域経済の振興を図り、人口をV字回復させた。鷹山の信念は「領民みなが富めば、おのずと人も増えよう」でした。上杉鷹山の人口減少対策についての知事の所見は?

■【村井知事】 すばらしいと思います。

【天下みゆき】 一方、村井知事の人口減少対策は、人口減少を口実に県立病院や県営住宅等の縮小・廃止などを進めて県民に不安を与え、学校給食無償化など多くの子どもに関わる子育て支援は「国がやること」とそっぽを向き、従業員の86%を占める中小企業や農林水産業への支援が乏しい。これでは県民は豊かになれません。上杉鷹山の「領民みなが富めば、おのずと人も増えよう」の教えに逆行するのが村井知事の富県戦略でないか。

――村井知事は「大きな考え方としては同じ方向を向いている」と開き直りました。

 

子育て支援策に本気になって取り組め!

宮城県は、「新・宮城の将来ビジョン」で4本柱の1つに「社会全体で支える宮城の子ども・子育て」を掲げてきましたが、合計特殊出生率は1.07と5年続けて過去最低を記録して全国ワースト3位、県民意識調査では「子ども・子育て環境の整備」が3年連続「不満群」の第一位でした。

天下みゆきは、就学前までの2分の1補助にとどまっている子ども医療費助成の拡充や、学校給食無償化への支援を求めましたが、保健福祉部長教育長は、「国に要望する」「国の動向を注視する」と、県民や市町村の願いに背を向けました。

また天下みゆきは、東北最低となっている私立高校経常費助成単価の引き上げや、教員定数を割る「未配置」を年間通して解消するため、抜本的な教員の増員と教育予算の拡充を求めました。

 

会計年度任用職員 再任用上限一部撤廃へ

天下みゆきは、安定雇用が人口減少対策に欠かせないとし、県の会計年度任用職員について再度の任用は2回までとされていた更新回数の上限撤廃を求めたところ、知事は「来年度、一部の職について撤廃する方向で現在詰めの調整中」と回答しました。一歩前進です。

「不公平ポイント事業」に9月・12月補正で6億7千万円

9月補正の3億1400万円に12月補正で3億6500万円を追加して、総額6億7千9百万円という巨額な予算を計上しているのが知事肝いりの「地域ポイント等導入支援費」です。この事業は、マイナンバーカードを活用したデジタル身分証に自然防災アプリを登録した人に、抽選で20万人に3000ポイント(3000円)が付与されます。

天下みゆきは、「任意であるはずのマイナンバーカードを持っていない人は対象とならず、スマホ等の扱いに不得意な人を排除しかねない不公平な事業だ」と指摘しました。

また、今回応募した利用店舗数約1300店の3分の2がチェーン店であり、各商工会議所や商工会、旅館組合経由で応募した店舗は3分の1のみでした。天下みゆきは、「チェーン店が多ければ本社に利益が行ってしまい、『地域経済活性化』の目的は限定的だ」と指摘しましたが、県は否定できませんでした。

ポイントばらまき予算は減額された教育・医療・福祉等にまわせ

「地域ポイント等導入支援費」の12月補正の財源は「重点交付金」です。重点交付金は物価高騰対策の予算です。天下みゆきは、「地域ポイントに6億円もばらまくことは納得できない。減額された教育、医療・福祉の予算に回すべきだ」と迫りました。知事は「防災アプリの普及のため」と強弁しました。

12月補正 物価高騰対策に31事業・67億円余  (予算総括質疑より)

県の物価高騰対策予算 昨年度より軒並み減少

追加の12月補正で、国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金(重点交付金)を活用した31事業が予算化され、採択されました。ところが、約半分の事業が昨年度より支援単価が半額から3分の1に減り予算が減少しました。

私立学校給食食材価格高等対策費は、1食当たり完全給食で40円から21円に、高等学校等修学支援費は、私立が7900円から2900円に、県立が6600円から2400円に、いずれも36%となりました。LPガス料金負担軽減支援費は1契約当たり年間ベースで4800円から1600円と3分の1です。医療機関・社会福祉施設・交通事業者等への事業者支援も軒並み大幅に減額されました。

国の重点交付金 昨年度のわずか半額に

原因は、国の重点交付金の予算総額が半分に減ったからです。2回措置された昨年度は合わせて1兆2千億円の予算でしたが、今年度は1回分で6000億円にとどまっています。宮城県への配分額も昨年度の118億円(2回分)から58億8千万円と半減しました。

天下みゆきは、消費者物価が上昇し続けていることを指摘し、「知事会長として国に物価高騰対策の更なる増額補正を今年度中に求めよ」と村井知事に迫りました。知事は、「必要に応じて他の都道府県の意見を聞いた上で対応を検討する」と答えました。