V݂䂫c

「不公平ポイント事業」に9月・12月補正で6億7千万円

9月補正の3億1400万円に12月補正で3億6500万円を追加して、総額6億7千9百万円という巨額な予算を計上しているのが知事肝いりの「地域ポイント等導入支援費」です。この事業は、マイナンバーカードを活用したデジタル身分証に自然防災アプリを登録した人に、抽選で20万人に3000ポイント(3000円)が付与されます。

天下みゆきは、「任意であるはずのマイナンバーカードを持っていない人は対象とならず、スマホ等の扱いに不得意な人を排除しかねない不公平な事業だ」と指摘しました。

また、今回応募した利用店舗数約1300店の3分の2がチェーン店であり、各商工会議所や商工会、旅館組合経由で応募した店舗は3分の1のみでした。天下みゆきは、「チェーン店が多ければ本社に利益が行ってしまい、『地域経済活性化』の目的は限定的だ」と指摘しましたが、県は否定できませんでした。

ポイントばらまき予算は減額された教育・医療・福祉等にまわせ

「地域ポイント等導入支援費」の12月補正の財源は「重点交付金」です。重点交付金は物価高騰対策の予算です。天下みゆきは、「地域ポイントに6億円もばらまくことは納得できない。減額された教育、医療・福祉の予算に回すべきだ」と迫りました。知事は「防災アプリの普及のため」と強弁しました。

12月補正 物価高騰対策に31事業・67億円余  (予算総括質疑より)

県の物価高騰対策予算 昨年度より軒並み減少

追加の12月補正で、国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金(重点交付金)を活用した31事業が予算化され、採択されました。ところが、約半分の事業が昨年度より支援単価が半額から3分の1に減り予算が減少しました。

私立学校給食食材価格高等対策費は、1食当たり完全給食で40円から21円に、高等学校等修学支援費は、私立が7900円から2900円に、県立が6600円から2400円に、いずれも36%となりました。LPガス料金負担軽減支援費は1契約当たり年間ベースで4800円から1600円と3分の1です。医療機関・社会福祉施設・交通事業者等への事業者支援も軒並み大幅に減額されました。

国の重点交付金 昨年度のわずか半額に

原因は、国の重点交付金の予算総額が半分に減ったからです。2回措置された昨年度は合わせて1兆2千億円の予算でしたが、今年度は1回分で6000億円にとどまっています。宮城県への配分額も昨年度の118億円(2回分)から58億8千万円と半減しました。

天下みゆきは、消費者物価が上昇し続けていることを指摘し、「知事会長として国に物価高騰対策の更なる増額補正を今年度中に求めよ」と村井知事に迫りました。知事は、「必要に応じて他の都道府県の意見を聞いた上で対応を検討する」と答えました。

「中小企業等再起支援事業」 小規模事業者にも使いやすくなりました

12月補正で確認されたこの事業は、コロナ禍や物価高騰等の影響で経営に支障をきたしている中小企業の経営改善を支援する事業で、2020年度以降、既に5000件を超える交付件数となっています。

今回の事業は、補助金申請額の下限を従来の30万円から10万円に引き下げ、補助対象経費が「45万円以上」から「15万円以上」となり、小規模事業者にも使いやすくなりました。また、補助対象事業も①販路開拓、②生産性向上、③新商品開発、④原価抑制に加え、新たに⑤キャッシュレス化、新紙幣対応も追加されました。

  • 補助率 2/3、補助上限額 100万円(下限10万円)
  • 募集期間(予定)

一次募集 2025年1月~2月

二次募集 2025年4月~5月

☆天下の質問で、これまで郵送だけだった申請方法が、郵送とオンラインのどちらかを事業者が選べるようになる予定です。

(※詳しくは、1月半ばに掲載予定の県のホームページ参照)

条例可決後も 宿泊事業者の納得は得られていない

天下みゆきは11月25日、宿泊税条例可決後初めて行われた「宿泊税説明会・意見交換会(松島会場)」に参加しました。

宿泊事業者からは「なぜ反対したのに、改修費用を相当程度負担しなければならないのか」、「経理などの事務費が増え、手出しが発生する」、「お客様に負担を与えてしまう宿泊税導入は心配でしかない」などの不満や不安の声が相次ぎました。

また、7つの圏域ごとに設置される宿泊事業者部会について、事業者から「仙台圏域は亘理・山元から仙台市、塩釜・松島等、黒川群と幅広い。事業者数も多く、地域要望も違う。地域を分けてほしい」という意見がありました。

党県議団は、議会でこれらの声を代弁し、「事業者の納得は得られていない」と知事の政治姿勢を質し、14市町村を対象とした仙台圏域については、更に地域を分けた部会とするよう求めました。

県立がんセンターの機能 新病院に引き継がれるのか?

県立がんセンターと仙台赤十字病院の統合については、新病院の基本構想が示されましたが、新病院には「がん研究所機能」も「緩和ケア病棟」も「がん専用病棟」もありません。希少がん・難治がんの治療をはじめ、がんセンターが担ってきた医療が後退する懸念はぬぐえません。

また、党県議団は、仙台赤十字病院の移転により医療空白を危惧する仙台市八木山地域での住民説明会を早期に開催するよう求めました。

県立精神医療センター 「名取建て替え」を決定  (11月議会報告)

当事者・関係者の運動の成果!

 11月議会開会日の冒頭、村井知事は県立精神医療センターの富谷移転を断念し、名取での建て替えを表明しました。知事選公約に精神医療センターと東北労災病院の富谷での移転合築を表明してから3年2ヶ月、センターの患者さんや家族、支えてきた県内の精神医療・保健・福祉の関係者の皆さん、市民団体の皆さんが力を合わせて勝ち取った成果です。

決定的となったのは、11月13日の県精神保健福祉審議会における17人の委員全会一致での「名取での建て替え」決議でした。

党県議団が一般質問で、「知事には県政を混乱・停滞させ、当事者を苦しめてきた反省はないのか」と質すと、知事は「当事者の方々にご心配をおかけしたことは申し訳なく思っております」と陳謝しました。

今後の焦点は、老朽化している精神医療センターの建て替え場所の選定です。ここでも当事者や関係者と協議しながら決定していくプロセスが重要です。

東北労災病院の移転も断念を

党県議団は、「富谷での移転合築が崩れたのだから、東北労災病院の富谷移転も白紙に戻すべき」と迫りましたが、知事は「白紙に戻すことは考えていない」と固執しました。

<12/11 議会終了後の市民団体と超党派県議との意見交換会ー「名取建替決定」に笑顔で拍手>

“女川原発再稼働ストップ!女性議員有志の会”で東北電力と交渉

 11月15日、県内の女性議員有志の会(72人登録)で東北電力を訪問し、10月29日に再稼働した直後の11月3日に発生した機器のトラブルによる原子炉停止の原因究明や、避難計画、使用済み核燃料の問題等について意見交換し、女川原発2号機の稼働を止めるよう要請しました。

行き場のない使用済み核燃料

「一時的に」貯蔵する使用済み核燃料の搬出時期や搬出先について、東北電力は「まだ決めていない」と全く無責任な回答をしました。

(東北電力と交渉後、参加者で意見交換会)

(9/6 脱原発県議の会で青森県の六カ所再処理工場視察)

 

 

 

 

宮城県も学校給食無償化に踏み出せ!

現在、宮城県では12市町村が完全無償化、4市町村が一部無償化を行っており、無償化を求める運動は県内各地に広がっています。

共産党県議団で青森県の無償化を調査

9月に党県議団は、今年10月から無償化開始を控えた青森県の取組みを調査してきました。青森県が給食費無償化に踏み出したのは、昨年6月の知事選で当選した宮下知事が、「少子化対策」の公約に「子育てしやすい環境づくり」を掲げ、給食費の無償化から着手したことによります。

青森県の無償化の予算は年間ベースで39億円、一般会計予算の0.56%です。宮城県の無償化に必要な財源は私学も含めた県所管分で53億円、一般会計の0.53%です。天下みゆきは、宮城県も学校給食無償化に踏み出すよう求めました。

教育長―「国に働きかける」と答弁

教育長は、「国では昨年9月に、学校給食無償化に係る実態等を把握するための全国調査を行い、今年6月に調査結果を公表し、現在、課題整理に取り組んでいる。我が県だけでなく、全国の公平性が確保されるよう、法改正等も含めた学校給食の無償化について国に働きかける」と答弁しました。

(9/5 学校給食無償化について青森県調査)

深刻な「教員の未配置」解消を!

<10/18来年度予算調製に向けた質疑>

産休や育休、病休等の代替講師が配置できない「教員の未配置」が深刻です。県内の小学校・中学校・高校・特別支援学校の今年5月1日現在の未配置数は17人、10月1日現在では57人に上っています。年度始めから常勤講師1074人と非常勤講師1023人が配置されており、年度途中の更なる配置が難しくなっているのです。

各学校に「もう一人先生の配置を」

年間600人を超える産休・育休・病休等が発生していることから、天下みゆきは、「県の独自予算を投入して、各学校に配当定数プラス1名の教員配置」を提案しました。教育長は、「年度途中で未配置が生じないような教職員定数の制度設計ができないか、国に要望する」と答えました。知事は「国の責任で定めるべきもの」と答えましたが、天下は「県の独自予算をつけている都道府県もある」と更に検討を求めました。

また天下みゆきは教員を増やす対策として、教員の採用枠の拡大とともに、「教師を志す高校生支援事業」や、免許を持っていても働いていない人を対象とした、見学や実習も含めた「復職支援制度」の創設、そして働きやすい学校づくりなど、総合的な対策強化を求めました。

令和5年度決算からみる村井県政の問題点

【天下みゆきの決算認定・反対討論より】

共産党県議団は、令和5年度一般会計決算、公営企業会計決算等を認定できないとして、天下みゆきが代表して反対討論を行いました。以下、認定できない理由です。

①「社会全体で支える宮城の子ども・子育て」を重点施策に掲げながら、本気になって取り組む姿勢が見えないこと。

・小中学校の学校給食無償化や子ども医療費助成の18歳までの拡充に向けた市町村支援を「国がやること」と全く一顧だにしない。

・教員の配当定数を割る「未配置」の解消に手が打ててない。

・私立高校経常費助成単価は東北最低で、全国平均以下。

②宮城の基幹産業である農林水産業を軽視していること。

・県の農林水産関係の令和5年度決算は、一般会計歳出合計のわずか4.9%。

・県の令和5年度の新規就農者数は前年を59人下回って131人で東北最低。

③「民間の力」と言って、大企業優遇の政治を進めていること。

・「みやぎ型管理運営方式(水道民営化)」を導入して2年目。「水道用水供給事業」は県本体会計の利益が減る一方で、ヴェオリア等運営権者の利益率は27%も。法人全体で10億円の利益を出し、3億4千万円の税金を支払った。

・宮城野原広域防災拠点事業は、供用開始が当初計画から12年も遅れて2032年になり、全体事業費が当初の295億円から422億円に膨らんだ。その83.6%がJR貨物の移転補償費として県が肩代わりするもの。

・上記事業は公共事業なのに、企業利益を優先して県民への情報公開をないがしろ。

・発展税が原資の「企業立地奨励金」は令和5年度までに230社に311億円交付しているが、そのうちトヨタ及びトヨタ関連企業21社に159億円交付。9.1%のトヨタグループに51.1%の交付額となっている。

④能登半島地震で屋内退避や避難が困難となった教訓を踏まえた避難計画見直しを行わずに、女川原発の再稼働を進めていること。

・「一時的」に貯蔵する施設として乾式貯蔵施設の設置を進めているが、核のゴミの行き場はなく、女川を「核のゴミ捨て場」にする恐れがある。

⑤宿泊税・4病院再編・県営住宅廃止など、当事者の意見をないがしろにして強行しようとする村井県政の行政運営の進め方。

・宿泊事業者の切実な声を無視して「宿泊税」導入を強行。

・「今後、公営住宅は市町村にまかせて県営住宅を建てない」という計画に基づき、令和5年度は、6団地の県営住宅の廃止を決定し移転支援を開始したが、移転反対の声が多い。

・患者さんや地域住民の意向を無視して、住民説明会から5日後、議会から3日後に、突如、「仙台赤十字病院と県立がんセンターの統合に向けた基本合意」締結。

・精神医療センターの富谷移転は、名取での精神科医療のあり方をめぐって二転三転し、「分院案」も行き詰まっている。精神保健福祉審議会での「私を止められるのは県議会だけ」の知事の暴言に批判殺到。