人口減少対策に逆行する村井県政の「富県戦略」
宮城県は2025年度当初予算の重点項目の1番目に「人口減少対策」を打ち出しました。
【天下みゆき】 2月12日にNHKで放送された、江戸時代・米沢藩の上杉鷹山(ようざん)は赤子(あかご)養育政策(いわゆる子ども手当)と高齢者等への地域福祉の充実、結婚した若者に土地を与えて3年間の年貢を免除する政策で、領民のふところを暖め、新たな産業の創出―養蚕と「米沢織」で地域経済の振興を図り、人口をV字回復させた。鷹山の信念は「領民みなが富めば、おのずと人も増えよう」でした。上杉鷹山の人口減少対策についての知事の所見は?
■【村井知事】 すばらしいと思います。
【天下みゆき】 一方、村井知事の人口減少対策は、人口減少を口実に県立病院や県営住宅等の縮小・廃止などを進めて県民に不安を与え、学校給食無償化など多くの子どもに関わる子育て支援は「国がやること」とそっぽを向き、従業員の86%を占める中小企業や農林水産業への支援が乏しい。これでは県民は豊かになれません。上杉鷹山の「領民みなが富めば、おのずと人も増えよう」の教えに逆行するのが村井知事の富県戦略でないか。
――村井知事は「大きな考え方としては同じ方向を向いている」と開き直りました。
子育て支援策に本気になって取り組め!
宮城県は、「新・宮城の将来ビジョン」で4本柱の1つに「社会全体で支える宮城の子ども・子育て」を掲げてきましたが、合計特殊出生率は1.07と5年続けて過去最低を記録して全国ワースト3位、県民意識調査では「子ども・子育て環境の整備」が3年連続「不満群」の第一位でした。
天下みゆきは、就学前までの2分の1補助にとどまっている子ども医療費助成の拡充や、学校給食無償化への支援を求めましたが、保健福祉部長や教育長は、「国に要望する」「国の動向を注視する」と、県民や市町村の願いに背を向けました。
また天下みゆきは、東北最低となっている私立高校経常費助成単価の引き上げや、教員定数を割る「未配置」を年間通して解消するため、抜本的な教員の増員と教育予算の拡充を求めました。
会計年度任用職員 再任用上限一部撤廃へ
天下みゆきは、安定雇用が人口減少対策に欠かせないとし、県の会計年度任用職員について再度の任用は2回までとされていた更新回数の上限撤廃を求めたところ、知事は「来年度、一部の職について撤廃する方向で現在詰めの調整中」と回答しました。一歩前進です。
