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宮城県議会・野党4会派 5年連続共同で予算要望書提出

1月20日、宮城県議会の野党4会派(日本共産党県議団、みやぎ県民の声、社民フォーラム、無所属の会)・20人は、村井知事への来年度予算要望書を共同提出しました。今年で5年連続となりました。

要望は、〇新型コロナ対策で無料のPCR検査等の拡充、〇4病院の統合・合築について、情報公開や立地自治体・患者など関係者の意見を踏まえた議論、〇米価下落対策、水揚げ魚種の変化に対応する振興策など10項目です。

村井知事は、「時宜にかなった要望ばかりで重く受け止める」と答えました。また、トンガ沖噴火に伴う津波で被災した水産業者への支援策を2月議会に向けて準備中であることが報告されました。

意見交換の中で、日本共産党の福島かずえ県議が、コロナ対策で無料のPCR検査が1月末までとなっているが、2月以降の延長と検査所の拡充を求めました。知事は延長にも拡充にも前向きに取り組む意向を示しました。

 

塩釜警察署に交通安全対策に係る要望書提出

1月20日、日本共産党の塩釜市議団等と一緒に、藤倉及び港町の交通安全対策にかかる3点の要望書を提出し、意見交換しました。

①国道45号線から藤倉に入る市道藤倉2丁目8号線への交差点で、藤倉側から見通しが悪かった信号機が手前についたが、青果店前の横断歩道が廃止されたことから高齢者等の買い物客が横断に不便しており、横断歩道の再設置を求めました。

⇒交通課長は、「横断歩道の間隔は市街地では概ね100m以上とされており、近接して3カ所の横断歩道があることから廃止した。児童館に続く道路の横断歩道は残した。多少離れていても横断歩道を渡ってほしい」と答えました。

②新浜町杉の下線上、藤倉2丁目3・4付近について、車線分離標が設置されているが、沿線住民の自宅からの車両の出入りに支障をきたしていることから、車線分離標の撤去などの方策をとられたい。

⇒交通課長は、「交差点のそばで、安全と渋滞対策から車線分離標を設置したので、撤去はできない」と答えました。

★①と②については、地元住民への説明がないまま実施されたことから、住民への説明を改めて行うよう求めました。

③港町1丁目のマリンゲートと塩釜商工会議所の間の港湾道路で、昨年12月に事故があり、目撃した方や近所の方から、車のスピードを落とさせる工夫や、横断者がいることに注意を促す表示、横断歩道をもっと明るくすることなどの要望が出され、再発防止対策を要請しました。

⇒交通課長は、「道路管理者である港湾事務所と相談して検討したい」と答えました。

トンガ津波で塩釜のワカメ養殖に大きな被害

1月16日未明のトンガ沖海底火山の噴火で発生した津波で、塩竈市のワカメ養殖等に大きな被害が出ています。天下みゆきは、塩釜市議団とともに、17日・18日に塩釜市漁協と県漁協塩釜市第一支所を訪問し、被害状況について聞き取りをしてきました。いずれも被害額などは調査中とのことでした。

塩釜市漁協は、ワカメ漁を行っている組合員は20名。被害を免れたワカメの刈り取りを急いで行っている。アンカー替わりの竹が抜けたり、ロープやワカメが絡まってグジャグジャになったりしている。塩釜の被害が大きかったのは、海底がどろで、今年のワカメの生育が良かったことも絡まりやすかった。被災した施設とワカメの撤去のためには、クレーン付きの台船が必要だが、費用がかかり、自力では困難。生産物への共済保険は何人かかけているが、資材は誰もかけていない。10月に向けて来季生産のために資材確保と施設復旧が必要とのことでした。

第一支所は、ワカメ漁を行っている組合員が11人。漁場の85%~90%が被害を受けている。Aさんは、「150本のうち無事だったのは15本だけ」と話していました。共済は全員が入っているが、生産物は30%の人が多い。撤去のための台船、産業廃棄物の処分とその費用、復旧に必要な資材の調達、生活資金への援助などの要望が出されました。

野党4会派 処理水海洋放出に関する知事要請と意見交換会

12月22日、日本共産党県議団とみやぎ県民の声、社民フォーラム、無所属の会の4会派は、ALPS処理水の海洋放出に関する知事あての要請書を提出し、対応した副知事と意見交換しました。   要請内容は以下の2項目です。

<東京電力福島第一原発におけるALPS処理水の海洋放出に係る要請書>

1.地元理解のないままALPS処理水の海洋放出を行わないよう、国並びに東京電力に要請すること。

2.国内外からの懸念払拭に向けて、人および環境への放射線の影響に関する科学的情報を透明性高く継続的に発信するとともに、海洋放出以外の処分方法についても再検討するよう、国並びに東京電力に要請すること。

 

連携会議で「海洋放出断固反対」を真正面に据えた議論を

意見交換では、日本共産党を代表して天下から、「処理水の取扱いに関する宮城県連携会議(※)」のあり方について質問しました。

天下水産業界はじめ県内の関係団体は「海洋放出断固反対」と主張しているが、国や東京電力は「海洋放出」を前提として意見を聞くという態度であり、議論がかみあっていない。会議の招集・主宰は宮城県知事であり、県内の「海洋放出断固反対」「海洋放出以外の処分方法について検討せよ」の要望を真正面に据えた会議運営を行うべきだ。このままでは、連携会議が“アリバイ作り”の場となる恐れがあるがどうか。

副知事は、「思いを受け止めて伝えていく。関係団体の不利益にならないようこの会議を進めている」と答えました。

「処理水の取扱いに関する宮城県連携会議」:処理水の影響について意見を集約し国及び東電に対する申し入れ内容を取りまとめる組織。座長は県知事。構成団体は県漁協など水産業関係7団体、農業関係2団体、観光業関係1団体、県議会、市長会、町村会、宮城県。国と東京電力が出席。

燃油危機打開へ 日本共産党県議団の緊急要望に補正予算

原油価格高騰に歯止めがかからない中、県民の暮らしや生業に深刻な影響を与えていることから、日本共産党県議団は、11月29日、宮城県知事あてに以下の緊急要望書を提出しました。

<日本共産党県議団の緊急要望項目>

1.市町村と連携し、生活保護世帯や低所得世帯、ひとり親、高齢、障害者世帯への「福祉灯油」制度を実施すること。

2.農漁業者や地元中小業者等に対する燃料費助成制度を創設し、実施すること。

3.学校や県有施設の暖房代を十分確保すること。

4.民間の保育園や高齢者、障害者福祉施設などの暖房費への助成を行うこと。

5.公営バス、民間バス事業者、タクシーに対する支援策を講じること。

6.国に上記の財源確保と消費税減税を強く要望すること。

その後、すぐに追加補正予算案が組まれ、「福祉灯油」などが網羅されていましたが、予算規模が小さく、委員会で拡充を迫りました。これからも県民の皆様の要求をつかみ、実現めざして県政に働きかけてまいります。

<原油価格にかかる県の補正予算の内容>

①灯油購入助成費――4,800万円

・生活困窮世帯に対する灯油購入助成を行う市町村への支援

②老人福祉施設等原油価格高騰対策費――1億1,800万円

③保育施設等原油価格高騰対策費――6,400万円

④児童養護施設等原油価格高騰対策費――116万円

⑤障害福祉施設原油価格高騰対策費――4,330万円

⑥私立学校原油価格高騰対策費――7,500万円

・②~⑥:各施設に対する暖房費等のかかり増し経費への助成

⑦施設園芸省エネルギー化対策費―― 1億円

・園芸推進課 施設園芸農家に対する省エネルギー化のための資材購入経費等への助成

⑧水産業原油価格高騰対策費―― 9,200万円

・産地魚市場が行う水揚げ漁船確保対策及び省エネルギー化のための設備購入経費への助    成

<11月29日 原油価格高騰に対する施策を求める要望書提出>

 

 

塩竈市・北浜防潮堤 地盤改良を含む恒久対策工事に15億円の見込み 

塩竈市の北浜緑地公園事業は、防潮堤の目地開きや傾斜、管理用通路の沈下と亀裂などの変状が発生し、その後の地震で更に拡大しています。2021年10月に行われた仙台塩釜港湾事務所の住民説明会では、国立研究開発法人・港湾空港技術研究所の視察により、「当該地区の極めて軟弱で不安定な地盤が要因」とする結果が報告され、「応急対策工」後、地盤改良を行い、現在の防潮堤を撤去して新たに設置する「恒久対策工」を行うことが説明されました。

11月議会での天下の質問に対する土木部長の答弁は以下のとおりです。

①(天下)恒久対策工事の終了時期と予算規模は?財源と国への予算の要請状況は?

⇒(土木部長)恒久対策工事の予算規模は約15億円を見込み、国の防災・安全交付金を活用した今年度の補正予算、もしくは来年度の予算措置について国と協議中。極めて軟弱な地盤上での対策工事となることから、周辺施設等に影響を及ぼさないよう最大限に配慮しながら、早期完成に向けて取り組む。

②(天下)当該地区の軟弱で不安定な地盤について、着工の前後に把握ができなかった理由や、作り直しに至った反省点は?

⇒(土木部長)国の研究所の調査・分析の結果、現行の設計手法では想定しえない粘性土層における海側への側方流動が生じ、防潮堤に変状をもたらしていることが確認された。同研究所からは、このような地盤では当初設計の段階から今回の事象を想定し、設計に反映するのは難しいとの見解だった。

③(天下)地盤改良の範囲は住民説明会で示された155メートルで大丈夫か?住民説明会の適宜開催を求める。

⇒(土木部長)現在、実施している応急対策工事完了後の防潮堤の変状等を見極めた上で範囲を確定する。応急対策工事後に住民説明会を開催し、改めて地盤改良の範囲等を含めて丁寧に説明する。恒久対策工事の施行中も、適宜工事の進捗状況等をお知らせする場を設け、近隣住民の不安解消に努める。

 

4病院再編案は撤回し、地域医療の充実を!

村井知事は知事選挙にあたり、「県立がんセンターを仙台赤十字病院と統合させて名取市に、県立精神医療センターを東北労災病院と合築させ富谷市に開院させることを目指して検討をスタートさせる」と公約に明記しました。

//当事者抜きに議論を進めるな//

知事は、昨年8月に突然発表した「3病院連携・統合」から今年9月の「4病院再編構想」の発表を経て今日まで、当該病院の職員や患者・地域住民には一切説明せず、意見も聞かず、関係者が要望書や署名を提出しても全く無視して、秘密裏に協議を進めてきました。

東北労災病院労組が職員に実施したアンケートで67%が移転反対、57%が勤務継続困難と答えており、当事者にしっかり説明し、意見を聞くことが議論の出発点です。

//絶対的に不足している宮城県の救急医療体制//

県は「救急搬送受入機能が仙台市に偏在している」としていますが、仙台医療圏における現場滞在時間30分以上の困難事案の「件数」は仙台市の方が多く、決して充実しているとはいえません。そもそも県全体の救急搬送時間平均は41.7分で全国39位です。搬送困難事案も全国5.2%に比べて、宮城県は7.8%と1.5倍も高いのです(表1参照)。

重要な問題は仙台市への偏在でなく、県全体の救急医療体制が絶対的に不足していることです。仙台市とそれ以外の市町村を分断するやり方はやめて、県内全体の救急医療の底上げにこそ、力を尽くすべきです。

周産期医療も同様です。

//4病院再編構想は撤回し、名取市に県立総合病院の新設を提案//

天下みゆきは、仙台市から病院を移転するのでなく、宮城県が、救急医療や周産期医療も担い、がんセンターと精神医療センターを併設する県立総合病院を名取市に新設することを提案しました。

またそのためには、①急性期病床を削減する「地域医療構想」を見直すこと、②「医師確保計画」を県内で医師が一人も増えない計画から抜本的に増やす計画に改め、東北医科薬科大学を作った強みを生かして、地方の病院への医師配置計画を作ること、③看護師確保のために、2023年度に閉校する名取市にある県立宮城県高等看護学校を、看護大学として整備するよう求めました。

担当部長は、「4病院再編の枠組みで検討を進める」、「急性期病床を削減する中で統合して救急医療等を底上げする」と答えました。

//知事の「人口減少社会論」は社会保障を削減して少子化に拍車をかける道//

知事は、4病院再編構想も「水道民営化」も「人口減少社会のため」を錦の御旗にして強行しようとしていますが、宮城県は合計特殊出生率が全国ワースト2位です。天下みゆきは、「人口減少社会の危機をあおって社会保障を削減するだけでは悪循環だ。なぜ宮城県が他県より特別に合計特殊出生率が低いのか、子どもを安心して生み育てられる社会にしていくために、宮城県には何が足りないのか、何をしなければならないのか、しっかり分析せよ」と迫りました。知事は「おっしゃる通りです」と答えました。

<救急医療についてパネルを使って説明>

栗原及び登米保健所の支所化 コロナ禍の中  可決の暴挙

賛成 46 票(自民32人・公明3人・みやぎ県民の声9人・他2人)

反対 11 票(日本共産党5人・みやぎ県民の声2人・社民フォーラム2人・無所属の会2人)

棄権 1 票(自民1人)

//当該自治体の首長や市議会、住民の理解は得られていない//

2022年4月から栗原と登米保健所を廃止し、大崎及び石巻保健所の支所に再編する「行政機関設置条例改正案」が、保健所存続を求める当該自治体の声を無視して賛成多数で可決されました。

登米保健所の存続を求める会が6446筆の署名を提出し、栗原市議会が「保健所の存続を求める意見書」を全会一致で可決し、今議会直前の10月に栗原市長が存続の要望書を宮城県に提出したことも、一顧だにされませんでした。

しかも11月末には栗原・登米両市議会に県が説明に行きましたが、「コロナの第6波が来るかもしれないのに時期尚早だ」、「存続要望への回答がないまま条例提案するとは何事か、地域の首長・議員をどう考えているのか」などの意見が相次ぎ、とても理解が得られたとは言えない状況でした。

担当部長は、委員会審査で「関係者の納得を得られていないと思う」と答えざるを得ませんでした。

 

//職員を減らしておいて「集約して専門性強化」の欺瞞//

県は、保健所の専門性の強化を目的に、「医療機関への指導・助言」など5つの業務を本所に集約するとしていますが、この5つの業務には、現在、栗原保健所で11人、登米保健所で10人の職員が配置されています。県は、「10人が一気に減ることはない」と言いますが、条例が通ってしまえば県の判断でいくらでも減らすことができます。

そもそも今回再編対象となっている4保健所のうち大崎・栗原・登米の3つの保健所では、19年度に向けた数年間で合計15人も職員を削減してきました。20年・21年とコロナ対応で若干増やしていますが、減らした分、回復はしていません。

 

//感染症や自然災害が多発する中、保健所体制の強化こそ必要//

県は災害時や感染症発生時に、本所と支所が大くくりの体制で対応することで機動的になるとしていますが、体制が薄くなる支所の初動対応が遅れる懸念は、委員会審査でも否定できませんでした。

感染症と自然災害が広域的に多発する中、保健所体制の強化こそ最優先すべきであり、保健所を廃止して支所にする条例改正案は認められません。

<12月1日・登米保健所の存続を求める会の署名提出に同席>

知事は慢心することなく県民の方を向いて仕事せよ!

知事選挙後の11月議会で、一般質問を行いました。順次、その内容を報告します。

天下みゆきは一般質問で知事選挙の結果について、現職知事で得票数・得票率ともに減らしたのは村井知事が初めてであり、評価が下がった結果だと認めるべきと指摘し、知事は「批判もあったが信任された結果だ」と強弁しました。

また、投票日翌日に知事が県職員に対して、「この選挙結果は県職員を代表して私が受けたものです。職員の皆様は一生懸命仕事を頑張っていますが、慢心することなく、常に謙虚に、県民の方を向いて仕事をしていただきたい」と挨拶したことについて、知事自身が行うよう求めました。

知事は、天下議員の受け止めは曲解だとしつつ、「慢心することなく、引き続き県民の声に耳を傾け、より一層丁寧な説明を心掛けながら取り組んでいきたい」と答えました。

県民の「いのちの水」を売り渡すな!

上工下水3事業の運営権売却、自民・公明等が強行可決

 ◎運営権設定議案      賛成33、反対18、棄権3  

 ◎手続き凍結を求める請願  賛成19、反対35

  上工下水3事業の運営権を民間企業に売却する「みやぎ型管理運営方式」、たった6回の住民説明会の217人の参加をもって、宮城県は説明を尽くしたとして6月議会に運営権設定の議案を提出、自民・公明等の賛成多数で強行可決しました。

天下みゆき議員は6月25日の一般質問で、その問題点をただし議案の取り下げを求めました。

//問題だらけのみやぎ型管理運営方式//

①浄水場等の管理運営を仕切るのは外国資本のヴェオリア

優先交渉権者となったメタウオーターグループは、特定目的会社(以下、SPC)を設立するとともに、浄水場や浄化センターの運営管理業務を委託する会社(以下、OM会社)を別会社として立ち上げました。

議決権株式保有割合は、SPCではメタウオーターが過半数を占めて代表企業となりましたが、OM会社は外国資本のヴェオリア・ジェネッツが51%を占めました。SPCは20年で解散しますが、OM会社は20年以上将来にわたって外国資本が実権を握り、宮城県での影響力を強めようとしています。

宮城県は、水質検査や経営状況のモニタリングを行うことを、SPCとは実施契約書等で決めていますが、OM会社とは何の契約も結んでいません。

〔天下議員〕OM会社の経営状況はどのように確認するのか。

〔公営企業管理者〕OM会社の財務諸表や財務指標の報告をモニタリング計画に位置付けることにより、県が継続的に監視できるしくみとする。

〔天下議員〕そのことは、県とSPC,SPCとOM会社との契約書に明記するのか。

〔公営企業管理者〕契約書に入れる。

*ヴェオリア:フランスに本社をおく世界の水メジャー。世界各国の水道事業に参入したが、水道料金の高騰や不透明な経営実態などが批判され、再公営化の流れが広がっている。

 

②情報公開に耐えられない取扱規定

県は、SPCが提出した情報公開取扱規程について、県情報公開条例の趣旨に沿って作成したと言っていますが、肝心な文言が違っています。SPCの規定では、「企業経営上の正当な利益を害するおそれがあるもの」は不開示としていますが、県の条例では、「正当な利益が損なわれると認められるもの」が不開示と規定しています。

〔天下議員〕SPCが「おそれがある」と判断すれば、いくらでも開示を拒否することができるのではないか。

〔公営企業管理者〕不開示判断がなされた場合は不服申し立てが可能で、その妥当性の判断は、親会社の法務部門や顧問弁護士が行い、客観性を担保した対応がなされる。

〔天下議員〕「おそれがあるもの」について答えていない。また、顧問弁護士は会社の利益擁護の代弁者だ。このままの規定では情報公開に耐えられない。

 

③更新投資削減の根拠を示す計画書はできていない

そもそも県は2018年3月に行った試算で、今後20年間で管路等が1080億円、設備が880億円、合わせて1960億円の更新投資が必要と説明し、「このままでは水道料金の上昇は避けられない」と言っていました。ところが、今回のコスト削減額は、結局、管路の更新投資は約6割に減り、設備投資が半額になりました。おまけに県は「管路の本格的な更新は20年間行わない、ピークは30年後から40年後だ」と言っています。

〔天下議員〕20年間の契約期間終了後に、更新投資が大幅に増加し、水道料金の上昇につながることはないか。

〔公営企業管理者〕事業終了時に、開始時と同等の健全度を維持することや、経営審査会で5年ごとに行う改築計画書の見直しについて審議しながら進めるので、多額の更新費用が発生することはない。

〔天下議員〕改築計画書や健全度調査計画書はまだできていない。今回、運営権を設定することは、更新投資の根拠を示せないまま契約を決めることになる。

 

④議会審議から外れ、下請け業者買いたたきの恐れも

「みやぎ型」に移行すると、水道事業は県の予算・決算から抜け、監査対象からも外れ、県議会の議決が5年に1回の料金改定時のみとなります。県は対応策として、毎年、県議会に報告する旨の条例案を今議会に提出しましたが、あくまで「報告」でしかありません。

天下議員は、「みやぎ型」への移行は、主権者である県民の参加と監視という民主主義の大事なしくみを壊すものだと厳しく批判しました。

また、SPCが行う契約は、「民間と民間」との取引となります。

〔天下議員〕関連企業への高値発注や、下請け工事業者の買いたたきが横行する懸念があるが、どのようにチェックするのか。

〔公営企業管理者〕県として適切に契約状況を確認し、SPCが法令違反した場合には、県は実施契約書に基づき是正を求めることができる規定としている。

〔天下県議〕違反がわかったら県が指導するのは当たり前だ。法令違反をどうやってチェックするのか聞いている。

※公営企業管理者は同じ答弁の繰り返しで、法令違反のチェック方法については答えられませんでした。

 

⑤資格取得で虚偽申告

メタウオーターサービス(代表企業の子会社)が2019年2月4日に、水道施設管理技士の資格を持つ社員264人のうち、116人の資格取得に必要な現場実務経験を実際より多く申告していて、日本水道協会から厳重注意を受けて、該当職員は資格を取り消されていたことがわかりました。

〔天下議員〕資格取得の虚偽申告をするような会社が入っているところと契約してよいのか。

〔公営企業管理者〕把握していないが、適格条項を調査し、適正であると判断している。

〔天下議員〕把握していないのに適正であるとする意味がわからない。再度チェックすることを求める。

 

//ねらいは民間企業のビジネスチャンス//

天下議員は、2017年3月に東京で村井知事が行った講演を取り上げました。

講演で知事は、「とにかく民間事業者がやりやすいようにすることや、事業スキームの構築はスピード感をもって一気に行うこと」を最初に指示したと述べています。

〔天下議員〕まさにそのようにやってきたと感心した。民間事業者がやりやすいように、PFI法を使って情報公開を制限し、契約書も民間事業者のリスクに配慮し、県民への説明も十分に尽くさず、意見も十分に聞かず、スピード感をもって進めてきたのではないか。

〔村井知事〕私がそのようにお話したのは事実です。狙いは適正な競争をさせるために、多くのグループ企業が参画したくなるようなものをぜひ作ってほしいと言いました。

 

また講演で知事は、「みやぎ型」実現の意義として「民間事業者の新たなビジネスチャンスの創出」と述べ、市町村への展開を検討する理由は、「水源から蛇口までを一体管理することにより民間の投資対象として魅力が増すため」と述べていました。

〔天下議員〕知事は、民間企業のビジネスチャンスに応えるためにこの事業を行い、市町村にまで展開しようとしているのか。

〔村井知事〕国鉄や電電公社を民営化したときも大きなビジネスチャンスが生まれ、厳しい競争原理が働き、結果として国民の利益につながった。

 

更に講演では、2016年に商社などの投資家やシンクタンク、金融機関、そしてヴェオリア・ジャパンなどの水企業も入った懇話会や部会を、知事が「非公開」で開いてきたことも紹介されています。

〔天下議員〕こうやって「みやぎ型」の道筋を作ってきた。最初の段階から知事に決定的に欠けているのは、「県民参加」と「県民の視点」だ。今回、請願署名が1万9449人分出されているが、どのように受け止めるか。

〔村井知事〕1万人超えの人が疑問を持っていると受け止めている。非常に多くの県民は理解していると思っている。

〔天下議員〕県民の多くはほとんど内容を知らず、このまま強行すれば、後世に禍根が残る。議案は取り下げ、県民への十分な説明とパブリックコメントの再度の実施を求める。