日別アーカイブ: 2024年7月23日

女川原発再稼働の中止を求める~②女川を「核のゴミ捨て場」にするな

女川原発2号機は再稼働すると4年程度で使用済み燃料プールが満杯になります。そこで東北電力は、発電所敷地内に「一時的」に貯蔵する施設として「乾式貯蔵施設」2棟の設置許可申請を原子力規制委員会に提出しました。

「一時的というが、何年間貯蔵して、どこに搬出するのか」という天下みゆきの質問に対して担当部長は、「一時的なもの」としか答えられず、「搬出先は、これまでに搬出実績のある国内外の再処理事業者と、東北電力から伺っている」と、全く具体的でない答弁でした。

「核燃料サイクル」は破綻

青森県六ケ所村にある日本原燃の再処理工場は、1993年4月に着工して当初97年稼働の予定でした。ところがなんと26回も工事延長をして、総事業費は14兆7千億円に上っています。福井県の高速増殖炉「もんじゅ」は既に廃炉になっています。

天下みゆきは、「『一時的』どころか、女川が『核のゴミ捨て場』になりかねない」と指摘し、「これ以上行き場のない核のゴミを増やさないために、女川原発の再稼働は中止すべきだ」と知事に迫りました。知事は、「県として使用済燃料対策の促進について、国が前面にたって取組を進めるよう引き続き要請するほか、全国知事会等を通じて要請する」と答えました。

また、規制委員会の許可が出れば、県と石巻市、女川町は地元同意を求められます。天下みゆきは住民説明会の開催を求めましたが、担当部長は「東北電力が説明を行うよう求める」と、県の関与を否定しました。

女川原発再稼働の中止を求める~ ①能登半島地震で破綻した避難計画

能登半島地震を踏まえて、原子力規制委員会では「屋内退避の運用に関する検討チーム」を設置し、今年度内に検討結果を報告するとしています。また、内閣府では「多数の道路寸断」や「孤立地区の発生」、「放射線防護施設の損傷」について被災状況を調査し、調査結果の他の地域への共有を図るとしています。

天下みゆきは、女川原発再稼働の前に、能登半島地震の検証を踏まえた「緊急時対応」を作り直すべきだと求めました。担当部長は、「内閣府の検討状況を注視し、必要に応じ、国、関係市町とともに『緊急時対応』の見直しを検討する」と答えましたが、再稼働前に見直すとは言いませんでした。

宿泊税導入を断念せよ!

「宿泊税」について、当初知事は「反対しているのは気仙沼・南三陸と鳴子だけ」と言っていましたが、7月8日には、県ホテル旅館生活衛生同業組合や温泉旅館組合の16支部(仙台、黒川、塩釜、松島、角田、登米、気仙沼、鳴子、東鳴子、中山平、川渡、鬼首、青根、遠刈田、作並、小原)と日本旅館協会県支部、「みやぎおかみ会」の18団体が連名で「宿泊税導入断念」を求める要望書を提出しました。宿泊税への反対運動を担う「宮城県・宿泊税を憂慮する会」も結成されました。

そもそも、4年前に宿泊税の条例提案にあたり行ったパブリックコメントの結果は、1028人から寄せられた1302件の意見のうち、明確に「賛成」はわずか12件で1%にも満たない状況でした。知事は、当事者である宿泊事業者の意向を尊重し、「宿泊税」導入を断念するべきです。

5月17日・松島の宿泊事業者と懇談

医師・看護師を抜本的に増やす計画を

県は、「仙台医療圏について、総人口は減少するが、65歳以上の人口増で入院患者数は2040年にかけて増加する。一方、生産年齢人口が減少するため働き手が不足する。この需要と供給のギャップを解消するために、急性期病床から人員配置基準の少ない回復期病床や在宅等への移行を進める」と言っています。

天下みゆきは以下2点を指摘し、医師・看護師を抜本的に増やす計画の策定を求めました。

①「急性期は人手がかかるから回復期病床や在宅に」では、助かる命も助からないことが危惧される。また、在宅医療は家族の離職により更に働き手を減らすことも考慮するべき。

②なぜ宮城県は不足する医師や看護師を抜本的に増やす計画を作らないのか?

  •  宮城県の医師確保計画(2024年度から26年度)は、全ての医療圏で、2020年現在の医師数から一人の医師も増えない計画。
  •  宮城県の人口10万対看護師数は全国41位。病院看護職員の確保状況は、募集人数に対して83%の採用率(2023年4月1日現在)で慢性的な看護師不足。

看護師確保について担当部長は、学識経験者、県医師会、県看護協会、看護師等学校養成所、医療機関などの関係機関が一堂に会した検討会を新たに設置すると答弁しました。

4病院再編 精神医療センター・サテライト案は破綻     ~富谷移転は断念し、名取での建て替えを (6月議会一般質問報告)

県と精神医療センター職員とのサテライト案の協議が止まっています。理由は、県が示した案に対して、センター職員から、人員体制や経営的に困難などと指摘され、県の「対案」が作れていないからです。「職員との協議がまとまる見通しはあるのか」という天下みゆきの質問に対して、県は「精査中」としか答えられませんでした。

労働者健康安全機構(労災病院の本部)は、「県のサテライト案がまとまらないと協議に入れない」と言っており、機構との協議も止まっています。追い詰められている知事は、同僚議員の質問に、「患者ファーストで柔軟かつ多角的に検討する」と、サテライト以外の選択肢も言及しました。

当事者が「これ以上苦しめないで」と悲痛な声を上げ、県内の精神医療保健福祉に関係する79機関・団体が精神科病院協会の「富谷移転反対」声明に賛同し、精神医療センター職員との協議もまとまらない。天下みゆきは、「富谷移転を断念し、名取で建て替えるべきだ」と迫りました。

ガンセンター職員アンケート 県の説明に75%が「納得できない」

県立がんセンターと仙台赤十字病院の「基本合意」後に、労働組合が行ったガンセンター職員へのアンケート調査によると、病院機構と県の職員説明会に75%が納得していないと答え、宮城県が行ってきた情報開示の在り方について93%が満足していないと答えました。また、今後の働き方については、52%が「わからない」と答えていますが、「退職を考える」が21%、「統合する新病院で働きたい」はわずか14%にすぎませんでした。

高度ながん医療や患者を支える手厚い体制など、ガンセンターが果たしてきた役割の後退が危惧されます。「基本合意」は撤回し、県立がんセンターを維持すべきです。

4月23日・労働者健康安全機構と懇談   7月1日・6月議会終了後、議会4会派と市民団体と懇談