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医師・看護師を抜本的に増やす計画を

県は、「仙台医療圏について、総人口は減少するが、65歳以上の人口増で入院患者数は2040年にかけて増加する。一方、生産年齢人口が減少するため働き手が不足する。この需要と供給のギャップを解消するために、急性期病床から人員配置基準の少ない回復期病床や在宅等への移行を進める」と言っています。

天下みゆきは以下2点を指摘し、医師・看護師を抜本的に増やす計画の策定を求めました。

①「急性期は人手がかかるから回復期病床や在宅に」では、助かる命も助からないことが危惧される。また、在宅医療は家族の離職により更に働き手を減らすことも考慮するべき。

②なぜ宮城県は不足する医師や看護師を抜本的に増やす計画を作らないのか?

  •  宮城県の医師確保計画(2024年度から26年度)は、全ての医療圏で、2020年現在の医師数から一人の医師も増えない計画。
  •  宮城県の人口10万対看護師数は全国41位。病院看護職員の確保状況は、募集人数に対して83%の採用率(2023年4月1日現在)で慢性的な看護師不足。

看護師確保について担当部長は、学識経験者、県医師会、県看護協会、看護師等学校養成所、医療機関などの関係機関が一堂に会した検討会を新たに設置すると答弁しました。

4病院再編 精神医療センター・サテライト案は破綻     ~富谷移転は断念し、名取での建て替えを (6月議会一般質問報告)

県と精神医療センター職員とのサテライト案の協議が止まっています。理由は、県が示した案に対して、センター職員から、人員体制や経営的に困難などと指摘され、県の「対案」が作れていないからです。「職員との協議がまとまる見通しはあるのか」という天下みゆきの質問に対して、県は「精査中」としか答えられませんでした。

労働者健康安全機構(労災病院の本部)は、「県のサテライト案がまとまらないと協議に入れない」と言っており、機構との協議も止まっています。追い詰められている知事は、同僚議員の質問に、「患者ファーストで柔軟かつ多角的に検討する」と、サテライト以外の選択肢も言及しました。

当事者が「これ以上苦しめないで」と悲痛な声を上げ、県内の精神医療保健福祉に関係する79機関・団体が精神科病院協会の「富谷移転反対」声明に賛同し、精神医療センター職員との協議もまとまらない。天下みゆきは、「富谷移転を断念し、名取で建て替えるべきだ」と迫りました。

ガンセンター職員アンケート 県の説明に75%が「納得できない」

県立がんセンターと仙台赤十字病院の「基本合意」後に、労働組合が行ったガンセンター職員へのアンケート調査によると、病院機構と県の職員説明会に75%が納得していないと答え、宮城県が行ってきた情報開示の在り方について93%が満足していないと答えました。また、今後の働き方については、52%が「わからない」と答えていますが、「退職を考える」が21%、「統合する新病院で働きたい」はわずか14%にすぎませんでした。

高度ながん医療や患者を支える手厚い体制など、ガンセンターが果たしてきた役割の後退が危惧されます。「基本合意」は撤回し、県立がんセンターを維持すべきです。

4月23日・労働者健康安全機構と懇談   7月1日・6月議会終了後、議会4会派と市民団体と懇談

進路指導教員に自衛隊が〝経費持ち”で研修案内

自衛隊宮城県地方協力本部が、県内の高校の進路担当教員を対象に、防衛大学校と海上自衛隊横須賀基地の研修案内を出していたことが、県高等学校教職員組合(高教組)からの情報でわかりました。6月に1泊2日で2回開催するもので、交通費も宿泊費も4食分の食費も全て自衛隊が支給するという内容です。高教組が同協力本部に問い合わせたところ、防衛大の入学実績のある高校に直接案内しており、現在6校から応募があったということでした。

文教警察委員会で事実関係を確認したところ、県教委は「案内通知は把握していない。事前相談もない。10校に確認したが届いてないと言われた」と答えました。

天下みゆきは、「自衛隊が持つ経費は私たちの税金です。税金で公務員が公務員を処遇するのはいかがなものか。今、軍事費を増やして敵基地攻撃能力の保有など自衛隊の強化に対する懸念も大きい中で、進路指導の教員を派遣することは止めるべきだ」と指摘しました。

学校給食の牛乳で体調不良―児童生徒・保護者に寄り添った対応を

4月25日に、東北森永乳業(株)仙台工場で製造された牛乳を飲んだ児童・生徒・教職員1,061人から体調不良の訴えがあり、森永乳業は牛乳の供給を停止しました。工場が設置されている仙台市保健所が工場の立入検査等を行い、森永乳業も第三者機関による検査を行いましたが、いずれも異常は認められず、仙台市は「食中毒ではない」と判断しました。これを受けて、森永乳業は5月17日から学校給食への供給を再開すると表明し、仙台市や多賀城市、塩竈市等が順次再開してきました。

再開にあたって、森永乳業は、風味検査のサンプル数を増やし、専門員(風味パネルマイスター)による風味検査を強化する。教育委員会としては、各学校の検食を強化し、児童生徒、保護者の不安感に寄り添いながら対応するとしています。

<「飲み残しのもの」を保存・検査するしくみを作れ>

以上の説明を受けて文教警察委員会では、体調不良になった児童生徒の飲み残しの牛乳が廃棄されていて、保健所で検査できなかったことが問題となりました。天下みゆきは、今後、同様のケースがあった時に「飲み残し・食べ残しのもの」を保存・検査するしくみをつくるよう求めました。

県独自調査でマイナンバーひも付けミス―「新たに174件」 5/21・文教警察委員会にて

国によるマイナンバー総点検で、宮城県が行う事務では障害者手帳のひも付けミスが11件確認されました。これを受け、県が独自に約43万件の事務について点検した結果、更に174件のひも付けミスが判明しました。誤りの主な要因は、対象者の家族や別の申請者のマイナンバーを入力したほか、申請者自身が誤ったマイナンバーを記載したことなどによるとのことです。

ひも付けミスの最多が「高等学校等就学支援金支給事務」で84件にのぼりました(県立高校12件、私立高校72件)。このうち、県立高校の点検件数は14万4814件でしたが、就学支援金の登録作業や点検を行っているのは各学校現場です。

<登録事務の複数確認多忙な学校現場を支援せよ>

県は今後の対策として、複数人による確認作業を徹底するとしていますが、それでなくとも多忙な学校現場での負荷が危惧されます。天下みゆきは、「多忙な学校現場での複数確認に対しては、実態に即した支援を行うべきだ」と求めました。

事務の効率化を行うはずのマイナンバーが、学校現場の多忙さに拍車をかけています

塩竈市は自衛隊への名簿提供をやめよ!

塩竈市の「広報しおがま」4月号に、自衛官募集業務への協力のため、今年度18歳になる住民の名簿(氏名・住所・生年月日・性別)を自衛隊に提供する「お知らせ」が載りました。情報提供を望まない人は、5月10日までに除外申請を提出せよという内容でしたが、市民への周知は十分とは言えません。

何よりもプライバシー権は、憲法13条で保障されている大切な「人権」であり、本人の同意なく個人情報を提供すべきではありません。

そこで、日本共産党塩釜市議団と県議・天下は、4月30日に「自衛官募集に係る個人情報提供の撤回を求める」市長への要請を行いました。同日、塩釜市内の10団体も同様の市長要請を行いました。

「4カ月経っても被災地の復旧が進まない」   ―― 5/7~9 日本共産党県議団で能登半島地震の被災地視察

1月1日の地震から4カ月経ちましたが、家屋は倒壊したままでがれきの山、水道が出ない地域がまだまだ多く、金沢市と能登半島を結ぶ自動車専用道路「のと里山海道」は、ところどころ崩落し、片側のみの通行で、帰りは一般道を通ってきました。

5月7日は石川県庁で能登半島地震の被害状況や復興プラン等をお聞きし、石川民医連災害対策本部で被災者や医療・介護等の状況について伺いました。8日は羽咋市に開設された「被災者共同支援センター」を訪問しました。

(以下、市町の被害及び避難状況は5月8日現在)

<水道工事業者が足りない!能登町で議長・副議長等と懇談>

能登町(震度6強):死者8人、負傷者40人。全壊306棟、半壊932棟、一部損壊5277棟。13カ所の避難所に148人避難中。

「連休明けから家屋の公費解体が始まったが、名義変更がされてなく、全員の同意をとるのが大変で申請が進まない。国で免責措置を認めてほしい」、「水道管の復旧は進んだが、家の中につなぐ配管工事を行う業者が足りない」などの問題が出されました。

<息をのんだ「輪島朝市」の火災現場>

輪島市(震度7):死者106人、行方不明者3人、負傷者516人。全壊3989棟、半壊4557棟、一部損壊6270棟。45カ所の1次避難所に1023人避難中。

日本共産党の鐙史朗(あぶみしろう)輪島市議に、「輪島朝市」の被災現場を案内していただきました。一部、がれきが整理されているところがありましたが、そこはご遺体が見つかったところで、花が添えられていました。朝市は190店舗あったそうです。

輪島朝市の商店主ら約40人が、100キロ離れた金沢市の金石(かないわ)港で、「出張輪島朝市」を出店。朝市を再開したそうです。

(輪島朝市の火災現場)

(輪島市に建設中の仮設住宅の前で)

<志賀原発 断水と道路寸断、家屋倒壊で原発避難計画は破綻>

志賀町(震度7):死者2人、負傷者104人。全壊518棟、半壊2191棟、一部損壊3667棟、床上浸水6、床下浸水5。7カ所の避難所に172人避難中。

日本共産党の中谷松助志賀町議に案内していただきました。

志賀原発の避難計画は、原発より北の住民は今回被害が大きかった輪島市や能登町に避難する計画でした。また、避難道路となっている国道249号線は道路ががけ崩れで何カ所も寸断して、避難どころか孤立した集落もありました。原発から10数キロの富来(とぎ)地区は、震度7で家屋が倒壊したり屋根瓦が落ちたり、何よりも断水で水がなく、屋内退避どころではありませんでした。放射線防護施設があった富来町立病院は、病棟の廊下の天井が崩落して、避難場所になるどころか、患者さんを移送したそうです。

複合災害時の避難計画は全く破綻していることが示されました。

(志賀町国道249号線・がけ崩れの工事現場) (倒壊した家屋)

(志賀町 隆起した海岸)

塩釜地区にもう一校、特別支援学校の建設を!

利府支援学校は、富谷分校や塩釜分校をつくってきましたが、狭隘化は解消されていません。プレハブ校舎でグラウンドは使えず、44の学級を34の教室でやりくりし、図書室はなく図書コーナーだけ。職員室は通路にも机が置かれて、指導室も職員室に転用されています。

天下みゆきは、利府支援学校は土地の拡張ができないので、もう一校、塩釜地区2市3町に特別支援学校を建設するよう求めました。教育長は、現在策定中の次期特別支援教育将来構想の中で、利府支援学校の狭隘化についても検討すると答えました。

<既存校も設置基準をクリアする対策を>

県内の特別支援学校26校のうち、国の設置基準を下回っている学校は「校舎」が9校、「運動場」が13校です。天下みゆきは、「既存校は対象外となっているが、設置基準をクリアできるよう対策を講ずるべき」と求めました。

教育長は、将来構想の策定の中で基準に沿った教育環境の整備を検討すると答えました。

県立高校14校の特別教室にエアコン設置!

県立高校へのエアコン設置は普通教室が完了し、党県議団は特別教室と体育館への設置を求めてきました。24年度の当初予算で、次の14校(※)の特別教室での設置が決まりました。担当課長は、「夏に間に合う」、「その他の高校については計画策定中で、要望が強いところは3~4年で整備したい」と答えました。

※泉高校、多賀城高校、松山高校、利府高校、柴田高校、宮城野高校、農業高校、亘理高校、南郷高校、本吉響高校、工業・第二工業高校、古川工業高校、鹿島台商業高校、登米総合産業高校

<特別支援学校の体育館に早期のエアコン設置を>

国の「学校施設環境改善交付金」は、通常1/3の国庫補助のところ、2025年度までは1/2補助となっています。防災減災国土強靭化緊急対策事業債や交付税措置を組み合わせると、県の負担は25%となることから、天下みゆきは、特別支援学校体育館への早期の設置を求めました。

患者・職員・地域住民無視の「4病院再編」は許さない!(2月定例会報告)

//「4病院再編」のための予算が入った1号議案に16人が反対!//

仙台赤十字病院と県立がんセンターを統合した新病院整備のための基金造成費が一般会計当初予算・第1号議案に計上され、最終日の3月13日の採決では、この議案に16人が反対、1人が棄権して抵抗を示し、共産党県議団が反対討論を行いました。

自民・公明などの賛成多数で可決されましたが、賛成討論に立った自民党議員は、「もろ手をあげて賛成ではない」と言いながら、丁寧な説明とがん医療機能の維持を求める「付帯意見」が環境福祉委員会で採択されたことを条件に「賛成した」と釈明しました。

日本共産党以外が当初予算・第一号議案に反対するのは近年にないことです。

写真 3月13日:議会終了後に開かれた市民団体と議員の「4病院問題意見交換会」

<現場管理者と相談なく、がんセンター廃止の「基本合意」>

昨年暮れに、直前の住民説明会や県議会には何の説明もなく、突然、県立がんセンターを廃止して日本赤十字社を運営主体とし、名取市に約400床の新病院を2028年度中に開院する「基本合意」が、県と県立病院機構、日本赤十字社の3者で締結されました。

共産党県議団が、がんセンターの総長や院長、研究所所長と懇談したところ、「基本合意直前に内容を知らされた。医療内容についての協議は全くこれから」との話で、あまりの現場無視に憤りを感じました。現在、県立がんセンターで行っている希少がんや難治がんなどの高度ながん医療や研究所機能の継続が危ぶまれ、2つの病院を合わせた規模が半減することから雇用の継続も危惧されます。

写真 1月24日:県立がんセンターを視察する党県議団

<「重点支援区域選定」への厚労省の異例の条件付>

新病院整備に国の支援を得るために県が申請した「重点支援区域の選定」にあたり、厚労省は、「仙台市をはじめとする関係自治体と、医療機能の再編により影響を受ける地域住民に、それぞれ丁寧に説明を行い、理解を得ること」と条件を付けました。

共産党県議団が厚労省に問い合わせたところ、「条件を付したケースは過去にない。その理由は、地域医療構想調整会議や仙台市のホームページ、住民説明会などで、『情報開示が不十分』『説明が不十分』等の指摘があることを厚労省は認識している」との回答がありました。

厚労省も宮城県の進め方の異常さを認識しているのです。

<県立がんセンターをなくすことに地域医療関係者も納得していない>

実際、「重点支援区域申請」の了解を得るために12月26日に急遽開催された仙台区域・地域医療構想調整会議では、「がんセンターの研究部門がどうなるのか?」、「東北大学との補完・連携がうまくいくのか?」、「日赤本部ががん医療をどのくらい重視してくれるのか?」、「あくまでがんの医療を中心とした総合的な病院でなければならないし、県からの財政的な支援も必要」、「議論や検証に必要な情報が示されないまま進められることには医療関係者や患者の理解は得られず容認できない」等の意見が次々と出されました。座長は最後に「今回の基本合意に関しては様々な懸念の声があるので、重点支援区域の申請とは切り分けて」とまとめ、やっと了解を得ました。

  • 天下みゆきは予算総括質疑の中で、「地域医療構想調整会議で再度、『基本合意』の議論をするべきだ」と知事を問いただしました。

 

//「地域包括ケア」をこわす県立精神医療センターの富谷移転は認められない//

<県精神保健福祉協議会で県のサテライト案に賛成ゼロ>

2月15日に行われた精神保健福祉審議会では、富谷移転を前提として名取市内にサテライトをつくる県の構想が議論され、経営的にも人的体制上も現実的ではないと批判が殺到し、採決では、反対10名、保留3名、賛成がゼロでした。

宮城県の精神医療・福祉の専門家は、以下の理由で富谷移転に反対しています。

①精神医療センター(以下、センター)の通院患者約3000人のうち2000人強は太白区以南の患者で、移転すれば通院困難になること。特に児童・思春期の患者の約7割が太白区以南で通院が困難になり、現在は入院中でも病状が改善すれば病棟から学校に通っていたが、それもできなくなること。

②宮城県の精神科病院は県北の病床数が2100床に対して県南が1350床で、センター(258床)が県北に移転すると、県南はますます薄くなり、県北は民間病院との競合が起きること。

③センターの医師や職員は、名取病院として開設以来60年以上をかけて「地域包括ケア」を構築してきた。現在、名取市内にはグループホーム12施設、短期入所5施設、居宅介護14施設、生活介護や就労支援など日中活動系22施設、相談支援7カ所、児童通所系16施設が集積し、患者さんたちが医療を受けながら、安心して暮らせる地域をつくってきた。その拠点となるセンターの移転は、この「地域包括ケア」の継続を脅かすこと。30床程度のサテライト病院を名取に設置しても、医師体制が大幅に縮小されることから、現在の役割は困難となること。

④「私たち抜きに私たちのことを決めないで」という障害者の権利条約に違反していること。

  • 今、当事者の方から、県の方針が二転三転するたびに病状が悪化し、日常を脅かされる不安を感じている」と訴えられています。天下みゆきは、「これ以上、患者さんを追い詰めるのはやめるべきだ」と指摘し、名取市内での建替えを強く求めました。

<東北労災病院と精神医療センターの合築に向けた「基本合意」は次年度に持ち越し>

知事は2023年度中の基本合意をめざすと繰り返し発言していましたが、協議は整わず、24年度への持ち越しとなりました。当事者団体と、「労災病院を守る会(地域住民と職員等で結成)」が、それぞれ協議中止を求める要請を県に行いました。