日別アーカイブ: 2016年8月21日

「県立循環器・呼吸器病センターの存続を!」:8/1瀬峰住民との懇談会

8月1日、日本共産党県議団と栗原市議(共産党以外の市議も参加)、登米市議で、瀬峰住民との懇談を行いました。住民からは存続を求める意見が次々と出されました。

「結核療養所という時から関わってきた。住民が犠牲的精神で土地を提供した。当時、肺病と言って敬遠されたが、結核を蔓延させないと、この村全体で引き受けた。当時は満室状態だった。今、赤字経営だからということで地域住民の信頼を失っていいのか。心臓や消化器でお世話になってきた。糖尿病教室を2週に1回開いて、日常生活や食事についても教えてもらっている。登米からも患者さんがだいぶ来ている。跡地ありきでなく、老健施設の前に医療をしてほしい。環境も最高の所だ。廃止ありきでなく方向転換を!」

「結核患者は入院日数が長い。充実した医療設備が必要。県北は医療機関が少なく、高齢化して交通手段がない。病院にかかるのは命をつなぐこと。高齢化社会に向けて、医療機関の充実は必要。瀬峰からもなくしてはダメ。」

「全盲の視力障がい者。この病院を廃止ありきと聞いて、7/15の説明会ではみんな怒っていた。なくすことには反対。地域の命を守る県の役割が欠けている、県の努力がないと指摘されていた。赤字だから廃止、医師の確保ができないから廃止、栗原に押し付けて、栗原でも二の舞にならないか。登米と瀬峰の人が中心にかかっている。登米とタッグマッチ組んで病院をなくさないようにしてほしい。」

「登米でも説明会を開くべき。ベーチェット病でかかっている。是非、ここに病院を置いてほしい。循環器の診療所はあるが、夜はやっていない。ここは夜も診てくれる。」

栗原市議からは、「7月1日の全員協議会では、議員全員寝耳に水だった。建物を栗原市のどこに建てるのか?市立の結核療養所があるのか?など疑問が出されたが、ほとんどこれからの協議だということで具体的にはわからなかった。市長も挨拶で帰ってしまい、栗原市として受けるかどうかもわからなかった。」登米市議からは、「登米市民もお世話になっている。登米市にとっても大切な問題。登米市民病院でもそうだが、病院赤字の最大の課題は医師の確保。」という意見が出されました。

私は、循環器・呼吸器病センターは瀬峰や登米の住民にとってはなくてはならない病院であり、存続のための検討が必要であると思いました。

追記

8月19日の保健福祉委員会で、この住民の声を届けました。医療整備課長は、「市の意向を確認して、この間行った説明会の意見を県北地域基幹病院連携会議に報告し判断する。」と答えました。私は地元住民の合意なしに進めないよう求めました。

 

東北新生園:地域に開かれた将来構想の検討・具体化を!

8月1日、日本共産党県議団と登米市議、栗原市議団、総勢12名で国立療養所東北新生園を訪問し、新生園の将来構想について、全医労新生園支部との懇談と、園及び自治会長さんとの懇談を行いました。東北新生園の入所者は71人、平均年齢は86歳とのことでした。

日本共産党県議団は、3年前の2013年8月にも訪問し、新生園と自治会・職員で作った将来構想の説明を受け、その具体化のための検討委員会設置を県議会で求めました。2014年12月26日に「東北新生園の将来構想を進める会」が開催され、これまで4回の会議が行われてきました。

今回、事務長さんの説明では、病棟を新しく建てる予算が27年度に通り、28年度設計、29年度着工、31年度完成予定で建設工事が行われるとのことでした。エネルギー棟、洗濯棟についても予算が付き、さくら財団からの寄贈でさくらの植樹が行われていました。一方、ニュージーランド村を参考にした陸上トラックや釣り堀などは、入所者が直接利用しないということで厚労省から認められず、整備は進んでいません。また、地域の方も活用できる介護施設や障がい者施設等についても、登米市に打診したら、進出事業者はいないと言われたとのことでした。

療養環境の改善のために新しい病棟が整備されることは朗報ですが、新生園の施設を地域に開放する構想の具体化が図れていないことが気になりました。2009年4月1日施行の「ハンセン病解決促進法」では、「地方公共団体の責務として、ハンセン病であった者の福祉の増進を図るための施策を策定し、実施する責務を有するとし、土地や施設を地方自治体や住民に提供できる」と定めています。全国では、これを受けて、特養ホームや保育所の建設が行われたり、全国13園中9園で一般外来の開放を行っています。新生園はいずれも行っていません。

自治会長さんは、「最後の一人になりたくない、この地に最期までいたい」と何度も繰り返しておっしゃっていました。地域に開放した施設にすることで、その願いをかなえることができます。また、労組の方からは、「入所者の方は年間10人くらいずつ亡くなられており、働くものとしては今後どうなるか不安。」との声がありました。地域に開かれた施設としての将来構想の検討・具体化が求められていると思いました。

追記

8月19日の保健福祉委員会で、東北新生園について取り上げ、入所者の療養環境の整備にめどはついたので、施設の開放について検討するよう求めました。疾病感染症対策室長は、「施設の共有は大きなテーマと認識している。今後は敷地内の散歩コースを開放して来園者を増やす」と答えました。私は、「それは大いに進めていただきたい。同時に、県がリーダーシップを発揮して、医療や介護施設としての開放を検討してほしい」と更に迫りました。室長は、「5回目の会議が秋に開催予定なので、その場で議論されるものと認識している」と答えました。