12月18日、多賀城市民会館で「みんなで考えよう!仙台港の石炭火力発電所建設計画」のシンポジウムが開催され、200人を超える市民が集まり、私も参加しました。
事業者は仙台パワーステーション。既に2015年6月に着工し、2017年10月に操業開始予定です。東北大学の明日香壽川教授は、「発電容量が11.2万kwで、国のアセス対象11.25万kwをぎりぎりで逃れ、仙台市のアセス条例ができる直前に認可されている。何度求めても、住民への説明も全くない」と述べました。
水戸部秀利医師は、東北電力の火力発電が石炭・重油からLNGやガス火力に転換してきて、2006年頃からSO2濃度が低下してきているのに、再び宮城の空気を汚して良いのか?と訴え、周辺環境や住民健康状況のモニタリング調査と公開が必要と指摘しました。広瀬俊雄医師は、大気汚染の健康影響について説明し、PM2.5の値の増加で喘息は悪化し、NO2濃度の上昇により気管支喘息の有症率が増加すると述べました。
また、気候ネットワーク東京事務所の桃井貴子氏は、「パリ協定」が発効し、世界は石炭の脱却に向かっている中で、日本は現在石炭火力発電所が48基建設あるいは計画が進んでおり、逆行していると指摘しました。
今回のシンポジウムには、日本共産党県議団から4名が参加。自民・県民の声・公明・社民・無所属の会からも県議が参加しました。県議会には、「宮城県に、仙台パワーステーション建設問題に関する公聴会の開催を求めます」という請願書が提出されており、今回参加した全会派が紹介議員となっています。
<塩竈市含む7自治体と既に公害防止協定締結>
仙台パワーステーションとは、宮城県・仙台市・多賀城市・塩竈市・七ヶ浜町・利府町・名取市の7自治体が今年の3月に公害防止協定を結んでいます。この協定には、「地域住民との環境コミュニケーションを積極的に推進する」ことも定められており、この立場で自治体が事業者に迫っていくことが求められています。一方、この協定は1970年代の公害防止協定を踏襲しており、CO2やPM2.5などは規制の対象に入っていないという問題点があります。
塩釜市役所の屋上には大気汚染の測定局がありますが、SO2については2001年以降、測定器が外されて測定されていません。11月議会で大内真理議員が、塩竈市や七ヶ浜町の測定体制の充実を求め、県は「前向きに検討する」と答えました。