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水道民営化から1年~水質汚濁の重大事故発生

2022年4月から宮城県で水道民営化が開始されて1年が経ちました。この間に大きな問題となったのは、昨年12月9日に発生した仙南・仙塩広域水道における「水質汚濁事故」です。

県の説明によると、「仙台市茂庭にある高区(こうく)調整池で電気通信設備の定期点検中に作業手順を誤ったことにより緊急遮断弁が閉止し、用水供給が停止した。速やかに遮断弁を全開して用水供給を再開したが、弁の開閉により送水管等に付着する濁質が水道用水に遊離したことから、濁度が一時的に上昇した」とのことでした。

事故の影響は仙台市、富谷市、多賀城市、利府町、塩竈市、七ヶ浜町、松島町に及び、松島受水点で濁度が県の基準を超えました。県は、「法定基準より厳しく定めた県の基準を超過したが、法定基準は遵守しており、健康上の問題はない」と言っています。この事故は、運営権者との契約にある5段階の要求水準違反のレベル3にあたる重大事故です。

2月定例会で福島かずえ県議がこの問題についてただすと、知事は「非常に反省しなければならない。コンセッション(民営化)の前から点検作業のマニュアルをしっかり作っていなかったので、県として大きな問題。本当に申し訳ない」と答えました。

//民営化した施設・設備の予算は議会にはかられず//

民営化後、運営権を売却した浄水場や浄化センター等の施設・設備の予算は、議会に報告されず、部分的にしか議会の予算審査ができなくなりました。命の水を県民の手に取り戻すためには、「再公営化」しかありません。