7月1日の保健福祉委員会で、初めての災害公営住宅入居者健康調査結果が報告されました。
・実施主体:宮城県及び14市町(仙台市、石巻市、塩竈市、名取市、登米市、東松島市、大崎市、亘理町、山元町、松島町、利府町、大郷町、涌谷町、南三陸町)
・実施期間:2015年9月~16年2月
・調査方法:郵送又は市町支援員等の戸別訪問による配布・回収
・回収率:配布・4952世帯、回収・3031世帯、回収率・61.2%、有効回答・5749人
調査結果概要 (災害公営住宅=公営、民間賃借上住宅=民賃、プレハブ 仮設住宅=プレ)
①応急仮設住宅以上に進む高齢化
65歳以上の独居高齢世帯の割合:公営24.6%、民賃14.4%、プレ22.7% (県平均10.8%)
65歳以上の高齢者の割合:公営44.4%、民賃24.9%、プレ41.7% (県平均高齢化率25.6%)
②高い「無職」の割合、無職とパート・アルバイトで57%
公営:無職43.0%、パート・アルバイト14.3%、会社員13.3%、主婦11.8%、学生8.8%
民賃:会社員27.5%、無職23.0%、パート・アルバイト13.0%、学生11.7%、主婦10.1%
プレ:無職34.8%、会社員18.3%、主婦11.1%、パート・アルバイト9.9%、学生8.2%
災害公営住宅の年代別「無職」の割合
20代19.7%、30代16.1%、40代22.8%、50代29.0%、60代44.9%、70代73.6%
⇒稼働年齢層も多く、実態把握を県に求めた。
③悪化する健康指標
1)健診受診率 :公営65.3%、民賃73.1%、プレ72.3%
2)現在病気がある人の割合 :公営56.5%、民賃37.9%、プレ53.3%
3)体調が「あまり良くない」「とても悪い」:公営22.6%、民賃15.5%、プレ19.8%
4)不安・抑うつ症状:K6が13点以上(支援が必要な程度の強い心理的苦痛を感じている)
:公営8.6%、民賃6.1%、プレ7.5%(厚労省の国民生活基礎調査では13点以上は4.4%)
5)朝又は昼からの飲酒:公営2.7%、民賃2.4%、プレ1.9%
④心配な孤立化
相談相手がいない:公営21.6%、民賃15.8%、プレ20.2%
応急仮設住宅でも高齢化や健康悪化、生活苦などが課題となっていましたが、災害公営住宅では更にこれらの問題が顕著になっています。見守りやコミュニティづくり、生活困窮者への支援など、更なる取り組みが必要です。