安心して住み続けられる島へ ~ 「浦戸に係る要望書」に対する宮城県の回答

8月12日に日本共産党の塩釜市議団と県議・天下で浦戸諸島をまわり、島民の要望をお聞きしながら現地調査を行い、要望書をまとめて8月24日に塩竈市、25日に宮城県に提出しました。11月7日付けで宮城県から回答書が届きましたので、以下、ご報告します。

<朴島地区>

①浮き桟橋を設置すること。島民の高齢化が進む中、船の乗降時に危険を伴うことが多く、高齢者でも安全に利用できる屋根付きの浮桟橋が要望されています。

【回答】建設海岸へ浮き桟橋を設置することは困難ですが、漁港区域などへ変更することにより、農林水産省所管の補助事業等を活用し、設置が可能となります。尚、区域の変更を行わず、市の事業等により設置する場合は、海岸施設に係る協議や技術的な支援を検討してまいります。               (土木部河川課海岸整備班)

 

②地震による岸壁の亀裂や隆起の補修を行うこと。

【回答】令和4年3月の地震により被災した箇所については、5月に災害査定を受け、工事の発注を行い、9月に施工業者と工事契約を締結しました。今後とも、早期の復旧に向けて取り組んでまいります。           (土木部河川課海岸整備班)

 

//野々島・寒風沢島の案内標識:令和5年度から再整備を順次進める//

<野々島地区>

③防波堤的役割を果たしていた野々島毛無崎地区の中ノ島・分銅島の崩壊により、台風や荒天時の沖波が直接港に押し寄せてくるようになった。島の崩壊箇所に消波ブロックを設置すること。

【回答】分銅島等崩壊箇所は、海岸保全区域外であることから、港湾管理者として保護する海岸が無いため、消波ブロックの設置は困難となります。尚、当該箇所の港につきましては、塩竈市管理の漁港となります。         (土木部港湾課建設班)

 

④市道浦戸線―吹越地域は大雨の際、胸まで水につかる状況であり、雨水を排水できるよう整備すること。側溝に堆積していた土砂を除去すること。

【回答】当該箇所における排水対策について、塩竈市と協議を行い、対応を検討してまいります。                     (土木部河川課海岸整備班)

 

⑤腐食して破損した「夜泣き地蔵・六地蔵」の案内看板を改修すること。

【回答】平成2年度から国が中心となり、東北各県に東北自然歩道(新奥の細道)の遊歩道コースの設定、整備を進め、浦戸諸島の桂島、野々島、寒風沢島を周遊するコース「菜の花と潮騒のみち」は、そのうちの1つとなります。

平成7年度に、案内標識、解説標識などを県が整備し、「夜泣き地蔵・六地蔵」の解説標識についても設置しました。案内標識等は老朽化が著しいことから、損傷が激しいコースから順次整備を進めてきており、令和元年から令和2年までには3島で一番損傷していた桂島の案内標識等の再整備を実施したところです。

野々島、寒風沢島の今回ご要望がありました案内標識等については、令和5年度から再整備を順次進めていく予定としております。(経済商工観光部観光政策課公園管理班)

 

//桂島海水浴場付近の側溝の土砂撤去、今年12月までに行う//

<桂島地区>

⑥大雨で桂島海水浴場の防潮堤前の水路に土砂が流出した。排水ポンプの日常的点検及び、側溝にたまった土砂を除去すること。

【回答】当該側溝については、港湾施設であることから、令和4年12月までに側溝の土砂撤去を行います。尚、排水ポンプにつきましては、塩竈市管理となっております。                            (土木部港湾課建設班)

 

⑦漁港の岸壁が高すぎて漁業活動や漁船の乗り降りに支障をきたしている。物揚岸壁に物揚用階段及び係船岸壁にゴム式階段を計画的に設置すること。

【回答】県管理漁港において、東日本大震災による地盤隆起などにより漁業活動に支障をきたしている箇所については、漁業関係者と調整の上、タラップを設置するなどの対応を行ってきたところです。

桂島漁港におきましては、現在のところ漁業関係者から直接当該要望は伺っておりませんが、改めて確認の上、必要に応じて対応を検討してまいります。                    (水産林政部漁港復興推進室漁港整備班)

 

//松くい虫対策:県と塩竈市で連携して取り組む//

<浦戸諸島全島> 

⑧計画的伐採とは別に、松くい虫被害木の緊急的・臨時的伐採を行うこと。

【回答】松くい虫被害木の伐倒駆除は、毎年11月に定期被害調査を実施しています。被害が確認された場合は、年度内に伐倒駆除(秋冬駆除)を行い、定期被害調査の後に新たな被害木が確認された場合などは、マツノマダラカミキリが羽化脱出する翌年の6月中旬までに伐倒駆除(春駆除)を行うことを原則としています。

浦戸諸島については、塩竈市が実施すべき区域が大部分を占めておりますが、今年になってから松くい虫被害を受けた「当年度枯れ」に加え、枯れてから年数が経過し白骨化した「通年度枯れ」が混在している状況です。塩竈市としても被害の状況は認識していますが、市の予算上の事情もあり、新たな感染源になる「当年度枯れ」の処理を優先して進めているとのことです。

一方で、今年度は、寒風沢島など離島部の被害調査を重点的に進めるという話も聞いていることから、引き続き、県と塩竈市で連携しながら、松くい虫被害木の適正な処理に取り組んでまいります。         (水産林政部森林整備課森林育成班)

 

寒風沢漁港改修、曽我ミヨ市議が塩釜市議会で質問

9月議会で曽我ミヨ市議は、令和3年の地震で補修した寒風沢漁港の岸壁が、令和4年3月の福島県沖地震でも亀裂が入ったことから、「同じ復旧工事ではまた同様の被害が起きることになる。杭打ちなど抜本的な改修工事が要望されている」と市に求めました。

水産課長は「災害復旧については、基本は現況復旧になる。相談しながら検討していきたい」と答えました。

また、漁港の岸壁が高すぎて漁業活動や漁船の乗り降りに支障をきたしていることから、①物揚用階段及びゴム式階段の設置や、岸壁ができるまでの期間使用するものとして設置した②「小型漁船の仮係留場所」の恒久的な使用を要望しました。

水産課長は、「①については島民の方々と設置場所等も含めて、研究・検討させていただきたい。②については、現在、ご利用いただいている方々のお話を承りながら、今、どういった施行法ができるのかも含めて、県にも相談しながら検討したい」と答えました。

 

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