月別アーカイブ: 2025年3月

議会最終日、意見書をめぐって 「選択的夫婦別姓の導入」vs「旧姓の通称使用の法制化」で大攻防

共産党県議団は、自民党提案の「旧姓の通称使用の法制化」については、今以上の煩雑な手続きを事業者や各個人に強いる恐れがあり、姓名は人格権の大事な一部だとして反対し、「選択的夫婦別姓」を導入すべきと討論を行いました。

結果、「選択的夫婦別姓の導入」には、県民の声・共産・公明・立憲無所属クラブ・維新の6会派が賛成しましたが、自民・21世紀クラブ等の反対で否決され、「旧姓の通称使用の法制化を求める意見書」が可決されました。

 

<共産党県議団が提案した意見書>

「食料の安定供給及び食料自給向上に向けた対応強化を求める意見書案」は、自民党が一部修正し、全会一致で可決されました。

「高額療養費の自己負担限度額の見直し中止を求める意見書案」及び「診療報酬・介護報酬引き上げの臨時改定を求める意見書案」は、自民・公明・維新・21世紀クラブの反対で、政調会長会議で「不調」となりました。

“子どもの心のケアハウス” 市町村への支援継続を求める(文教警察委員会にて)

「みやぎ子どもの心のケアハウス」は、学校への登校に不安や困難を抱えている児童生徒の社会的自立に向けて、教育相談や別室登校・家庭訪問による支援、学習支援等を行うものです。現在、34の市町村が設置・運営し、県が財政支援を行っています。利用者は年々増加し、2023年度の支援児童生徒数は延べ13026人、保護者相談人数は延べ7830人に上っています。

ところが、宮城県は2026年度に向けて市町村への財政支援のあり方を検討するとしており、市町村から強い継続の要望が出されています。財源は国の被災者支援総合交付金とみやぎこども育英基金等で構成されています。

天下みゆきは文教警察委員会で、事業が継続できるよう、財源確保に向けて国及び県の財政当局と本気で折衝するよう求めました。教育長は、「子ども家庭庁とも折衝中である。県の財政当局とはいつまで支援できるか、来年度中に調整したい」と回答

女川を使用済核燃料の最終保管場所にするな

再稼働した女川原発2号機の使用済み核燃料を「一時的」に保管する乾式貯蔵施設の設置について、天下みゆきの論戦で以下のことが明らかになりました。

ひとつは、保管が「一時的」である保証について、知事は「国の第7次エネルギー基本計画に、乾式貯蔵施設の使用済み燃料は、六カ所再処理工場へ搬出するという方針が明記されたので一時的だ」としていることです。しかし、六カ所再処理工場は昨年8月に27回目の工事延期を行い、いつ稼働するのかわかりません。

「最終保管場所にさせない」と言えない村井知事

2つ目は、天下みゆきが「女川原発を使用済み核燃料の最終保管場所にさせないという意思は知事にあるのか」と問うたのに対し、知事は「国が一時的と言っているので、最終保管場所にはならないと思っている」と、他人事のような答弁をしました。「最終保管場所にさせない」という知事の決意はありませんでした。

3つ目は、乾式貯蔵施設設置に対する同意の可否について知事が判断する前に、県民と県議会の意見を聞くことを求めましたが、知事は「意見を聞く」とは答えませんでした。意見を聞かずに「同意」すれば、民主主義の大問題です。

女川を使用済み核燃料の最終保管場所にしないためには、乾式貯蔵施設の設置はやめて、女川原発2号機の稼働を止めることです。

物価高騰に苦しむ中小業者に賃上げの直接支援を

宮城県の企業の99.8%が中小企業で、従業員数の86.1%が中小企業で働き、地域経済を支えています。天下みゆきは、「中小企業は自己努力だけでは賃上げは難しいのが実態だ」として、岩手県の物価高騰対策賃上げ支援金事業を紹介し、「宮城県も賃上げ支援を行うとともに、国にも要望せよ」と求めました。

経済商工観光部長は、「物価高騰対策賃上げ支援金については、賃上げを促す施策の1つと認識しているが、他の様々な事例も含めて研究を進め、必要に応じて国への要望も検討する」と答えました。

<岩手県物価高騰対策賃上げ支援金>

■2023年12月補正:時給50円以上の賃上げを1年間継続して実施することを条件に、従業員1人あたり5万円、最大100万円・20人分支給。事業費は21億円(一般財源が14億6400万円余、地方創生臨時交付金が6億3500万円余。

24年度の支給件数・2889件、支給人数・20313人、支給額・10億1535万円

■2024年12月補正:時給60円以上の賃上げを条件に、従業員1人あたり6万円、最大300万円・50人分に拡充。

 

県民に寄り添う県政への転換求めて代表質問(2/19)

人口減少対策に逆行する村井県政の「富県戦略」

宮城県は2025年度当初予算の重点項目の1番目に「人口減少対策」を打ち出しました。

【天下みゆき】 2月12日にNHKで放送された、江戸時代・米沢藩の上杉鷹山(ようざん)は赤子(あかご)養育政策(いわゆる子ども手当)と高齢者等への地域福祉の充実、結婚した若者に土地を与えて3年間の年貢を免除する政策で、領民のふところを暖め、新たな産業の創出―養蚕と「米沢織」で地域経済の振興を図り、人口をV字回復させた。鷹山の信念は「領民みなが富めば、おのずと人も増えよう」でした。上杉鷹山の人口減少対策についての知事の所見は?

■【村井知事】 すばらしいと思います。

【天下みゆき】 一方、村井知事の人口減少対策は、人口減少を口実に県立病院や県営住宅等の縮小・廃止などを進めて県民に不安を与え、学校給食無償化など多くの子どもに関わる子育て支援は「国がやること」とそっぽを向き、従業員の86%を占める中小企業や農林水産業への支援が乏しい。これでは県民は豊かになれません。上杉鷹山の「領民みなが富めば、おのずと人も増えよう」の教えに逆行するのが村井知事の富県戦略でないか。

――村井知事は「大きな考え方としては同じ方向を向いている」と開き直りました。

 

子育て支援策に本気になって取り組め!

宮城県は、「新・宮城の将来ビジョン」で4本柱の1つに「社会全体で支える宮城の子ども・子育て」を掲げてきましたが、合計特殊出生率は1.07と5年続けて過去最低を記録して全国ワースト3位、県民意識調査では「子ども・子育て環境の整備」が3年連続「不満群」の第一位でした。

天下みゆきは、就学前までの2分の1補助にとどまっている子ども医療費助成の拡充や、学校給食無償化への支援を求めましたが、保健福祉部長教育長は、「国に要望する」「国の動向を注視する」と、県民や市町村の願いに背を向けました。

また天下みゆきは、東北最低となっている私立高校経常費助成単価の引き上げや、教員定数を割る「未配置」を年間通して解消するため、抜本的な教員の増員と教育予算の拡充を求めました。

 

会計年度任用職員 再任用上限一部撤廃へ

天下みゆきは、安定雇用が人口減少対策に欠かせないとし、県の会計年度任用職員について再度の任用は2回までとされていた更新回数の上限撤廃を求めたところ、知事は「来年度、一部の職について撤廃する方向で現在詰めの調整中」と回答しました。一歩前進です。