日別アーカイブ: 2025年12月15日

前進しました:「公立学校教員特約退職制度」の年齢制限撤廃―11月から実施

宮城県教育委員会は、家庭の事情等によりやむを得ず一時離職する教員に対して、県独自の制度として「特約退職制度」を設けています。育児や介護等の事情により特約退職した教員は、再度採用される際の選考において筆記試験や実技試験を免除するなど、復職しやすい制度となっています。

これまで特約退職の対象者は45歳未満に限定されており、労働組合から年齢制限撤廃の要求が出されていました。天下みゆきは2025年3月の文教警察委員会で取り上げ、担当課長から「具体的な見直しに向けて検討を進めている」との回答を得ていました。

この度、「取扱要綱」が改定され、11月1日から年齢制限が撤廃されました。

前進しました :「医療的ケアを行う看護師」―会計年度任用職員の再任用上限撤廃実現!

 天下みゆきは、2025年2月の代表質問で、会計年度任用職員の再度の任用は2回までとされていた更新回数の上限撤廃を求めました。10月21日の文教警察委員会で、再度質問したところ、担当課長から、「医療的ケアを行う看護師」について、特別支援教育課から協議の要請があり、承認して延長の手続きをとった」と回答がありました。

スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーも子どもや教職員との関係で継続性が重視されますが、今年は「公募の予定」との回答でした。引き続き要望していきます。

11月議会で確認された宮城県の物価高騰対策の主な事業(抜粋)

  • 生活者支援:「低所得世帯支援事業(事業を行う市町村への支援)」、「私立学校・県立学校給食食材価格高騰対策事業」、「高等学校等就学支援事業」、「特別支援教育就学奨励充実事業」、「フードバンク支援事業」、「子ども食堂運営支援事業」、「ひとり親世帯支援事業(事業を行う市町村への支援)」、「LPガス料金負担軽減支援事業(値引きする販売事業者への支援)」
  • 中小企業等の事業者支援:「水産加工原料価格高騰対策事業」、「製造業者省エネルギー設備等導入支援事業」、「酒造事業者物価高騰対策事業」「観光事業者等支援事業(遊覧船等)」、「中小企業等再起支援事業」、「交通事業者等支援事業(乗合バス、タクシー、運転代行等)」、「貨物運送事業者支援事業」など。
  • 医療機関・社会福祉施設への支援

・医療機関等物価高騰対策事業(病院・有床診療所・無床診療所・訪問看護ステーション・助産所・施術所・歯科技工所、保険薬局)。医療機関賃上げ・物価高騰対策支援事業。

・高齢者施設・障害福祉施設への光熱費高騰に伴う支援事業、省エネルギー設備等導入支援事業、介護分野・障害福祉分野の職員の賃上げ支援事業など

水産加工業者に寄り添った支援を求める

<「水産加工原料価格高騰対策事業」について>

11月議会で確認されたこの事業は、物価高騰や海洋環境の変化に伴い、水揚魚種の変化や原材料不足、価格高騰に直面している水産加工業者を支援するもので、以下、2つの事業があります。

❶加工原料転換を図る取組を支援する事業――補助上限500万円、補助率1/2以内で、旅費や研究開発費、加工資機材等導入経費などを補助。

❷加工原材料の価格上昇分の1/2以内、上限100万円を補助。令和7年度と6年度の決算書等の原材料仕入れに関する実績をもとに判断する。

天下みゆきは、「新たな加工原料の情報がない」という事業者の声を紹介し、「加工原料転換のセミナー」開催や企業訪問等による情報提供を行うこと、申請書は簡便な様式とすること、県内の全ての水産加工業者への周知など、事業者に寄り添った支援を求めました。

<外国人技能実習生の住居確保支援を>

水産加工業に関する塩釜商工会議所の要望書に、外国人技能実習生の住居確保支援として、アパートの借上げ支援や家賃補助、空き家活用など、住居環境整備策の充実を求める要望が出されました。県が「水産業従業員宿舎整備事業」を行っていますが、宿舎整備まではできない事業者も多くいることから、天下みゆきは、関係市町村とも連携して支援策の検討を求めました。

村井知事は、「2015年度から20年度まで実施していた「水産業従業員宿舎整備事業」を一旦止めていたが、要望が多かったので今年度から再開した。今後も事業者への聞き取りや関係市町や団体等の意見交換を行ってなるべく柔軟に対応したい」と答えました。

<金利上昇による中小企業の経営圧迫に対する対策を>

塩釜のある社長さんから、「金利上昇による負担が利益を上回り、赤字になる。中小企業は金利の支払いを一定期間据え置くなどの措置がないと、ばたばた潰れる」と危惧を訴えられました。天下みゆきは、金利の上昇は、震災後の借入金やコロナ禍でのゼロゼロ融資等の返済に追われる水産加工業者はじめ、中小企業の経営を圧迫する危惧があると、銀行への働きかけも含めて対策を求めました。

経済商工観光部長は、「ゼロゼロ融資の借り換えにも活用できるメニューとして、今年度、『協調支援型特別資金』を創設するなど、県内中小企業者に対する資金面での支援を行ってきた。また、経営力の強化が必要となることから、価格転嫁に向けた支援に加えて、販路開拓や生産性向上、新商品開発など、新たな取組に要する経費も補助する」、「資金需要が増大する年末に向けて、例年、金融機関に対して制度融資の活用や、借り換え条件変更による返済の緩和など、事業者の実情に応じた柔軟な対応について、文書で要請しており、今年度も行ったところだ」と答弁しました。

塩釜港の港湾計画 水深9mの実現と「にぎわい空間」づくりを・・11月議会予算総括質疑より

仙台塩釜港の次期港湾計画策定に向けた「環境調査」の予算が出されました。天下みゆきは、「東日本大震災や気候変動などによる海洋環境の変化があり、海生生物への影響が危惧される。調査にあたっては、各地域の漁業関係者と共有して進めるよう」指摘しました。

村井知事は、「関係する漁業協同組合に事前説明を行ってご理解ご協力をいただきながら実施したい。県としては、生息生物の分布や近年の魚種変化などについて、漁業関係者からヒアリングを行うとともに、調査状況についても丁寧に説明しながら調査を進める」と答弁しました。

<水深9mの確保は塩竈市70年来の悲願>

塩釜港の水深9mの確保は、1955年の港湾計画に位置づけられて以来、なんと70年間具体化されていないことがわかりました。天下みゆきは、港湾計画の策定にあたっては、水深9mの航路及び岸壁を実現して、減少している取扱い貨物量を増加に転ずること、また、塩釜港を観光交流の拠点港湾として発展させるために、中型・小型クルーズ船の誘致や、港奥部の北浜緑地公園と海水面を活用して、例えば水上レストランを行うなど、マリンゲートも含めて「にぎわい空間」づくりを県と塩竈市と民間が協力して進めることを求めました。

土木部長は、「長期構想委員会の議論を踏まえながら、引き続き塩竈市や港湾関係者と連携し、今後の港湾計画の改定に取り組む」と答弁しました。

 

中小企業への賃上げ支援を

2025年度の宮城県の最低賃金は、65円引上げて“時給1038円”となりましたが、中小・小規模事業者にとっては賃上げの原資をつくることが大変です。天下みゆきは、「岩手県や徳島県、奈良県、群馬県、茨城県では中小企業への賃上げの直接支援を開始した。宮城県も踏み出すべき」と求めました。

経済商工観光部長は、国や県が行っている価格転嫁対策や生産性向上等の補助金の活用を促し、中小企業の経営基盤の強化に取り組むと、賃上げ支援には後ろ向きでした。

医療・介護の経営危機打開を!

<宮城県公立病院の2024年度決算―“89%が赤字”>

宮城県内の公立病院(市町村立病院・25、県立病院・3)全体の2024年度決算の結果は、28病院中25病院―89%が赤字で、赤字額合計が▲110億円を超えるという驚異的な結果でした。民間病院も同様に苦戦しています。

介護事業所の経営も深刻です。ある社会福祉法人では、電気代や食材費、おむつなど介護用品、清掃等の業務委託費などが、前年比で20%も上がって経営を圧迫しているとのことでした。

天下みゆきは、経営危機の打開は一刻の猶予も許されないと指摘し、診療報酬・介護報酬を速やかに引き上げるよう、再度、国に強く求めること。また、県としても物価高騰対策を直ちに実施するよう求めました。

保健福祉部長は、「全都道府県の総意の下、全国知事会を通じて、物価や人件費の上昇に応じて適時適切に診療報酬等をスライドさせる仕組みなどを国に強く求めてきた。診療報酬等の改定の議論を注視し、今後も、適宜、国に対して必要な要望を行うとともに、国の補正予算等の活用も視野に入れ、物価高騰対策や経営支援に取り組む」と答えました。

尚、宮城県議会は6月定例会で、「診療報酬及び介護報酬の引上げを求める意見書」を全会一致で可決して国に送っています。

 

<医療・介護における「人材紹介会社」の問題>

人手不足に苦しむ医療機関や介護事業所にとって、大きな負担となっているのが人材紹介会社の手数料です。年収の約3割と高く、ある法人では年間4000万円もの手数料を支払っているとのことでした。

そこで天下みゆきは、①県として「人材紹介会社」の実態把握を行うこと、②医療・福祉分野では紹介手数料の上限引き下げと、ハローワークの活用を促す施策を国に求めること、③県や関係機関が実施する「みやぎメディカル・キューピット事業(医師)」や「宮城県ナースセンター(看護師等)」、「宮城県福祉人材センター(介護職等)」の機能強化をはかることを求めました。

【保健福祉部長の回答】

①⇒今後県としてどのような対応が可能か、国や関係機関と協議しながら検討する。②⇒ハローワークの取り組みの強化を国に求める。③⇒県や関係機関が実施する無料職業紹介事業の認知度を高め、より多くの就業に結びつけることができるよう、相互の連携を強める。

 

<介護職員への家賃支援事業を>

介護職員の人材確保と定着をはかるために、川崎市や花巻市などでは家賃支援事業を行っています。天下みゆきは、宮城県も市町村と連携して、介護職員の家賃支援事業を行うよう求めました。保健福祉部長は、「市町村や介護事業者など関係者の意見を聞いて、介護人材の確保・定着に向けた県の支援のあり方を検討する」と答えました。

「特別支援学校体育館へのエアコン設置」に前向き答弁

体温調整が困難な子どもたちも学ぶ特別支援学校の体育館へのエアコン設置は喫緊の課題です。昨年度、国において、避難所に指定されている体育館への空調整備を対象とした臨時特例交付金制度が、2033年度までの時限措置として創設されました。補助率は1/2です。

天下みゆきは、既に避難所に指定されている特別支援学校7校の体育館については、速やかにエアコンを設置すること。また、未だ避難所に指定されていない14校については、市町村と連携して避難所に指定し、1日も早いエアコン設置を求めました。

教育長は、「臨時特例交付金制度の活用を視野に入れながら、特別支援学校体育館へのエアコン設置について検討を進めるとともに、特別支援学校や市町村の個々の事情に留意しながら、避難所指定の協議についても進めたい」と答弁しました。

子どもも先生も安心できる学校に(9月議会、一般質問から)

<不登校の児童生徒数の増加と教員の多忙化>

不登校の児童生徒数は全国で2011年度以降急増し、23年度の宮城県の不登校の出現率は、全国で最も厳しい状況となっています(表参照)。

教員の多忙化も深刻で、県立高校や中学校では1/4を超える教職員が、過労死ラインである月80時間超えの時間外勤務を行い、長時間勤務の中で病気休職者数が増加し、うち精神疾患が65%に上っています。

天下みゆきは、「学校があまりにも忙しすぎてストレスの多い場所になっているのでないか」と指摘しました。

<全国学力テスト―「市町村のデータ公開」をするな!>

天下みゆきは、全国で忙しすぎてストレスの多い学校を生み出した原因として、1つは、学習指導要領の標準授業時数を増やしてきたことだと指摘し、27年度の改訂に向けて授業時数を減らすことを文科省に要請するよう求めました。

もう一つは全国学力テストについて、第二次安倍政権が抽出から悉皆方式に変えた後に不登校の子どもが急増したこと、都道府県間の順位付けで、平均点を1点でも上げる競争が目的化され教育を歪めていること、国連子どもの権利委員会も「競争的な日本の教育環境を改善するよう」日本政府に勧告していることを指摘して、全国学力テストの廃止あるいは抽出調査への移行を文科省に要請するよう求めました。

また、学力テストに関する同僚議員の質問に対して教育長が、「市町村のデータも公開する」と答弁したことについて、天下みゆきは「市町村間、学校間に序列をつけて競争をあおることになる」と、発言の撤回を求めました。教育長は、「市町村教育委員会の優れた取組事例等をホームページ上で紹介し、県全体の学力向上や授業改善につなげたい」と答えました。天下みゆきは文教・警察委員会でも、「市町村ごとの平均点数の公開などは決して行わないよう」、重ねて強く要請しました。

<速やかに中学2年生・3年生も35人以下学級へ>

国は26年度から中学1年生の35人以下学級を実施しますが、宮城県は既に1年生は実施済みです。天下みゆきは「26年度から2年生を実施すべき」と求めましたが、教育長は、「教員確保の難しさ」を理由に、国の方針通り(27年度に2年生、28年度に3年生)に取り組むと答えました。仙台市は既に24年度から小中学校全学年で35人以下学級を実施しています。

<不登校状態にある家族の介護休業制度の周知を>

今年1月の国通達等により、介護休業制度がひきこもりや不登校の状態にある家族にも使えることが明示され、天下みゆきは県民や事業者への周知を求めました。

経済商工観光部長は、「宮城労働局と連携しながら、ウェブサイトによる情報発信や企業向けセミナーの開催などを通じて、県民や事業者への周知に努める」と答えました。

【介護休業制度のしくみ】

2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態にある家族を介護するための休業で、最長93日までの休業が認められており、休業期間中には、雇用保険の介護休業給付金として、原則として休業前賃金の67%が支給されます。