県民の「いのちの水」を売り渡すな!

上工下水3事業の運営権売却、自民・公明等が強行可決

 ◎運営権設定議案      賛成33、反対18、棄権3  

 ◎手続き凍結を求める請願  賛成19、反対35

  上工下水3事業の運営権を民間企業に売却する「みやぎ型管理運営方式」、たった6回の住民説明会の217人の参加をもって、宮城県は説明を尽くしたとして6月議会に運営権設定の議案を提出、自民・公明等の賛成多数で強行可決しました。

天下みゆき議員は6月25日の一般質問で、その問題点をただし議案の取り下げを求めました。

//問題だらけのみやぎ型管理運営方式//

①浄水場等の管理運営を仕切るのは外国資本のヴェオリア

優先交渉権者となったメタウオーターグループは、特定目的会社(以下、SPC)を設立するとともに、浄水場や浄化センターの運営管理業務を委託する会社(以下、OM会社)を別会社として立ち上げました。

議決権株式保有割合は、SPCではメタウオーターが過半数を占めて代表企業となりましたが、OM会社は外国資本のヴェオリア・ジェネッツが51%を占めました。SPCは20年で解散しますが、OM会社は20年以上将来にわたって外国資本が実権を握り、宮城県での影響力を強めようとしています。

宮城県は、水質検査や経営状況のモニタリングを行うことを、SPCとは実施契約書等で決めていますが、OM会社とは何の契約も結んでいません。

〔天下議員〕OM会社の経営状況はどのように確認するのか。

〔公営企業管理者〕OM会社の財務諸表や財務指標の報告をモニタリング計画に位置付けることにより、県が継続的に監視できるしくみとする。

〔天下議員〕そのことは、県とSPC,SPCとOM会社との契約書に明記するのか。

〔公営企業管理者〕契約書に入れる。

*ヴェオリア:フランスに本社をおく世界の水メジャー。世界各国の水道事業に参入したが、水道料金の高騰や不透明な経営実態などが批判され、再公営化の流れが広がっている。

 

②情報公開に耐えられない取扱規定

県は、SPCが提出した情報公開取扱規程について、県情報公開条例の趣旨に沿って作成したと言っていますが、肝心な文言が違っています。SPCの規定では、「企業経営上の正当な利益を害するおそれがあるもの」は不開示としていますが、県の条例では、「正当な利益が損なわれると認められるもの」が不開示と規定しています。

〔天下議員〕SPCが「おそれがある」と判断すれば、いくらでも開示を拒否することができるのではないか。

〔公営企業管理者〕不開示判断がなされた場合は不服申し立てが可能で、その妥当性の判断は、親会社の法務部門や顧問弁護士が行い、客観性を担保した対応がなされる。

〔天下議員〕「おそれがあるもの」について答えていない。また、顧問弁護士は会社の利益擁護の代弁者だ。このままの規定では情報公開に耐えられない。

 

③更新投資削減の根拠を示す計画書はできていない

そもそも県は2018年3月に行った試算で、今後20年間で管路等が1080億円、設備が880億円、合わせて1960億円の更新投資が必要と説明し、「このままでは水道料金の上昇は避けられない」と言っていました。ところが、今回のコスト削減額は、結局、管路の更新投資は約6割に減り、設備投資が半額になりました。おまけに県は「管路の本格的な更新は20年間行わない、ピークは30年後から40年後だ」と言っています。

〔天下議員〕20年間の契約期間終了後に、更新投資が大幅に増加し、水道料金の上昇につながることはないか。

〔公営企業管理者〕事業終了時に、開始時と同等の健全度を維持することや、経営審査会で5年ごとに行う改築計画書の見直しについて審議しながら進めるので、多額の更新費用が発生することはない。

〔天下議員〕改築計画書や健全度調査計画書はまだできていない。今回、運営権を設定することは、更新投資の根拠を示せないまま契約を決めることになる。

 

④議会審議から外れ、下請け業者買いたたきの恐れも

「みやぎ型」に移行すると、水道事業は県の予算・決算から抜け、監査対象からも外れ、県議会の議決が5年に1回の料金改定時のみとなります。県は対応策として、毎年、県議会に報告する旨の条例案を今議会に提出しましたが、あくまで「報告」でしかありません。

天下議員は、「みやぎ型」への移行は、主権者である県民の参加と監視という民主主義の大事なしくみを壊すものだと厳しく批判しました。

また、SPCが行う契約は、「民間と民間」との取引となります。

〔天下議員〕関連企業への高値発注や、下請け工事業者の買いたたきが横行する懸念があるが、どのようにチェックするのか。

〔公営企業管理者〕県として適切に契約状況を確認し、SPCが法令違反した場合には、県は実施契約書に基づき是正を求めることができる規定としている。

〔天下県議〕違反がわかったら県が指導するのは当たり前だ。法令違反をどうやってチェックするのか聞いている。

※公営企業管理者は同じ答弁の繰り返しで、法令違反のチェック方法については答えられませんでした。

 

⑤資格取得で虚偽申告

メタウオーターサービス(代表企業の子会社)が2019年2月4日に、水道施設管理技士の資格を持つ社員264人のうち、116人の資格取得に必要な現場実務経験を実際より多く申告していて、日本水道協会から厳重注意を受けて、該当職員は資格を取り消されていたことがわかりました。

〔天下議員〕資格取得の虚偽申告をするような会社が入っているところと契約してよいのか。

〔公営企業管理者〕把握していないが、適格条項を調査し、適正であると判断している。

〔天下議員〕把握していないのに適正であるとする意味がわからない。再度チェックすることを求める。

 

//ねらいは民間企業のビジネスチャンス//

天下議員は、2017年3月に東京で村井知事が行った講演を取り上げました。

講演で知事は、「とにかく民間事業者がやりやすいようにすることや、事業スキームの構築はスピード感をもって一気に行うこと」を最初に指示したと述べています。

〔天下議員〕まさにそのようにやってきたと感心した。民間事業者がやりやすいように、PFI法を使って情報公開を制限し、契約書も民間事業者のリスクに配慮し、県民への説明も十分に尽くさず、意見も十分に聞かず、スピード感をもって進めてきたのではないか。

〔村井知事〕私がそのようにお話したのは事実です。狙いは適正な競争をさせるために、多くのグループ企業が参画したくなるようなものをぜひ作ってほしいと言いました。

 

また講演で知事は、「みやぎ型」実現の意義として「民間事業者の新たなビジネスチャンスの創出」と述べ、市町村への展開を検討する理由は、「水源から蛇口までを一体管理することにより民間の投資対象として魅力が増すため」と述べていました。

〔天下議員〕知事は、民間企業のビジネスチャンスに応えるためにこの事業を行い、市町村にまで展開しようとしているのか。

〔村井知事〕国鉄や電電公社を民営化したときも大きなビジネスチャンスが生まれ、厳しい競争原理が働き、結果として国民の利益につながった。

 

更に講演では、2016年に商社などの投資家やシンクタンク、金融機関、そしてヴェオリア・ジャパンなどの水企業も入った懇話会や部会を、知事が「非公開」で開いてきたことも紹介されています。

〔天下議員〕こうやって「みやぎ型」の道筋を作ってきた。最初の段階から知事に決定的に欠けているのは、「県民参加」と「県民の視点」だ。今回、請願署名が1万9449人分出されているが、どのように受け止めるか。

〔村井知事〕1万人超えの人が疑問を持っていると受け止めている。非常に多くの県民は理解していると思っている。

〔天下議員〕県民の多くはほとんど内容を知らず、このまま強行すれば、後世に禍根が残る。議案は取り下げ、県民への十分な説明とパブリックコメントの再度の実施を求める。

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