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いじめ・不登校等調査特別委員会:「おおがわら子どものこころのケアハウス」視察

5月10日、県議会いじめ・不登校等調査特別委員会で「おおがわら子どものこころのケアハウス(2016年4月開始)」を視察しました。

ここは、大河原町立小・中学校に在籍する児童生徒を対象に、①家に引きこもっている子どもには家庭訪問で、②学校には登校できないが、ケアハウスに来ることができる子どもにはケアハウスで、③学校に登校できるが、教室に入ることができない子どもには別室で、それぞれ心のケア及び早期学校復帰支援と学習支援を行っています。更に、大河原町の特徴だそうですが、④学校に登校でき、教室にも入れるが、学習面に課題を抱えている児童生徒に対して、土曜日や長期休業中に学習の場を提供し、学習の定着に応じた学習支援をしています。

不登校や発達障害の子どもを抱える保護者には、教育相談や、必要に応じてSCや医療機関の紹介、経済面で困難を抱える保護者にはSSWとの面談を設定して、生活保護や就学援助の支援をしています。また、各校のケース会議に参加し、個々の児童生徒にあった支援策を策定するとともに、組織的・計画的な取組を支援するなど、学校への支援も行っていました。

職員は、所長、スーパーバイザーなどスタッフ7名。プラス土曜学習会と長期休業日の学習支援に、宮城教育大学生等の支援員4~5名が配置されています。

<あせらず、対応は素早く>

2016年度は、土曜学習会が合計34回で、参加者は延べ839人、夏休み・冬休み学習会は21回、870人の参加でした。別室登校者の半数以上が、3学期には教室に戻り、3年生は高校受験して進学したそうです。ケアハウス通所者も登校や保健室登校を開始した子どももいました。

まず、子どもや保護者との信頼関係の構築から始めている、引きこもりの子どもの送迎、昼間外に出られない子どもは夕方5時半に迎えに行って、ご飯を食べさせてから勉強を始めるなど、一人ひとりの子どもの状況に応じた、きめの細かい対応がなされていると思いました。スーパーバイザーの方の「あせらず、対応はすばやく」という言葉が印象的でした。

課題は、中学校卒業後、進学も就職もしない子どもたちへの支援ということでした。この事業は、宮城県の東日本大震災子ども育英基金による事業ですが、5年後の財政的保障がなく、職員の契約は1年単位とのことでした。子どもへの支援は長期間にわたるものであり、国や県の安定的な財源保障が重要です。

塩釜の水産関係者訪問=後継者・従業員確保が課題

428日、曽我市議と一緒に塩釜の水産関係者を訪問して、課題や要望をお聞きしました。

 わかめの養殖をしているAさんは、種苗の生産現場を案内してくださったあと、「後継者確保のために水産特区は賛成だった。掛け違えたボタンをなおして、もう一度自分の足元や将来を考えないといけない」と話していました。

 

 水産加工業のBさんは、「震災から6年経ったが、売上回復はまだ7割。一方で、震災の優遇措置が終了して固定資産税などコストが増えた。円安政策による原材料の高騰や漁獲量の低下もコストを上げている。従業員確保のために企業内保育所を検討中」と話していました。

 塩釜市漁協の阿部組合長は、何とかやりくりして黒字にしているが、課題は高齢化と後継者の問題と言います。「養殖の支柱として使っている孟宗竹を『コンポーズ』に変えたい。竹は2年で差し替えが必要だが、竹を切る人もいなくなっている。コンポーズは10年くらいもつ。問題は1本が2万7千円と高く、5年計画で導入したいが行政から補助がほしい」と要望が出されました。

 

4/21 カキ流用問題で委員会が全員一致で再調査要求

 水産特区制度の適用を受けた桃浦かき生産者合同会社(石巻市)のカキ流用問題について、県は421日の県議会環境生活農林水産委員会で、「流用はブランド意識に欠けるが法令違反はなかった」という調査結果を報告しました。議員からは、「パック表示は問題なくても量販店の売り場には『桃浦産』のノボリ旗があった」、「親会社の仙台水産の関与も含めて調査すべき」、「合同会社が水産特区や補助金申請時に提出した事業計画と経営実態に整合性がない」などの意見が出されました。委員会では全議員(自民・民進党系・共産・社民)の一致で再調査を宮城県に要請し、519日の次回委員会でも流用問題を継続して議論することを確認しました。

 村井県政の水産特区の検証も必要です。

国保の都道府県単位化=「住民が払える国保税」へ

2018年4月から始まる国民健康保険都道府県単位化に向けて、宮城県の運営方針案の説明を受けました。

<国保の都道府県単位化で何が変わるのか?>

◆保険者(運営主体) 市町村 ⇒ 宮城県+市町村

◆県の役割:国保の財政運営の責任主体

・市町村ごとの納付金を決定し、納付金算定に必要な標準保険料率を示す。

・市町村事務の標準化・効率化・広域化

・財政安定化基金の設置と貸付・交付、etc.

◆市町村の役割:資格管理、保険給付、保険料(税)の賦課・徴収、保健事業

・県が定めた納付金を全額納付

・県が示した標準保険料率を参考に保険料率を決定、etc.

 

<「無職」の割合45.8%、保険料の「法定軽減」割合52.5%

県全体で国保世帯主の職業(2015年度)は、「無職」45.8%、非正規雇用等の「被用者」23.3%、「自営業」12.4%、「農林水産業」4.0%です。「無職」は2008年度32.6%でした。7割・5割・2割など保険料の法定軽減世帯割合(H26年度)は県全体で52.5%と半数を超えています。2009年度は41.4%でした。年々、無職者や保険料の軽減が必要な低所得世帯が増えていることがわかります。

 

<宮城県の運営方針案と私の提言>

①国民皆保険の趣旨から、いつでも、どこでも、誰でもが保険証1枚で必要な医療が受けられることと、能力に応じた負担が基本だ。住民が払える保険料にすることが大事だと思うがどうか?

⇒(保健福祉部長)制度の趣旨は生かすべき。負担も適正な負担となるようにしたい。

②市町村でため込んでいる財政調整基金(以下、基金)を国保税引き下げや低所得者対策に使うよう、市町村に助言・指導せよ。

平成27年度末の宮城県内の市町村の基金は全体で194億6636万円にのぼり、被保険者1人当たりで3万4764円となります。この額は、全国平均の9,322円の3.7倍にあたり全国ダントツ1位です。宮城県から15%ためよと言われたという市町村の話もあり、県の指導の是正を求めました。

③「応益割と応能割の割合」が現状と逆転、応能割を増やせ

県は、標準的な保険料率や納付金の算定方式について、応益割と応能割の割合を「52:48」と提案してきました。2015年度の県平均の割合は「48.33:51.67」と応能割が高くなっていますので、逆転することになります。

応益割は世帯やその人数に応じて賦課され、応能割は前年所得や資産に応じて賦課されますので、応益割比率が高いほど低所得者の保険料は高くなります。

そこで私は、応益割と応能割を「40:60」にすることを提案し、被災地で低所得者が増えている中で、少なくとも現状と逆転して応益割のほうが高くなるのは問題だ。改めよと指摘しました。

⇒(国保医療課長):国のガイドラインに準拠している。市町村との連携会議で確認したことだ。

(天下):国のガイドライン自身が「技術的助言」であると言っている。決めるのは宮城県だ。

⇒(保健福祉部長):そういう意見があったことを市町村との連携会議で伝えて議論する。

④保険料の試算を公表し、市町村議会や住民の理解が得られるような進め方をせよ

(天下):標準保険料率を市町村に提示するのはいつか。

⇒(国保医療課長):国の係数が発表されるのが年末になるため年明けになる。

(天下):それでは市町村が2・3月議会にかけて住民に説明して理解を得ることは大変だ。保険料の試算を公表して、住民にわかるようにすべきだ。

⇒(国保医療課長):国の方針が出ない中で試算の公表は混乱を招くのでできない。

(天下):このままだと、来年の春に保険料のカップを見て初めて住民がわかることになり問題だ。

⇒(保健福祉部長):市町村議会や住民の理解なく進めることは良くないので、今後の協議で検討したい。

※宮城県国保運営方針案は、5月に宮城県国保運営協議会に諮問して、6~7月にパブリックコメントの募集(1か月間)、6~10月に市町村の意見聴取を経て、11月に運営協議会の答申が出され、12月に運営方針の策定・公表の予定で進められます。パブリックコメントは、国のガイドラインでは「しなくてもいい」と書いてありましたが、何度も質問で要請して実現させたものです。皆さんの率直な意見を寄せていきましょう。

医療的ケアが必要な障害児者への支援の充実を

在宅で生活する医療的ケアを必要とする障害児者と家族の方から、受け入れ可能な日中活動の場や短期入所事業所が少なく、介護負担も大きく、緊急時に預ける場所の確保も困難であることから、支援の充実を望む声があがっています。今回の委員会で、「宮城県医療的ケア等推進検討会」の結果が報告されました。

報告によりますと、医療的ケアを必要とする障害児者は、仙台市を除いて約2000人に上ります。ところが、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者や重症心身障害児等が対象となる医療型短期入所事業所は、7事業所【仙台市4(定員19人)、山元町1(2人)、気仙沼市1(1人)、登米市1(1人)】しかありません。福祉型短期入所事業所や日中活動サービス及び訪問系サービス事業所も、医療的ケアに対応できる事業所は少なく、看護師確保の困難や介護士の喀痰吸引等の研修が追い付いていない実態も報告されました。また、医療的ケアに関する情報を一元的に管理・提供する体制や、関係機関の連携をコーディネートする体制がないことも課題とされました。

これらの結果を受けて、宮城県は2017年度に、①医療型短期入所モデル事業の実施(2カ所・2床)、②医療的ケア等情報拠点機能検討会の開催、③更に、検討会の結果を踏まえた支援策の具体的な検討を行うと説明しました。

<医療的ケアができる長期入所施設の拡充も>

障害福祉サービス事業所への調査では、看護師確保が課題のトップとして挙げられており、看護師の処遇改善に県の助成などを検討すべきです。また、今回は短期入所事業所に焦点をあてていますが、家族の高齢化等の中で医療的ケアができる長期入所施設の増設も喫緊の課題であり、整備を求めていきます。

自治体病院医師募集⇒「偏在解消と定着」にも対策を

2017年度の自治体病院への医師配置状況は、ドクターバンク事業で8人、ドクターキューピット事業で8人、修学資金貸付で73人、自治医科大学から11人で合計100人となっています。これは2014年度の合計48人から年々増えて倍以上の配置で、宮城県が医師確保対策室を設置して取り組んできた一定の成果です。

 ところが、県内の自治体病院の医師必要数は103人(201731日現在)で、高い求人状況が何年も続いています。103人の内訳は、仙台医療圏では塩釜市立病院が4人、公立黒川病院が6人で10人。仙南医療圏が20人、大崎・栗原医療圏が41人、石巻・登米・気仙沼医療圏が32人と、慢性的な医師不足が続いています。県当局もまだ需要に応じきれていないと認めています。

 医師不足は自治体病院だけでなく民間病院でも深刻です。昨年4月に新設した東北医科薬科大学医学部からは、2022年度以降、毎年30人の宮城県の奨学生が卒業してきます。今後は医師確保とともに、医師の定着と、特に地方の病院への医師配置の対策が重要です。

 *ドクターバンク事業:県内自治体病院での勤務を希望する医師を全国から募集し、県職員として採用の上、自治体病院に派遣する。

 *ドクターキューピット事業:県に設置する「宮城県地域医療医師無料職業紹介所」で、地域医療に関心を持つ医師を対象に、無料で自治体病院等の紹介を行う。

 *医学生修学資金等貸付事業:将来、県内の自治体病院に勤務する意欲のある医学生に修学資金を貸し付け、一定条件で償還を免除するもの。

 *医師確保対策室:2017年度からは看護師等も含めた「医療人材対策室」に変更

4月21日保健福祉委員会報告 ~県の重要な「計画書」は委員会の1週間前に配布せよ

 年度初めにあたり、県の保健福祉行政の概要について報告を受けました。今年度は、地域医療計画、高齢者福祉計画・介護保険事業支援計画、障害福祉計画など県の重要計画策定の年です。ところが、常任委員会の資料は前日の夕方にしか配布されません。各計画は一晩では読むだけでも大変な分量です。議員が現場の実態や声を踏まえて有意義な質疑を行うために、私は、遅くとも1週間前には「計画」を議員に配布するよう要請しました。保健福祉部長は、できるだけ資料の前倒しを検討したいと答えました。

4/17いじめ・不登校調査特別委員会で参考人質疑

喜多明人氏(早稲田大学文学学術院文化構想学部教授)と、小森美登里氏(NPO法人ジェントルハートプロジェクト理事)、足立智昭氏(宮城学院女子大学教育学部教授)の3人のお話しを伺いました。

 喜多氏は、子どもの権利条約の立場から子どもの目線で関わることの大切さを強調し、いじめ防止対策については、「みやぎ子ども・子育て県民条例」を活かして、「安心してSOSを発信する環境づくり」を提起。不登校問題では、フリースクールやフリースペースなどの学校外の多様な学びの場の形成について提言。また、教師の抱え込み体質が障碍となっているとして、いじめも不登校もいつでも「ある」ことを認めて、子どもを追い詰めないこと。最後に学校、教師は既に「限界」であり、支援体制の確立が必要と提言しました。

 小森氏は、19年前に15歳の娘さんをいじめ自殺で失い、NPO法人を立ち上げていじめ防止対策に取り組んでいる方です。いじめは著しい人権侵害であり、人の考える力と生きる気力を奪ってしまう「虐待」と同じだと認識すること。重大問題が起きたときに、学校と親の当事者間で情報を共有し検討するシステムができていない。学校のいじめ問題対策チームのスキルアップが必要、加害者にはその背景に寄り添うことが必要だと話されました。

 足立氏は、いじめ、不登校の1000人当たりの件数が宮城県はいずれも全国ワースト2位(2016年)であり、人口10万人比のDV件数は全国1位(2011年~14年)であるとして、震災によるトラウマの問題や貧困との関係について述べられました。そして、宮城県は医療・福祉と心理と教育の組織がバラバラだとして、連携を図る「メガ災害発達支援センター」構想について提言しました。

石炭火力発電所の建設・操業中止を

~利益は関西と四国に、電力は東京に、汚染は被災地・仙塩地域に~

仙台港に建設された関西電力・伊藤忠商事の子会社による仙台パワーステーションの試運転開始が6月に迫っていますが、今度は、四国電力と住友商事による新たな石炭火力発電所の建設計画が発表され、43日に説明会が開かれて参加してきました。喘息など健康被害が懸念されること、地球温暖化対策に逆行すること、近くに蒲生干潟があることなどから、石炭火力発電所の建設は認められません。

大学の先生や医師・住民の皆さんが、「仙台港の石炭火力発電所建設問題を考える会」を作って緊急署名を行っています。子どもや孫に安心・安全な故郷を手渡せるよう、署名運動に協力しましょう。

被災者の住宅再建~最後の一人まで寄り添った支援を

 応急仮設住宅の供与期間について、石巻市、気仙沼市、名取市、東松島市、女川町、南三陸町の6市町が8年目も特定延長(※)すること、塩竈市、多賀城市、山元町は7年で終了することが報告されました。

 一方、宮城県の応急仮設住宅入居者の再建意向調査(1月末現在)によると、再建先未定は74世帯、未把握は59世帯です。そのうち塩竈市は未定が4世帯、未把握が2世帯となっています。一人一人の被災者に寄り添った支援が必要です。