東日本大震災から8年~見守りとコミュニティ支援

<仮設住宅・災害公営住宅入居者への支援>
2018年10月末で、孤独死は仮設住宅で109人、災害公営住宅で105人にのぼっています。孤独死を防ぐためにも、また前述した宮城県の「健康調査結果」からも、災害公営住宅における見守りや相談、心のケア、コミュニティ形成等への長期的・継続的な支援は重要な課題です。
2018年4月現在、仮設住宅や災害公営住宅入居者を支援するサポートセンター(高齢者相談室等を含む)は13市町に47ヶ所、生活支援相談員は417人です。ピーク時は、サポートセンターが2014年の64ヶ所、生活支援相談員が2012年の939人でした。

<南三陸町の生活支援員の活動>
今年の2月15日に党県議団で南三陸町を訪問し、災害公営住宅における被災者支援の取組について調査してきました。
南三陸町の災害公営住宅整備戸数は8団地に738戸、入居戸数(一般入居者も含む)は721戸で1416人が入居しています。全団地の高齢化率は45.55%、中でも志津川東団地は59.69%と高くなっています(2018年10月末現在)。町は、災害公営住宅の整備検討段階から、「高齢化の進行」という課題を見据えて、①福祉やコミュニティに配慮した設計検討、②見守り支援の継続、③高齢者生活支援施設の整備を重点3項目として取り組んできました。
見守り支援では、60戸以上の団地の6つの集会所に「高齢者生活相談室」を設置して生活支援員を2名ずつ常駐させ、見守りや生活相談、関係機関との連携、コミュニティ形成支援(住民検討会の進行、各種イベントの運営、自治会運営支援)などの業務を行っています。更に3名の生活支援員が小規模団地を巡回支援しています。この15人の生活支援員は社会福祉協議会の嘱託職員で、仮設住宅の時から継続して担っているとのことでした。町の担当職員は、こうした取組ができたのは、震災後支援に来てくださった兵庫県の派遣職員のアドバイスが大きかったと話していました。
これらの事業の財源は、被災者支援総合交付金(復興庁10/10)です。南三陸町は、事業を長期的に継続する意向ですが、問題は、復興期間が終了する2021年度以降の財源確保です。

<塩釜市のふれあいサポートセンター>
昨年11月に党市議団と一緒に、「塩釜市ふれあいサポートセンター」を訪問し調査してきました。塩釜市のサポートセンターは、市内に1カ所設置されて社会福祉協議会に委託し、浦戸諸島を含めた9地区390戸の災害公営住宅を6人のスタッフで支援しています。
活動内容は、1つは巡回訪問による見守り生活相談。一人暮らしの方々を中心に、毎月、週1~2回、月1~2回など入居者の状態に合わせて定期訪問し、気になる人は地域包括支援センター等に繋いでいるとのことでした。もう1つは、コミュニティ支援を目的とした災害公営住宅集会所での「ふれあいサロン」の開催です。「脳トレ教室」「ダンベル体操」「映画とお茶の会」「タペストリー作り」等々、様々な企画が行われていました。

市町村によって形態は違いますが、超高齢化社会で一人暮らしが多い災害公営住宅入居者を支えるサポートセンター等の活動を、復興期間終了の2020年度で終わらせるわけにはいきません。国に財源の継続を求めて運動が必要です。また、規模の大きい団地では南三陸町のような生活支援員の常駐体制は重要です。

 

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