「宮城県県税条例の一部改正条例」専決処分:「不承認」で反対討論(5/31臨時議会)

今回、臨時議会で提案されている議第108号議案「宮城県県税条例等の一部改正条例」の専決処分については承認できません。以下、その理由について述べます。

今、コロナ禍や物価高騰が暮らしと営業を直撃し、貧困と格差が拡大しています。格差是正のためには、生計費非課税の徹底や所得再分配機能の強化が求められます。

ところが、法人事業税の「賃上げ促進税制」で税額控除の対象となるのは、資本金1億円以上の大企業で、宮城県ではわずか0.4%の企業しか対象となりません。中小企業にも賃上げ等に対応して税額控除する制度があるということですが、法人事業税を払える中小企業は約3割に過ぎません。多くの労働者が働く7割の中小企業や赤字企業は対象外であり、中小企業の賃上げを保障するものにならず、賛成できません。

むしろ国は、大企業の内部留保に課税して新たな財源を作り、中小企業支援を抜本的に拡充することと、賃上げした大企業には内部留保課税の控除を行うことで、大企業から中小企業まで賃上げできる土台をつくることを検討すべきです。

 

また、法人事業税のガス供給業に係る収入金額課税の見直しは、東京ガスなど大手3社と資本金1億円超えのガス事業者に対して、収入割のみによる課税方式から、付加価値割及び資本割、所得割を組み入れた方式などに変更するものです。全国知事会と地方財政審議会は安定した税収確保の点から反対していました。基準財政収入額に算定され普通交付税措置するとのことですが、日本全体の減収額は80億円に上ると見込まれています。宮城県では東北電力のガス部門が関わるとのことでした。

大企業ばかり優遇する税制変更は認められません。

 

最後に、医療機関の再編に係る課税標準の特例措置の創設は、地域医療構想調整会議で協議され厚労大臣の認定を受けた計画に基づき、医療機関の再編に伴って取得した不動産に係る不動産取得税について、当該不動産の価格の2分の1に相当する額を価格から控除するもので、2024年3月末までの2年間の特例措置となります。

これは、今、コロナ禍の中で喫緊の課題となっている地域医療提供体制の拡充に逆行し、医療機関の再編・統合を税制から後押しするもので認められません。

5月27日に4病院再編・統合問題で、名取市と富谷市から突然、県に建設候補地が提案されました。今回の不動産取得税の減税措置が、知事が強引に進める再編・統合に拍車をかけることが大変、危惧されます。当該病院の職員、患者さん、地域住民、医療関係者、そして仙台市を置き去りにして強行することがないよう、知事に強く求めて討論を終わります。

ご清聴、ありがとうございました。

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