介護保険制度の抜本的改善を求めるー予算総括質疑③

国の介護保険制度改悪と介護報酬削減、宮城県の第6期みやぎ高齢者元気プラン(以下、第6期元気プラン)の改善を取り上げました。

<介護予防訪問介護・通所介護の市町村移行の問題点>

介護予防訪問介護や通所介護の市町村移行は、県内で2015年度から実施するのは石巻市、白石市、川崎町の3自治体のみで、多くの市町村は経過期間最後の2017年度の実施としています。事業を担うNPO法人やボランティアの確保・養成の目途がたたないなどにより、市町村も混乱しています。同時に、介護職員の配置をボランティア等に移行することは、利用者にとっても問題があります。介護現場の職員からは、認知症についての専門的な視点が不足して認知症状が悪化する懸念や、専門的支援が受けられなくなることで、日常生活動作が低下して早く要介護状態になる懸念が出されいます。

介護の質を確保するために、基本的に資格のある介護職員を配置することを求めました。保健福祉部長は、身体介護や機能訓練などはこれまで同様、指定事業者によるサービスが確保されている。それ以外の掃除・洗濯などの生活支援サービスやコミュニティサロンなどのサービスは、NPOや民間企業、ボランティアなどの多様な主体により提供されると答えました。私は、今回の介護報酬改定で介護予防の通所介護は20%も削減されて、事業の維持が困難になっていると述べ、対策を求めました。

 

<特養ホームの待機者解消に向けて整備目標を拡大せよ!>

3年前の第5期元気プランの特養ホーム待機者数は12,038人でしたが、今回、第6期元気プランの待機者数は13,773人で、1735人も増加しました。県は、整備目標について、「施設入所の緊急性が高い介護度3以上の自宅待機者3151人の早期解消をめざす」としていますが、高齢化の進行が計算されておらず、これでは待機者が増えていきます。「特養ホーム待機者の解消」は知事の公約であり、この3年間で増えた待機者数1735人も加えて整備目標を決めるよう求めました。保健福祉部長は「市町村の計画をもとに調整中」と答え、村井知事は、「国の制度も変わっており難しくなってきているがしっかりと頑張りたい。特にこの10年間が非常に重要だ」と答えました。

尚、3月17日の保健福祉常任委員会で、県は、特養ホームの2017年度に向けた整備目標について、介護度3以上の自宅待機者3151人の解消に向けて、既に着手している1706床を引くと1445床になるが、市町村の積み上げ数を勘案して1542床を新たに整備する計画を示しました。この数字では待機者解消にはとても及びませんが、一方で、4月からは特養ホームの入所対象者が介護度3以上に限定され、介護度1,2の方は待機者にカウントされなくなります。

 

<介護報酬の再改定を国に求めよ!>

今回の国の介護報酬引き下げで、特養ホームは6%前後の削減で、1カ所あたり1500万円から2000万円の減収です。一方、電気代や給食材料費などの経費増や消費税増税で、事業者は悲鳴をあげています。ある社会福祉法人から、「この報酬では事業拡大は考えられない」と言われたことを紹介し、国庫負担を増やして介護報酬の抜本的引き上げを国に求めるよう要請しました。知事は、「私もその通りだと思う。いろいろ行動を起こしたい」と答えました。

 

<特養ホーム建設補助金を資材高騰分補填せよ!>

震災後、資材等の高騰で特養ホームの建設費が上がっても補助金は増えず、増えた借入金の返済が今回の介護報酬引き下げで負担になっています。特養ホーム建設の補助金を資材高騰分増額すること、震災後に建設したところには遡って補てんすることを求めました。保健福祉部長は、「限られた財源の中で補助金の増額は難しい」と答えました。

 

<「保険あって介護なし」~利用料減免制度の拡充を!>

介護保険料は天引きされますが、お金がないと必要なサービスを受けられない問題が更に深刻になります。特養ホームの費用は、食費・居住費を含めて従来型多床室で月8~9万円、ユニット型個室だと13~14万円かかります。低所得者の方には食費・居住費を補てんする「補足給付」というしくみがありますが、要件が見直され、世帯分離をしていても配偶者が課税されていれば対象外、非課税年金である遺族年金や障害年金も所得の算定に加えることになりました。補足給付の対象から外れると、ユニット型個室の場合、月4~6万円の負担増となり、退去せざるを得ない人も出かねません。県として補足給付見直しの撤回を国に求めるよう要請しました。保健福祉部長は、不公平是正の観点から見直しが行われたと答えました。

私は、低所得者対策はごく一部の人の問題ではないと述べ、宮城県の厚生年金の受給者は24万人で月額平均14万1577円、国民年金の受給者は51万7千人で月額平均5万3195円と、圧倒的多数が国民年金で生活している。年金は年々削られ、介護保険料は増えていく。保険料を払っていても利用料が払えず、必要な介護を受けられない実態があり、家族への負担が重くのしかかっている。利用料減免制度の拡充を求めました。

 

<第6期介護保険料は県平均月額5380円ー11%の大幅値上げ>

3月17日の保健福祉委員会で、第6期の介護保険料の県内平均が月額5380円になることが報告されました。第5期平均が4846円でしたので11%の大幅値上げとなります。県内最高の自治体が6509円、最低が4057円と、市町村格差が広がっています。また、県平均額の5380円は、介護保険が導入された2000年の約2倍です。

特養ホームの増設や介護サービスが充実すると保険料や利用料に跳ね返る介護保険のしくみに根本的な問題があります。国庫負担を抜本的に増やすことが必要です。法人実効税率の引き下げを行わなければ可能です。

 

 

 

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