月別アーカイブ: 2016年5月

村井知事、子ども医療費助成拡充を表明!   ~5/27 市町村長会議で~

5月27日に行われた市町村長会議で、村井知事が従来の方針を転換し、2017年度から県の子ども医療費助成を拡充する方針を表明したことが報道されました。秋までに具体的な拡大幅を決めるとの意向です。

//県民の運動が県政を動かした!//

現在、宮城県の補助対象は、通院2歳・入院就学前までで、この水準は全国最下位です。これに対して、2013年6月議会に乳幼児医療ネットワークみやぎ(以下、乳幼児ネット)が県の拡充を求める請願を提出。更に、歯科医師会や郡医師会、医療機関、保育所、幼稚園など県内700を超える団体の賛同署名を提出するとともに、県に拡充を求める意見書を35全市町村から提出させる運動を展開しました。

請願は、継続審査を繰り返す自民党と公明党により、2015年9月議会で廃案となりました。しかし、全市町村に働きかける運動の中で、市町村の制度拡充が大きく前進し、そのことが更に、仙台市をはじめ市町村から県に対する要請を強めてきました。

//論戦ハイライト//

日本共産党県議団は、運動と連携して議会論戦をリードし、知事に迫ってきました。私と知事との論戦の一部を改めて紹介します。

20149月議会予算特別委員会

(天下):県立医学部構想がなくなった今、予定していた運営費年間約30億円の一部8億円をあてれば、通院助成を通学前まで拡大できる。

(知事):天下議員の主張も筋が通っているがプライオリティ(優先順位)の問題だ。

(天下):知事のやる気の問題です。

20152月議会予算特別委員会

(天下):保健福祉部から乳幼児医療費助成の予算拡充の要望があったのにしないのは知事の判断か?

(知事):私の判断です。

(天下):知事が、乳幼児医療費助成制度をバラマキ政策と言ったことは、制度の本質をねじまげ、頑張って拡充している他の自治体を誹謗する発言であり、撤回せよ。

(知事):本当に弱い人たちにお金を注ぎ込むことが福祉だ。

(天下):それは16世紀の救貧法の考え方だ。現代の社会保障は、憲法25条の生存権に基づき、必要な医療は保障し、負担は応能負担が原則。世界の多くの国では医療費無料が常識だ。

(知事):財源がない。

(天下):宮城県の財政力指数(17位)からみれば、他県レベルまでは早く拡充すべき。

「保育所の配置基準の弾力化」に対するパブリックコメントについて質す

待機児童対策として、国が関係省令等を改定して、保育所の職員配置基準について、当分の間、特例的運用を可能としました。これに呼応して、県の関係条例改定が予定されており、県民の意見を聞くパブリックコメントが実施されていたことがわかりました。

この内容は、朝夕子どもが少数となる時間帯の職員配置の基準緩和など、保育の質と安全にかかわることであり、現場の声を聞くことは大変重要です。ところが、パブリックコメント(4/18~5/6)が保育関係者に周知されずに終わってしまい、寄せられた意見はゼロ件であったことがわかりました。

私は、5月23日の保健福祉委員会でこの問題を取り上げ、改めて関係者の声をしっかりと聴取すること、また、今後パブリックコメント実施の際は、関係者に周知して行うことを要請しました。

視察した船形コロニーの課題について県に質す  ~28年度、手厚い人員配置に県の独自支援実施~

5月11日に保健福祉委員会で視察した船形コロニーの課題について、保健福祉委員会で取り上げました。

(天下):船形コロニーは高齢化、重度化が進んでいる。ところが介護保険適用除外施設になっているため、特養ホームに入りたいときには退所して介護認定を受けないといけないのに、退所先がなくて困る。一方、障害者施設は、特養ホームより医師・看護師・介護職員等の配置基準が低く、高齢化・重度化に対応しきれない。法の盲点ではないか?

(障害福祉課長):制度のはざまになっている。国に改善を要望したい。

(天下):看護師や介護職員をなかなか確保できず、昨年から資格要件を撤廃して35~6名の職員を採用した。研修が重要だが、人手不足の中で参加させるのにも苦労している。県には研修参加のための代替え要員確保の補助制度があるが、雇いたくても人がいないという深刻な人手不足がある。県独自の支援制度も検討すべきでないか。

(障害福祉課長):医療や介護、福祉の人材確保は保健福祉部の重点事項としてとりくんでいく。重度の障害者を受け入れて手厚い人員配置体制をとっている事業所には国の加算制度があるが、人手不足で加算がとれないでいる。28年度は、国の基準に満たないが、一定以上の配置をしていて、かつ重度の障害者を受け入れている所に、県独自の補助を実施することになった。

(天下):船形コロニーの今後の建て替え計画はどのように進めるのか?

(障害福祉課長):今年度、基本構想を出すが、その段階でスケジュールを出す。

 

塩釜市の応急仮設住宅は基本6年目まで    ~ 特定延長の場合は最大2018年3月末まで~

5月23日の保健福祉委員会で、県内の応急仮設住宅の供与期間延長について報告を受けました。

  • 一律7年目延長:石巻市、名取市、女川町
  • 特定延長:塩竈市、気仙沼市、多賀城市(継続)、東松島市、山元町(継続)、南三陸町
  • 6年間で終了:仙台市、亘理町、七ヶ浜町

特定延長とは、災害公営住宅等に入居予定だが整備完了が困難な場合など特定の要件に該当する被災者について延長するものです。最大2018年3月末までの延長となります。尚、特定延長対象者について市が県に報告する手続きは7月末までとなっています。それ以外の方は、プレハブ仮設の場合は供与開始後6年間、みなし仮設(民賃)の場合は最初の契約から6年間で終了となりますので、来年2017年春頃には順次終了となります。

今必要なことは、再建先が決まらない方、災害公営住宅に入りたいが困難を抱えている方への寄り添った支援です。

5/18 汚染土壌処理施設進出反対の署名10,590人分を県知事に提出

5月18日、塩竈の生活環境を守る会(会長:志賀直哉・塩釜魚市場社長)と塩竈市議会議員有志の会(代表:香取嗣雄議長)は、村井知事あての「汚染土壌処理会社の港町地区進出反対と汚染土壌の塩釜港区東埠頭での荷役作業中止に関する要望書」を10,590人分の署名を添えて提出しました。日本共産党からは私と曽我市議が同席しました。

参加した水産業界の皆さんからは、「原発事故の風評被害で未だ苦しんでいるのに、この問題で健康・風評被害が起きたら死活問題だ」、「今回、県が許可すれば、続々と廃棄物施設が進出するだろう。住居と食品工場と市場が接する塩釜港のあり方を県にも真剣に考えてほしい」などの切実な訴えがありました。

要望書と署名を受け取った若生副知事は、「法律上、許可要件に適合したら許可せざるを得ない。1万人を超える署名は重い。知恵を出して対応を考えたい」と述べました。

5月19日汚染土壌処理施設反対署名提出

 

5/16 「安保法制廃止」をめざして塩釜で初めての野党合同宣伝

5月16日、安保法制廃止をめざして、塩釜市で初めての野党合同宣伝を行いました。

これは、3月30日に発足した「安保法制廃止を求める女性議員・元議員有志の会 宮城」に結集した塩釜の女性議員4人が呼びかけたものです。この日は、社民党の東海林京子元市議、日本共産党の小野絹子元市議、曽我ミヨ市議、伊勢由典市議、小高洋市議、そして県議の天下が参加しました。

「安保法制=戦争法を廃止して立憲主義を守ろう」「参議院選挙に向けて、野党統一候補の桜井充氏を先頭に頑張ります」と、市役所前と壱番館のそばで市民にアピールしました。

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5/11 保健福祉委員会で山形県のドクターヘリと船形コロニーを視察

宮城県のドクターヘリの導入準備が進む中で、山形県立中央病院を訪問し、山形県の運用状況を調査してきました。

山形県のドクターヘリは、2012年11月15日から山形県立中央病院を基地病院として運航が開始されました。運航時間は原則として8時半から17時15分までですが、11・12月は16時まで、6・7月は18時半までと日没時間を考慮して対応していました。夜間は運航せず、天候不良の場合は機長の判断で飛行を中止又は変更することができます。関係経費は2016年度当初予算で2億21百万円で、うち2億円が国庫対象とのことでした。医療スタッフは医師12名と看護師8名。うち医師の5名は応援医師で、土日や祭日に来てもらっているとのことでした。ランデブーポイントは767カ所ですが、冬場は雪のため103カ所になるそうです。2015年度の出動件数は407件でした。福島県・秋田県と広域連携(相互応援)をしています。

ドクターヘリの導入にあたっては、行政が医療圏ごとに病院への説明会を実施し、スタートはスムーズだったそうです。また、消防との連携が大切と話していました。

保健福祉委員会県内調査(病院) (7)保健福祉委員会県内調査(病院) (11)

 

大和町に46万㎡という広い敷地を有する宮城県船形コロニーは1973年に開設され、宮城県社会福祉協議会が運営しています。現在の利用定員は障がい者支援施設が210人、就労継続支援B型事業が20人、短期入所事業が10人です。

2002年に当時の浅野知事から「施設解体宣言」が出され、地域移行が進みましたが、受け入れ体制がないと反対の声があがりました。昨今は、高齢化と医療的ニーズの高い利用者が多くなり、地域移行できる方は減っています。築40年が過ぎる中で「県立障害者入所施設のあり方検討会」の答申が出され、建て替えが検討中です。

施設長さんのお話の「障害者施設を取り巻く状況」が考えさせられました。コロニーは介護保険適用除外施設になっているため、保険料は払わなくて済むが、特養ホームに入りたいときには、退所して介護認定を受けないといけないのに、退所先がないので困るということでした。一方、障害者施設は、特養ホームより医師や看護師、介護職員の配置基準が低いのが実態です。まさに、法の盲点だと思いました。また、介護職員の喀痰吸引の研修会が行われていますが、座学で7日、実習で8日かかるために、人手不足の中で参加させるのに苦労しています。宮城県では研修参加のために替わりの人を雇うための補助制度がありますが、雇いたくても人がいないと話していました。看護師や介護職員を募集しても、資格者がなかなか集まらず、昨年から資格要件を撤廃して35~6名採用したとのことでした。

育成会の会長さんが、「40年お世話になっており、親は70代~80代になっている。親亡き後の住まいの心配がないようにお願いしたい。建て替えに向けて、育成会として独自のアンケート調査中。親・家族の希望を反映してほしい。結果は提供したい」と話していました。

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