【国民健康保険】いのちの平等めざして~ 経済的に困難に陥っても医療を受けられるしくみを

全日本民主医療機関連合会が毎年、「経済的事由による手遅れ死亡調査」を行っています。これは、国保税(料)などの滞納により、無保険もしくは資格証明書、短期保険証発行により病状が悪化し死亡に至ったと考えられる事例や、正規保険証を保持しながらも、経済的事由により受診が遅れ死亡に至ったと考えられる事例をまとめたものです。2022年は全国で46事例が報告されました。

天下みゆきは、経済的に困難に陥っても医療が受けられるよう、以下3点を求め、保健福祉部長が回答しました。

①10割負担となる資格証明書を廃止し、実質無保険となる短期保険証の留置きを止めること。*県内では21市町村が268世帯に資格証明書を交付。短期証の留置き枚数は19市町で416枚。(2022年6月1日現在)

⇒回答 県では「短期証・資格証明書の交付に基づく指針」を策定して市町村を指導している。留置きについては、一定の条件の下での郵送等の活用を助言している。

②仙台市の取組を参考に、保険料や一部負担金の減免制度を拡充し、住民に周知すること。

*2021年度保険料(税)減免実施状況によると、仙台市は「収入減」で1,623世帯、「低所得」で2万4184世帯に減免を実施していますが、他の市町村で災害・病気・失業・収入減・低所得等について減免を実施しているのは、21市町で125世帯にすぎません。

一部負担金減免実施状況では全県でわずか5件(福島の原発避難者への減免を除く)。

⇒回答 県として、仙台市の取組など県内での減免制度の実施状況について、市町村との情報共有を図る。

③「無料低額診療事業」を県立病院で導入するとともに、更に拡充するよう働きかけること。

*県内の無料低額診療事業を行っている医療機関は6病院・4診療所。

⇒回答 「県立病院を含め、県内の各医療機関に対し制度の周知を図る」と、県立病院について他人事のような回答でした。

 

//子どもの均等割ゼロに向けて市町村を支援せよ//

国民健康保険の均等割は、子どもが1人生まれるたびに負担が増えるしくみで、子育て世帯に重い負担です。国民の声の広がりを受けて、国は2022年4月から子どもの均等割の負担軽減を開始しましたが、対象は未就学児だけで、補助も半額に留まっています。これに対して、仙台市や石巻市など10市町が独自減免を行っています。

天下みゆきは、「宮城県は合計特殊出生率が全国ワースト2位と大変、深刻だ。子どもの均等割は少子化対策にとって大きな障害であり、県が18歳までの均等割額の半分を市町村に支援せよ」と求めました。

保健福祉部長は、「国が責任を持って対応すべきもの。対象範囲及び軽減割合の更なる拡充について国に要望する」と答えました。

 

//高い国保税を引き下げよ//

高い国保税の引き下げは県民の切実な願いです。ところが、市町村から県に収める今年度の納付金は、県平均で1人当たり8.48%増と、2018年度の県単位化以来最高の引き上げでした。また県単位化後、法定外一般会計繰入を行うと、保険者努力支援制度の得点が減点され、当該自治体及び都道府県に対する国の交付金が減額されるというとんでもない制度ができました。

そこで天下みゆきは、①2021年度までの宮城県国保の決算剰余金8億円を、今年度、保険料が上がる自治体に配分すること。②法定外一般会計繰入を行うと、国の交付金が減額されるしくみを止めるよう国に強く求めること。③1兆円の公費投入増で国保税(料)を協会けんぽ並みに引き下げるよう、国に求めることの3点を県に求めました。

保健福祉部長は、①昨年度から、県の国保特別会計の決算剰余金を基金に積み立て、市町村の負担軽減の財源にあてることが可能となった。②国の保険者努力支援制度について、各市町村の実情に応じた柔軟な運用が図られるよう、国に求める。③国保財政の安定を図るため、国庫負担の割合を高めるよう国に要望する」と答えました。

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