2月1日~2日、日本共産党の参議院議員、小池晃さん(1日のみ)と田村智子さん(1日午前のみ)と一緒に、党県議団8人で石巻、女川、南三陸の被災地調査を行いました。
1. 石巻魚市場
津波で全壊し昨年9月に高度衛生管理の魚市場として再建して世界一の広さとなった市場と、放射能測定器などの設備を須能社長に案内していただきました。「水揚げは85%まで戻ったが、人手不足が続いている。沿岸に住んでいた人が高台の仮設に行って、働き手として戻ってこない。水産業もきれいな市場とコンピューター化した加工場など従来のイメージと違う。市と市場が共同して整備中の振興センターでは子どもたちとの交流や料理教室、食育などに力を入れたい。振興センターには船員用のお風呂や調理教室も作る」と話していました。また、須能社長は、「もともと水産業は6次産業で、それは一次産業を支えるためだったが、今の6次産業は誰のためか?」と語り、TPPについては、「価格の下落が心配」と話していました。
2.石巻市役所~~~「被災者医療の免除措置継続する」と副市長
菅原副市長他担当部長と懇談しました。再建方法が決まらない世帯が1,117世帯。うち事前登録等不明が875世帯だそうです。「復興公営住宅に入れない人の条件緩和、民間住宅の災害公営住宅扱い、入居要件のない人への市営住宅扱いなど、875名の個別事情を整理して方針を打ち出したい。新市街地のコミュニティは、代表世話人を見つけるのも町内会形成も大変で、NPOに地域に入ってもらって応援いただいている。人の支援には時間がかかる。」と話していました。
また、原発の避難計画について、県のガイドラインに基づき策定中。H27年2月に、避難先とされた27市町村を集め、基本的な依頼事項を示したが、県が事前調整した避難者数との相違により、その後の協議に時間を要している。H27年秋には、石巻市のPAZの全戸住民に対して避難手段等の調査を実施し、現在、調査結果を広域避難計画に盛り込む作業中。作業が膨大となるUPZへの調査はH28年度以降となることで、策定目標時期であるH28年3月末までには、PAZ主体の避難計画となる見込みとのことでした。
漁港の災害復旧は一部を除いて概ねH29年度内に、海岸防潮堤は概ねH31年度内完成を目指していく予定。整備高さの決定にあたっては、地元合意のうえ事業を進めており、L1防潮堤の防護高さ以下に住家がなく、災害時に集落を孤立させないための幹線道路が確保されていることなどの一定条件が整い、且つ、住民総意の要望により震災前の高さでの原型復旧も可能としている。
今後の復興事業の見通しから、支援職員数のピークはH27年度から28年度と見込んでいる。H28年1月1日現在、必要人数448人、支援職員確保総数380人(派遣221人、採用159人)、不足人数は68人と、マンパワーの確保に苦労していました。
被災者医療の免除措置について、菅原副市長は「市長の意向で、国の補助がない場合でも、2016年度も負担免除を継続します」と明言し、「ただ財政は厳しく国には支援してほしい」と訴えていました。
3.月浦の災害公営住宅とカキむき処理場
月浦の支倉常長像のそばに災害公営住宅が建っていました。「買い物が大変。移動販売も戸数が少ないので来ない」とのことでした。カキむき処理場を見てきました。
4.寄磯浜
寄磯浜は9.2mの防潮堤の計画でしたが、3~5分ですぐ山に逃げれること、防潮堤を作ると作業場を建てられないこと、部落から海が見えなくなるということで反対して作らないことになったそうです。ホヤの産地で、「震災前の量に戻ってきたが、韓国の輸入禁止で困っている。震災前は80%韓国に輸出していた。国内の販売は5~9月だが、韓国には年中出せていた。何とかしてほしい」と話していました。また、「海岸から林道に抜ける道路(避難路)を作ってほしい、大谷―小堤間道路にトンネルを作ってほしい」と要望が出されました。
5.牡鹿総合支所
H17年4月1日に合併して11年。震災前4500人だった人口は、昨年末現在3000人に減少しました。防災集団移転事業や災害公営住宅の建設は、全部完成するのはH29年度。鮎川拠点地区の整備は、県の防潮堤(TP+6.0m)と県道の復旧工事(TP+6.0mに嵩上げ)後に、市の盛土(TP+6.0m)などの基盤整備事業や上物施設整備事業が行われるため、市と県で定期的に事業調整会議を開催しているとのことでした。
木村支所長は、県への要望として、県から1人・2人常駐して調整にあたってほしい。支所の担当者が3人の所に県が、縦割りで1班、2班、3班とやってきて対応するのが大変。事業が遅れた1番の要因は、土地の取得が進まなかったこと。高台の防集などで使う山の未相続地が多い。用地買収は他県の応援団が来ている。他県の派遣は1年で変わる。そのたびに1から説明。東部土木事務所の中で牡鹿の調整官を決めてほしい。県は専門職を派遣してくるが、振興事務所で束ねて、マネージメントできる人も配置してほしいと話していました。
6.女川JR駅前商業エリア
2日目は、最初に女川JR駅前にできた商業エリアを高野博町議と阿部律子町議に案内していただきました。「職住分離で、商業地域と住居が別々になる中で商業が成り立つか心配。」「駅や商店の整備は早いが、住宅再建が遅れており、全部完成はH30年度末。人手不足と山の造成の相続問題で時間がかかった。」「高齢化が更に加速しており、医療介護の無料制度の継続がどうしても必要。」「TPPで養殖銀サケが窮地に追い込まれる。県の影響調査で位置付けてほしい。」「高台集落に高齢化で、地域交通網が確保されないと地域そのものがなりたたない。国の抜本的支援が必要。」「女川をこういう町にするという未来が見えない。再生可能エネルギーを利用した新しい産業振興が必要」など実態と要望が出されました。
7.雄勝総合支所
三浦支所長から説明を受けました。震災前1,637世帯・4300人が、復興後の世帯数620世帯・1452人と、人口は震災前の1/3に減る状況。死者161人、行方不明75人、罹災世帯:1467(89.6%)うち全壊1304(79.7%)と被害が大きい地域でした。雄勝町には161戸の仮設住宅で、1000戸は石巻市内や他市町の仮設で暮らしています。特に、雄勝町の中心部は620世帯ありましたが、残ったのは10世帯程度でした。防災集団移転事業・復興公営住宅の最終完成はH29年度末になります。復興公営住宅は面積を変えずに、要望を聞いて注文住宅にして喜ばれているとのことでした。石巻市内の災害公営住宅は旧市内の方が優先で、同じ市民だろうと言って、ふたご団地に雄勝市民も入れた(400世帯)と話していました。
防集団地は自分の浜の近いところに住み漁業を営む。しかし、中心部は商業地域だったが、戻ってくるのは80世帯くらい。漁業でない人はここに住まねばならない理由がなくなった。人口減で商売がなりたたない。復興事業で人が入っているが、終わったら人がいなくなる。市が商店つくるので戻って商売をやってほしい。ここに住んだ人がどうやったら生活できるか、公設のコンビニやガソリンスタンド、生協への依頼など行いたいが、敷地ができるまでまだ2年かかる。中心部(伊勢畑地区防集)は、防集団地を20m、25m、30mの高さに作る。9.7mの防潮堤に8.9mの盛土。
H23年7月から震災復興まちづくりで地域新聞を作った。雄勝を離れた人たちに送っている。県の「復興応援隊」の事業を使っている。県でやめて各市町村でと言っているが、続けてほしい。「死ぬまでここにいたい人にはいてほしい」と言って涙を流した支所長さんの姿が心に残りました。
8.北上・白浜海岸、防潮堤の進捗状況
途中、大川小学校跡地で献花を行い、白浜海岸に向かいました。東部土木事務所の説明では、市道と防潮堤がTP+8.4mと同じ高さになるとのことでした。まわりは何もないが、白浜海岸の漁業集落に向けた道路を守るためと話していました。
9.南三陸町役場
復興推進課長等から進捗状況を伺いました。役場職員352人、うち109人が自治体等派遣職員で、来年度の職員数はピークとなる。職住分離で被災した市街地に人は住めず、低地部10mの嵩上げを行う。ほとんど民有地で権利関係の調整に時間を要し、H30年度までかかるとのことでした。
商工業は、473事業者が被災(商工会登載562)、うち264事業者が再開。仮設店舗が89事業所、津波原子力補助金を使って本設の予定。水産加工業はいち早く復旧したが、人が集まらず困っている。そこで、県の事業「宿舎を建てる場合への補助」と合わせて空き家対策で従業員確保のための家賃補助を行うとのことでした。
課題は、ひとつは急激な人口減少。H23年2月に17,666人だったのが、H27年12月には13806人と▲3860人減少。子育て世代の流出を止めるために、子ども医療費高3まで無料、保育料補助など子育て支援に力を入れる。二つ目は、グループ補助金の期間延長。被害が甚大な漁港周辺は地盤改良が必要だが、復旧に時間を要する地区もあり、再建先が決まらず制度を利用できないとのことでした。
帰りに「さんさん商店街」によって帰って来ました。
まだまだ復興の道のりは長いことを実感しました。広域合併の問題、職住分離で暮らし続けるために必要な手だて(交通対策、買い物支援など)、県と市の事業を進めるための連携のあり方など、課題は山積みです。





















